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「21世紀に生きる私たちに必要な“問い”とは?」

テクノロジー、政治、宗教まで網羅した21世紀を生き抜くための指針。

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『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ(河出書房新社)
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『21 Lessons』は、急激に変化する21世紀において、私たちが直面する大きな課題を21のテーマに分けて考察する一冊です。AIの台頭や気候変動、ポスト真実といった複雑な問題を、ユヴァル・ノア・ハラリならではの視点で掘り下げ、深い洞察を提供します。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』に続くこの本は、歴史の過去と未来を見据えた上で、現代の私たちが抱える問いに答えるべく、鋭くも親しみやすいスタイルで綴られています。

この本は、私たちが日々感じている疑問に真っ向から答えてくれる内容でした。AIやバイオテクノロジーの進化に伴う労働の未来や、民主主義の危機など、誰もが不安に思っているテーマについて明快に解説されていて、ただ問題を指摘するだけでなく、それにどう立ち向かうべきかを考えさせられます。個人的に特に印象に残ったのは、情報過多の時代における「無知」と「真実」の章です。フェイクニュースが蔓延する今、何を信じるべきか、そして私たちは自分が思っているほど知識を持っていないという謙虚な姿勢が重要であると再認識させられました。

<印象的な本の1節①>

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「雇用──あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない」
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この一節を読んだときのショックは大きかったです。AIの進化が進む中、従来の「仕事」が無くなる可能性について語られているこの章では、これまで自明のこととされてきた「労働」という概念が根底から揺るがされます。特に私たちの世代にとって、安定した職業を持つことが必ずしも未来の安心を保証しないという話は、深く考えさせられるものでした。テクノロジーが人間の仕事を代替する未来、私たちは何に価値を見出し、どのように生きるべきかを模索することが求められていると強く感じました。

<印象的な本の1節②>

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「無知──あなたは自分で思っているほど多くを知らない」
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この一節は、私たちがどれだけ情報を知っていると感じても、それが本当に「知識」として正しいかどうかは疑問であるという点を鋭く指摘しています。情報社会に生きる私たちは、ついつい「検索すれば何でも分かる」と思いがちですが、実際には自分に都合の良い情報だけを信じてしまうことが多いです。この章を読んで、謙虚な姿勢で物事を見直すこと、そして情報の裏にある背景や意図を理解する力を養う必要があると痛感しました。

<印象的な本の1節③>

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「自由──ビッグデータがあなたを見守っている」
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現代において、プライバシーと自由がどう脅かされているのか、この一節で強く実感させられました。私たちが日常的に利用しているSNSやインターネットサービスが、どれほど私たちの行動や思考をデータ化しているか、その背後には巨大なアルゴリズムが働いていることを知ると、私たちの自由が本当に保たれているのか疑問に思います。この章を通して、テクノロジーがもたらす便利さの裏側には、自分の行動が常に監視されている可能性があるという現実を考えさせられました。

<印象的な本の1節④>

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「教育──変化だけが唯一不変」
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「教育が今後どうなるか」という話題も、非常に考えさせられました。現代の教育システムが、時代の急速な変化についていけていないという問題を指摘し、未来において必要とされるスキルは絶えず変化していくということを強調しています。特に、今の仕事やスキルがいつまでも通用するわけではないという事実に触れ、これからの時代には「学び続ける力」が最も重要であると実感しました。私たちが次世代に何を教え、どう準備させるべきか、親としても教育者としても深く考えるきっかけになりました。

まとめと感想:

『21 Lessons』は、21世紀に生きる私たちが直面する大きな課題に対して、ハラリならではの独自の視点で答えを示してくれる一冊です。特に、テクノロジーやグローバル化が急速に進む中で、私たちがどう変化に対応し、未来を見据えて行動すべきかが問われています。読み進める中で、現実の複雑さや不確実性に圧倒される部分もありますが、それでも希望を見つけることができるような内容でした。ぜひ、この本を通じて自分自身の未来について考えるきっかけをつかんでください。

読んでくださってありがとうございました!これからの時代をどう生き抜くか、一緒に考えてみましょう。

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