【本090】『古本食堂』
著者:原田ひ香 出版社:角川春樹事務所
神田神保町の鷹島古書店で、兄(大叔父)滋郎が急逝したため、店を継ぐため北海道から上京してきた妹・珊瑚と、義理の姪で大学院生・美希喜を中心に展開する物語。
実在する書店や飲食店が登場し、まるで神保町に訪れた気持ちになります。
池波正太郎が愛した揚子江菜館の上海焼きそば、ボンディのビーフカレー、洋食店のランチョン...とても美味しそうだったし、けやき書店や澤口書店など実在する古書店も良い雰囲気のなか登場します。
おもわず、読みながら、ネットでお店の検索をしていました。
古書は世界の理を解読する源。人が生きてきた、自然や環境が進化してきたことを物語る証。神保町という街そのものがこれからも豊かに時を蓄え、刻む場所であり続けますように。