花の香りとお酒に酔う、泉鏡花の小説|『外科室』
久々の更新となりましたが
私の好きな物語第2弾としまして、
『“文学少女”と水妖』より泉鏡花の『外科室』を紹介します。
▲※こちらは電子書籍です
私が、初めて読んだ泉鏡花の物語は『夜叉ケ池』でした。
初めての方には文体が、読みにくいものではないかなと思います。私も苦戦しました。
遠子さん曰く『夜叉ケ池』は読みやすいとのこと。
私は前述の通り苦戦していますが…。
その流れで、私は『外科室』にも手を伸ばしました。
『“文学少女”と水妖』で紹介されていて、強く惹かれたからというのと、青空文庫ですぐに読めたからです。
ページ数は少ないのですが、世界観にグッと引き込まれていく感覚がありました。
遠子さんは、『外科室』をよく冷えた山梔子(くちなし)のお酒のようだと例えていたので、
私は、強い花の香りに誘われて、前後不覚になり、泉鏡花の世界に迷い込んでいるようなイメージかなと想像しました。
新たに、乙女の本棚シリーズで現代のイラストレーターさんの挿絵によって、泉鏡花の世界が再現されています。
文体は当時のままですが、挿絵も素敵ですので、おすすめの一冊です。
ここから先は、私の考えも含めた泉鏡花について、作品についての話になりますので、興味のある方はごゆるりとお過ごしください。
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