月の満ち欠け
〇タイトル
月の満ち欠け | 読書(87/1000)
著者 佐藤 正午
○感想(※ネタバレを含みます)
・瑠璃を追い求める
この物語は終始「瑠璃」が中心人物として話が展開する。
瑠璃が主人公に様々な立場で転生を繰り返す。
覚えてもないはずの記憶を覚えていたり、不自然な出来事が多くある中で点が徐々に繋がっていく。
・本の構成
小説を手に取るとわかる通り、1,2,3・・・と章番号がある一方で、午前十一時,午前十一時半・・・と時間がタイトルの章が差し込まれている。
文章を頭から読んでも違和感がない内容になっているが、時間の部分だけを読むと電車の待合で会話している内容がつながる。
様々な時間軸が複雑に絡み合っても成立する美しい一冊。
・個人的な感想
ネットフリックスや伏線改修系のアニメを多く見てきたからこそ、もう一超えひっくり返す展開が欲しかったと素人目に感じる。
また、終始この内容が何かしらのゴールを目掛けているわけでなく、彷徨うように解決にむかっていたのが印象的。
本のタイトルにもあるように月が満ち欠けするようにぼんやりとゴールに向かっていったようなそんな雰囲気を全体から感じ取った。
是非、余計な推論は抜きに頭の中を空っぽにして感じ取ってもらいたい。
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