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「Multiway Markets 」The Logic of Sports Betting Part1-3 (和訳)

The Logic Of Sports Betting 連載5回目

ベッター向けお勧め本「The Logic Of Sports Betting」の和訳記事です。

<過去の連載はこちら>
Vol1. イントロ
Vol2. スポーツベッティングはマルチプレイヤーゲーム
Vol.3 ブレーク・イーブン・パーセンテージ(1)
Vol.4 ブレーク・イーブン・パーセンテージ(2)

全3部作の当書のパート1「BETS AND BOOKS」ではスポーツブックを徹底的に検証しています。

今回のテーマは優勝予想やMVP予想などでお馴染みの"マルチウェイ・マーケット"についてです。

一般的なマーケット、例えば勝敗予想や得点予想などのマーケットと異なり選択肢がたくさんあるマルチウェイマーケットについてはあまりホールドなど気にしないのは私だけでしょうか?今回はそのマルチウェイマーケットについて詳しく解説しております。
また、一般的なマルチウェイマーケットに加えて、”人工的マルチウェイマーケット"と呼ばれるマーケットも今回ご紹介されております。スポーツベットをある程度の期間やっている方であれば、身に覚えのある内容となっておりますが、その人工的マルチウェイマーケットの裏に隠されたメッセージが今回あきらかになります。ぜひお楽しみに!

※翻訳に関して:当方は専門家ではありません。機械翻訳と人の目によるチェックでニュアンスは伝わるように和訳しておりますが、所々粗い訳もあります。事前にご了承下さい。

用語集

各連載ごとに出てくる用語を極力拾い解説する用語集です。もし、読み進めていき用語集に出ていない言葉で理解できない用語あればご連絡下さい。リストに順次追加していきたいと思います。

・ツーウェイ・マーケット
勝ちか負けか、スコアオーバーかスコアアンダーか等ベットする際の選択肢が2つしかないマーケットの事

・ホールド
ブックメーカーが設定するベットを行うための手数料。ジュースやコミッションも同じ意味。

・プッシュ
スプレッドを加味した後の結果で引き分けになること。その場合は、賭けた金額が返金となる。

ブックおじさん's check point

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記事を読み進める前にちょっとしたチェックポイントをおじさんの視点からお届けするコーナーです。

・マルチウェイ・マーケットの特徴を本章ではしっかりと理解しましょう!

The Logic Of Sports Betting(和訳)

Part1-3 BETS AND BOOKS

マルチウェイ・マーケット

これまで説明してきたマーケットは、すべてシンプルなツーウェイ・マーケットでした。このチームに賭けるか、あのチームに賭けるか。オーバーかアンダーに賭けるとかですね。

スポーツブックはマルチウェイ・マーケットも提供しています。マルチウェイ・マーケットは特別なものではありません。

3つのうちの1つの結果、5つのうちの1つの結果、100のうちの1つの結果に賭けるのと、2つのうちの1つの結果に賭けるのと基本的に何も変わりません。

しかし、マルチウェイ・マーケットには注意が必要です。

スポーツブックは時に非常に高いホールドを隠してオッズを提供します。

前章の面倒な計算はともかく、2ウェイ・マーケットを見てホールドを見極めるのはそれほど難しくありません。もしそれが-125/+105であれば、それは「標準的な」ホールドです(ほぼ4パーセントの範囲内)。

もし、-120/105と表示されていれば、もう少し高い(約5パーセント)。-120/-110ならば、さらに高い(6%台)。

それでは2秒後に、この5ウェイ・マーケットのホールドを推定してください。

140 / +245 / +375 / +725 / +1325

はい!時間切れです。

慣れてくると、どんなツーウェイ・マーケットでもホールドを見積もることが自然にできるようになります。しかし、上記のようなマルチウェイ・マーケットを見て、素早く正確にホールドを見積もることができる人はいないでしょう。(ちなみに、このホールドは約9.8%です)

ホールドの大きさは、その市場で良い賭けができるかどうかの最も重要な要因の一つでありますが、マルチウェイマーケットのホールドの計算が難しいという事実は賢くベットをする事をより難しくさせています。

いくつかのマーケットはもともとマルチウェイであるものもあります。

「リーグ優勝チームを選ぶ」「ホームラン王を誰が獲得するか」といったマーケットは、明らかにマルチウェイマーケットです。

しかし、最近の残念な傾向として、自然なツーウェイマーケットをマルチウェイマーケットに変えてしまうことがあります。

私はこれを「人工マルチウェイ・マーケット」と呼んでいます。

例えば、ゴルフの賭けで最も人気があるのは、ペアを組んだ2人のゴルファーの対戦に賭けることです。

Jordan SpiethとJustin Roseのどちらがトーナメントで良いスコアを出すか?

あなたはSpiethの-130またはRoseの+110nどちらからに賭ける事ができるでしょう。そして、2人のスコアが同じであれば、賭けはプッシュとなります。プッシュがなければ、スポーツブックはこのマーケットで約4%の手数料を得ることになります。

プッシュはそれぞれのベッターに満額を返金するため、プッシュの可能性があるとホールド率が4%以下になります。

ブックによっては、ホールド率が低いことを嫌い、プッシュを嫌うところもあります。

そこで、ブックはこの「問題」を「解決」するために、自然な二者択一のマーケット(SpiethとRose、あなたはどちらに賭けますか?)を三者択一のマーケットに変えました。

あなたは今、SpiethとRose、、、そして、タイに賭けることができますよ?

これは自然なマーケットではありません。

誰が2人のゴルファーの引き分けに賭けたいと思うでしょうか?

「ちょっと聞いてくれ。Spiethのパッティングはレベルが高いんだ。しかし、Roseはいくつかの良いトーナメントを戦ってきたんだよね。だから、今回は4ラウンド後のスコアが全く同じになることに賭けてみたいんだ」

現実を見よう。

対戦をこのように変える主な目的は、スポーツブックにとってプッシュを避け、勝ちに変えることです。そして、表面的にはホールドが少ないように見せることができます。

例えば、Spieth -125、Rose +115、Tie +1800のようなオッズ設定が可能です。

タイを無視して2人のゴルファーだけを見れば、お得感があるように見えます。もしタイが通常のマーケットのようにプッシュされた場合、-125/+115は約2%のホールドでかなり良い取引になります。

しかし、タイの賭けを加えると、ホールドは約7%に膨らみます。

マルチウェイ・マーケットについては、本書の後半で、その本質的な弱点や、高いホールドにもかかわらず勝てる場合があることなどを含めて、もっと詳しく説明します。

しかし、ここでは2つのポイントをお伝えしたいと思います。

1.マルチウェイ・マーケットは、ほとんどの場合、ツーウェイ・マーケットよりもホールドが高いので、慎重に行動してください。

2.プッシュがタイベットに変更される人工的なマルチウェイマーケットに惑わされないでください。これはほとんどの場合、スポーツブックがより大きなホールドをするために行われます。

Miller, Ed; Davidow, Matthew. The Logic Of Sports Betting (p.30-32). Kindle 版.

(次回へ続く)

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