9月13日に『Peau d’Homme(男の皮)』作戦会議を開催しました!
みなさん、こんにちは。書肆喫茶moriの店主です。
去る2024年9月13日(金)夜にZoomにて『Peau d’Homme(男の皮)』翻訳プロジェクト作戦会議を開催しました!
ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!
サウザンコミックスさんではこれまでにもオンラインの作戦会議を開催されていましたが、クラウドファンディングが始まる前の開催は初の試み。
もちろんプロジェクトがスタートしてからが良いのかもとも思いつつ、できれば私の考えていることを前もってお話して、どう思われるかご意見をいただきたいという思いからサウザンコミックス編集主幹の原正人さんに「やりましょう!」とお願いしたものでした。
今回の作戦会議では、原さんから「無くてもいいよ」と言われつつも(笑)パワポの資料を作成して
『Peau d’Homme』がどんなマンガなのか
作者ユベールとはどんな人か
クラファンのリターン案
について私からお話させていただきました。
このクラファンをやると心に決めてから、どうしたらこの作品の魅力を伝えられるか、何度も何度も頭の中で考えに考えてきたのですが
(そしてクラファンが始まってからも何度も何度も考え続けるんだろうなと思っているのですが)
作戦会議では次のようにお話ししました。
『Peau d’Homme(男の皮)』の魅力
妻でありながらゲイの夫の愛人という二重生活をする驚きの設定!
痛快なラブコメマンガ!古い男女観や押し付けられる理不尽をはねのけて大人になる
ビアンカの成長物語!女と男を行き来するビアンカ。ゲイであるジョバンニの生きづらさ。
ジェンダーやセクシャリティを考えさせられる作品!
ご参加くださった方の中には「ストーリーの続きが気になる」とおっしゃってくださる方もいらっしゃって
「そうなんだよ、すごく面白いんだよ、日本語版が成立して、本当にたくさんの人にこの面白さを分かち合いたいんだよ」
という思いでいっぱいでした。
特に私がこの作品でクラファンをしようと思った大きな理由のひとつに
「原作者のユベールの作品を日本に紹介したい」という思いが強くあったからです。
ユベールはフランスのwikiで書かれていること曰く
「人間(特に社会)が持つ醜さ、残酷さに抵抗する純真さと美しさ」
をテーマにした作品を生み出した作家。
異端者やマイノリティをテーマに、数多くの痛快で面白い作品を書かれています。
しかし残念なことに『男の皮』が刊行される少し前にこの世を去ってしまいました。
遺作のひとつとなってしまった『男の皮』を何としても日本に紹介したい!
これが私にとってのこのクラファンの原動力のひとつなのです。
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また漫画家の方には「絵が良い。絵力がある」とも仰っていただきました。
このご意見はすごく心強い!!!!!
というのも私はもちろん作画のザンジムの絵がすごく良いと思って『男の皮』を選びましたが、ほかの人がどのように思うかに関してはやや自信がなかったのです。
私はこの作品をエンタメマンガだと思っていますが。日本の読者にとってエンタメマンガとしてウケるのはやはり日本のマンガに近い絵柄だろうなとは思っています。
そしてもちろん現在となっては海外の漫画家さんも当たり前のように日本のマンガを読み、日本のマンガに馴染みのある画風や読み心地ながら日本のマンガとは少し違うところもある、といったフュージョンタイプの作品も増えています。私はそうした作品も大好きです。
ただザンジムの絵柄は、あくまでクラシカルなバンド・デシネ(フランス語圏マンガ)の流れを汲んだものだと感じています。
コマ割りなどもすごく読みやすく、キャラクターはキュートですが、いわゆる日本のマンガの「かわいい」とは違う。日本の読者さんがどう思うのだろうかという不安を抱えていました。
現在、日本語版が刊行されている海外マンガも、コアなファンのいるスーパーヒーローコミックスを除けば「日本のマンガにかなり近いエンタメマンガ」か、「日本のマンガとはかなり異なるがテーマ性が強い作品」のどちらかが多いように感じます。
『男の皮』は「日本のマンガとはかなり異なるエンタメマンガ」。
もちろんジェンダーやセクシャリティ、フェミニズムなどのテーマも包含されていますが、個人的にはそういったことを抜きにして「読んで、ああ面白かった!」と思った作品。
こうした、なかなか出版されない作品だからこそ、クラウドファンディングで実現することが大切なんだ、こういう作品でも日本でもウケる、読者がいる、ということを証明すれば、もっと海外マンガの邦訳が広がるんじゃないか、そんな思いも『男の皮』を選んだ理由です。
私はストーリーも絵も抜群に良いと思っている『男の皮』。
ただ私のこれまでのマンガ読み人生は決して王道を歩んできたわけではなく、いやどちらかというと辺境のマンガ読みを(心の中で)自称してきた人間でして、とはいってもすんごいマニアックでかえってコアなファンがいるようなものかというとそういうわけでもなく、なんだか中途半端なマンガ読みの私が抜群に良いと思ったらからといって多くの方が(少なくともクラファンが実現するくらいの人数の方が)良いと思ってくださるのかはどうかについては、どうなんだろう……と思い続けていたもので…!
なんかぐだぐだしてしまいましたが、ちょっと不安に思っていた作画にもポジティブなご意見をいただけてとても嬉しかったです。
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この『男の皮』翻訳プロジェクトの告知方法についてもいろいろ意見交換をさせていただきました!
だいぶ以前にもnoteで愚痴を書きましたが(笑)SNSでの情報拡散が難しい状況……とはいえやはり広くお知らせするには欠かせないツールだとは思うので、SNSも頑張りつつ、リアルで『男の皮』についてお話したり、見てもらったりする機会を作っていこうと思っていまます。
ということで10月8日(火)に東京で開催される「世界のマンガについてゆるーく考える会#20」に参加します!
東京方面のみなさま、なにとぞよろしくお願いいたします!
『Peau d’Homme(男の皮)』翻訳プロジェクト、まもなくクラウドファンディングがスタートします。
事前登録していただけるとスタート時にメールでお知らせします!
ぜひご登録ください!
また翻訳者も募集しています!
フランス語ができる方で『Peau d’Homme』の翻訳がしてみたいという方、ぜひご応募ください!
詳しくは以下の記事をご覧ください。