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お店の人と話したいけれど

お店の人と話したい。
かき氷の感想を伝えたい。

そうは思っているけど中々難しい。

かき氷屋さんは少数精鋭。
1人でまわしているところもある。注文を取り、氷を削って運ぶ姿は常に忙しそう。

そんなときに声をかけたら。
迷惑なんじゃないかと考えてしまう。

わたし自身、思い当たる節があるから。作業中に声をかけられると、集中力が迷子になってしまうのです。ついさっきまで仲良く一緒にいたのにね。

狙うべきは営業終了ギリギリ。
ラストオーダーから閉店までの時間なら人が少なく声をかけやすい。

だけどリスクもあって。
絶望的な状況に陥ることもある。

"シロップがなくなり次第終了します"

お店まで足を運んだのに…。
食べられなかったときの悲しみといったら計り知れない。口の中はかき氷を求めているのに! このあと一体何を食べればいいの!?と。

だから最近は無理に話さなくてもいいかなって。

食べ終えたら帰る準備。
温かいお茶を飲み干し、カメラを鞄にしまう。お会計は注文と同時に済ませてある。動く準備は万端だ。

・配膳を終えたあと

・氷を削る音が止んだとき

一区切りついたタイミングを狙って席を立つ。


今日のかき氷も美味しかった。

甘い桜ミルクと苦味の効いた抹茶のコラボが最高で、甘いと苦いの繰り返しでずっと食べていられますね。

あと、いつも以上に丸みがあって可愛い。ちょこんと乗った桜の花びらも素敵。香りもよくって春を感じられました。来年も楽しみにしています!

心の中でそう思いつつも声には出さず。

全ての想いをのせて一言だけ。

「ごちそうさまでした」

◇ ◇ ◇

文・写真:わたし
イラスト:MihoMiyata

◇ ◇ ◇

氷曜日のエッセイは毎週水曜日に更新予定

人のお金でかき氷を食べたい。