育児日記52

52.夫婦の会話にやきもち?
私が会社から帰ると、カミさんは大体その日1日の出来事を話してくれる。それは新婚の頃から変わらないが、その話を聞いているとカミさんの友達の事とかが何となく判ってくる程だ。
他の家での夫婦の会話は知らないが、カミさんは結構話が永い気がする。例えばこんな感じだ。カミさんの友達が何か面白い話をして、皆でバカ受けした場合、カミさんはその状況説明から入ってくる。友人とお昼に集まり、一緒に食事をした。場所は何処どこと言う処で、メンバーは誰々だ。そこで○○ちゃんが何々について話をしたのだけれども、それが凄く面白く、皆でバカ受けしてしまった。と言った具合だ。つまりその話が面白かった、と言う事が伝われば良いのではないかな、等と私は思ってしまうのだが、カミさんの話は中々そこに辿り着かない。話したい事がいっぱい頭の中で駆け巡ってしまうタイプなのだろう。しかも、話に夢中になると周りに誰がいるかあまり気にならなくなる様で、聞かれたくないはずの話も、結構大声で話してしまう事もある。多分、何処で誰と話してもそうなのだろう。
別に実害が有る訳でも無く、カミさんがそれですっきりするのであれば全く構わない、と思っていた。変に話の腰を折ってしまい、カミさんにストレスが溜まると、その方が逆に問題だろうと。
だがある日こんな事が起きてしまった。夕食時カミさんはいつもの様に、その日の出来事を私に話してくれていた。哲也は先に食事を済ませ一人で遊んでいる。自動車の乗用玩具に跨り、リビングを行ったり来たりしている。私はカミさんの話を聞きながらも哲也の方をちらちら見ていたが、哲也がソファの上に乗用玩具を乗せ、自分もよじ登りそこで乗用玩具に跨った。流石に危ないので止めようと思い、慌てて席を立ったのだがそれよりも早く、哲也は一機にソファから飛び降りてしまった。幸い怪我は無かったが、飛び降りる寸前の哲也は悲しい声を上げ、泣きそうな顔をしていた。例えは悪いが、私にはまるで自殺する様見えてしまった。
哲也は親同士が自分の判らない会話をしている事に、疎外感を感じてしまったのだろうか。それは哲也にとってもの凄く孤独な時間だったのかも知れない。勿論正確な理由は判らないが、とにかく夫婦であまり話に夢中にならない様、気を付けようとカミさんと話した。
そうは言っても、カミさんは話に夢中になってしまう事がある。私はそんな時、無理やり哲也に話しかけた。「どう思う哲也」とか「なあ哲也」とか、会話とは何の繋がりも無い語りかけだったが、少なくとも夫婦の会話中危ない事をする事は無くなった。
後から知った事だが、カミさんの友達が我が家に遊びに来た時、部屋でカミさんと友達がお喋りをしている間に、哲也が時々危ないことをしていたらしいのだ。カミさんは哲也から目が離せずひやひやしていたと言う。何だ、哲也はちゃんと信号を出してくれていたんじゃないか。…その事を夫婦の会話で教えて欲しかった。


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