さようなら羽生結弦さん 絵本GIFTを受け入れられなかった私へ
2024年1月、私は、推し「羽生結弦」から卒業することを決めた。その理由について話していきたい。
羽生結弦さんと私の出会いは突然だった
私が、プロフィギュアスケーターである羽生結弦さんに出会ったのは、2014年に開催されたソチ五輪だったと思う。ワンセグで男子ショートプログラムを見たのを鮮明に覚えている。いわゆるソチ落ちファンだった。
試合やアイスショーといった現地観戦は、経済的やチケット争奪戦の激化で、なかなかできなかった。どうしても、現地観戦がしたかったのが、2018年開催の平昌五輪だ。
さまざまな方法を使い、なんとか男子ショートプログラムとフリープログラム、そしてエキシビションを五輪会場で見ることができた。
会場で感じた熱気はいまでも覚えている。祈るかのように見たフリープログラムのことも覚えている。
その後は、テレビでの観戦をメインに応援し続けた。特に好きなプログラムは、Hope&legacyとバラード第1番とオペラ座の怪人だった。
フィギュアスケートのプログラム観戦のほかに楽しみにしていたのが、スポーツ雑誌やフィギュアスケート専門雑誌の購読だった。数多く販売されていた中から選りすぐりの雑誌をセレクトし、購読していた。
いまでも本棚の中に大切に保管されている。雑誌は、いつどこで何があったか、思い返すものでもあるから、捨てることはできなかった。
2022年7月、羽生結弦さんがプロフィギュアスケートへ転向することを発表した。
フィギュアスケート世界は、一般人である私からしても過酷だと思う。現役期間は、競技によるが30代前半あたりまでではないだろうか。現役期間でも、サポート企業がいればよいが、二足の草鞋を履く選手もいると聞く。
現役引退後は振付師やコーチなどといった専門職、そしてプロへと進む。プロフィギュアスケーターも収入源を確保することは難しいと思う。
そのような中で、プロへの転向は、吉と出るか凶と出るかと、思った。羽生結弦さんが、いつかはプロの世界へ行くことは、わかっていたので喜ばしいことだったはずなのに。
東京ドーム公演「GIFT」は私の何かを変えた
私は、少し羽生結弦さんから離れた。離れた理由は、いまだに分からない。ただ、東京ドームで行われる公演には行こうと決意した。
東京ドームでアイスショーという前代未聞の偉業をこの目に焼き付けなければならないと思った。そう思ったんだ。
運よく、東京ドームで開催された「GIFT」を見ることができた。わくわくした気持ちで行ったことを今でも覚えている。
実際に、アイスショーを見終わったあとは、「羽生結弦とは?」「私が今まで見てきた羽生結弦とは何者だったのか?」という気持ちと、「楽しかった」という気持ちで心がごちゃまぜになった。
アイスショーの途中で、新世紀エヴァンゲリオン(アニメ)のようなモノローグがあったらそう感じてしまう。人間ってわからない生き物だと思った。
その東京ドーム公演の内容が、絵本になることが発表されたとき、正気なのかと思った。結構、内容が重いと感じた部分があったからだ。
しかし、作画は有名漫画家であるCLAMP先生たちであるというではないか。羽生結弦さんの作画はCLAMP先生だよねっていうファンの言葉が具現化したかのようだった。
これは、内容が重くても買うべきではと思った。販売が決まったのち、本屋に予約をいれて発売を待った。延期もあったものの、ついに2023年12月に発売された。
絵本「GIFT」を読んだあとに卒業を決めた
絵本「GIFT」を買った瞬間は嬉しかった。価格面に関しては、少々不服だったが・・・。
実際に絵本を読み進めていくにつれ、東京ドーム公演で思った疑問にぶち当たってしまった。「どう感じればいいの?」とも思ってしまった。
私はこの絵本を買うことを楽しみにしていたはずだった!! そう発売が延期されようが、内容が不思議なものであろうとも。でも、受け入れる心が、心の余裕が私にはなかった。
巷にある韓国エッセイのような感じもしたのも事実だ。だから、私はこの絵本にどう感じたか分からなくなってしまった。
ただ、羽生結弦さんとCLAMP先生に謝罪したいくらいに、私の心では受け止めることができなかった。それと同時に私は、推しである羽生結弦さんから卒業することを決めた。
ありがとうございました。羽生結弦さん。
追記
私の心の状態は、良くない。メンタルクリニックにも通院しているほどだ。薬を飲んでいれば、普通に生活できる。
ただね、羽生結弦さんを応援していくには、精神的にも体力的にももたなかった。次々と発表されるショーの案内や本(雑誌含む)に追いつくことができなかった。
羽生結弦さんは、前にどんどん進んでいくのに、私は追いつけないそんな日々に疲れてしまったんだ。
絵本だけは、欲しくて買った。その内容がもし、明るい内容だったら続けていたかもしれないと思う。東京ドーム公演の時点で辛い、暗い内容であることは予想できていたのにね。勝手に期待していた。ごめんなさい。
羽生結弦さんの一部ファンの勢いにも、ショー等の関係者各社にもついていけなかった。もう無理だと思ってしまった瞬間に、さようならをすることにした。
羽生結弦さんが新たな挑戦をしていくことは素晴らしいこと。ただ過剰すぎてしまった。
そう、私は追いつけなかったファンのひとりでした。ごめんなさい。ありがとう。