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"いい顔して暮らす"に込めた想い

こんにちは。本の教室ルーペの あやです。
本の教室ルーペを始めたとき、コンセプトを「いい顔して暮らす」にしました。いい顔して暮らす人をひとりでも増やしていきたいと願っています。

どうして、この言葉に行きついたのか、
すこし私の想いとエピソードを聞いてください。


いい顔イロイロ

いい顔、と聞いて皆さんはどんな表情を思い浮かべますか?

  • 嬉しいことがあったときの全力スマイル

  • 美味しいものを食べて、にんまりする笑顔

  • 努力が実って、達成感に満ちた表情

  • 夢がかなって、感無量と涙をうかべる顔

  • お母さんが赤ちゃんを愛しくながめる微笑み

  • おじいちゃんが人生をふりかえってみせる、穏やかな顔

いろんな表情が”いい顔”になると思います。

笑顔=いい顔とは限らない。
正直、笑顔でいよう!とは言いたくなくて。
だっていつも全力スマイルでいるのは疲れるし、なんだか嘘っぽい。

私の解釈ですが、“いい顔”に共通しているのは、その人が心からいいと思うことや時間を心から味わっているときの表情なのでは。

自分に偽りなく。
自分に素直に。

目の前の人の表情がぱっと変わって「いい顔」をしてくれる瞬間が大好きで、その瞬間のために私はこれまで仕事をしてきました。

いい顔できなかった過去

私の過去の話をすこし書かせてください。

どちらかというと、普段は明るい・よく笑うと言ってもらうことが多いのですが、過去に全く笑えなくなった時期が何回かありました。

きっかけは、就職・転職活動と親との軋轢。
1番最初は大学4回生の22歳のときでした。

ふと突如として、自分がぐらつく違和感のフタが開いてしまったんです。

  • どうして自分はこの卒論を書いているの?

  • 将来、どんな仕事がしたいの?できるの?

  • 社会のこと、なにも知らないんじゃないの?

  • 親のいう就職先に本当に自分はいきたいの?いっていいの?

  • これまでの人生、誰かの言われた通りにしかやってきてなくない!?

  • 自分の人生なのに、自分ってなんだ?

中高生のときに反抗期もなかったから、
遅い反抗期・遅い思春期だったといえばそうかもしれません笑

とにかく、違和感のフタが開いてしまった。

そしたら自分がぐらついて、どうしたらいいかわからなくて、笑えないし、人と会うのも怖いし、家から出るのも億劫で。
自分が自分じゃなくなってしまったようで怖くて、自ら精神科に足を運びました。

自分がぐらつくブラック期は、顔の筋肉と脳がつながっていないみたいに、無表情になっていました。

虚無感にさいなまれて。
なにも感じない、考えたくない。

ルーペの原動力と危機感

そのときは、軽い鬱症状という診断。
回復して就職するものの自分の基盤を築くのには時間がかかるもので、その後、転職を3回したんですが、そのうち2回は適応障害という診断で休職しています。それでも、いずれもいい先生に出会えたので、幸い数か月ですぐ回復できました。

ただ、あの「いい顔できない」時期はもう経験したくない。

22歳まで無意識に暮らしていて、私は突如として鬱を経験してしまった。
こんな突発性があるということは、自分がぐらつくブラック期は誰にでも起こることかもしれない。

「いい顔できない」時期を経験する人が増えないでほしい、という気持ちがルーペの原動力です。


日本人の心の健康の現状、ご存知ですか?

  • 精神疾患者は約419.3万人(平成29年)で、15年前の1.6倍

  • 自殺者数は年間2万人超(令和2年)で、前年と比べて4.5%増加

  • 日本の世界幸福度ランキングは54位(2022年)で、先進国のなかで圧倒的下位

日本人の心の不調による経済損失は、2兆円超という試算もあります。
(2兆円は、日本のGDPの0.5%)
引きこもりや不登校で悩むご本人やご家族の話、ニュースもよく耳にするようになった気がします。

メンタルヘルスに関することが、ルーペとして危機感を抱いている社会問題です。

暮らしの意味

もう1つ「暮らす」という言葉について。

  • いい顔して生きる

  • いい顔できるようになる

  • いい顔する人を増やす

こんな言葉にする選択肢もありました。

でも「暮らす」に感じる愛情や穏やかさ、暮らしをキープする大変さと面白さが好きなので、この言葉にこだわりました。

暮らしについて、私が好きな一節があります。

暮らすことを楽しむ人が好きだ。
自分のまわりのそんな素敵な人たちを私は誇りに思う。
自分の夢はそれぞれに違って、幸せを感じる瞬間もひとりひとり違う。

突然つらいことに遭遇しても心の治癒力は、時間とともに現実を受け入れて昇華しようとする働きがある。
たぶんそれは自分自身の持っている貴重な資源だ。
それだけは自分で発掘しなければ誰かが見出してくれるものではないと思う。

だから人は比較じゃなくて自分らしさを永遠のテーマにするのだろう。

『小さな生活』津田晴美・著(筑摩書房)より


暮らしと自分らしさ、そして心の治癒力はつながっている。

先ほど書いた心の不調に関する社会問題と暮らしは大事な関係性があると思っています。

よりよく暮らすって難しい

ただ、よりよく暮らすってどういうこと?と素朴な疑問が頭をよぎります。

暮らしを構成する要素は1つじゃありません。
仕事やお金、家族・恋愛、友人関係、健康のこと…。
ほかにもあるはず。

自分らしい良い暮らしをしているって、暮らしをつくる各要素について自分らしさを知っていて、体現し続けていることなのでは。
だから、センスある暮らし・人って、なんだか思慮深いオーラを纏っているのかな。

加えてもう1つ。

人生に訪れる様々な変化が、自分らしいよい暮らしをキープする難しさを作っていると考えています。

たとえば…

・就職、転職
・結婚、子育て
・親の介護や家族の病気
・転勤や引っ越し
・自然災害

私が20代で経験した突発的に発症した鬱もそうです。

生きていたら、変化はやってくる。
それは、自分の内側からも外側からも容赦なく。

大きな変化が起きたら、これまでのルールやいつものルーティンが機能しなくなる。

だから、人生の変化・節目・ライフステージの転換期において、柔軟に自分の価値観や暮らしのルールを書き換えて、変化に対応しながら自分らしいよい暮らしをキープしていく必要があるのです。

自分らしさを保つために、自分の価値観を変え続けていく。
変わらないために、変わり続ける。

世の中に変わらないものはないという禅の教え "無常観" が私は好きなのですが、これはまた別の機会に書き記せたらと思います。

自分らしいよい暮らしをつくるって、
なかなか奥深く、魅力的なことでしょう。


最後に

以上が本の教室ルーペのコンセプト「いい顔して暮らす」に込めた想いです。
長文を読んでくださり、本当にありがとうございます。

ひとりで悩み続けて辛さを抱えている人が減りますように。
ストレスフルな悩みも怖くない、と思える人が増えますように。
心のゆらぎに耐えられる、柔軟な考え方をみにつけた人が増えますように。
日本中に「いい顔して暮らす」人がいる景色がひろがりますように。

そのためにルーペとしてできることを1つずつ、ご提供し続けられるように努力していきます。

過去のワークショップの様子

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本の教室ルーペ
ファシリテーター あや

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