サブスクやYouTubeで満足できてもライブに行きたい
3markets [ ](スリーマーケッツ)のライブが楽しい。
ライブが楽しめるかどうかって、やっぱり聴く人自身の好みとか体調とか自意識とかに左右されると思うのだけど、スリマのライブはわりと誰にでも優しい。
そう思う理由を説明する。
第一に、客に踊りとか手拍子とかコール&レスポンスをあまり要求しない。
ライブでは「ハメを外して踊りたい」って人がいるのはわかる。
ノッてくると自然と身体が動き出しちゃうってのも本当なんだと思う。
それが楽しくてライブに繰り返し行く人も多いだろう。
忘我して踊ったほうが楽しくなるのも事実だ。
だから踊る人を否定はしない。
でも「踊るヤツがエラいのだ」と言われると素直にうなづけない。
「それがここのルールさ」のバンドも大好きなのだけど、ルールなんて破ってなんぼがロックのメンタリティだから、無理に踊らなくてもいい。
もちろん「踊りたいのに尻込みしている人」もいるから「それがここのルールさ」で背中を押してあげることはすごくいい。
スリマのボーカルのカザマさんは、かつて次のように書いていた。
というわけでスリマのライブは初心者にも優しい。
実際、昔のライブ映像とか見ると、わりとはげしめの曲でも最前列で微動だにせず棒立ちの客も映っている。最高だ。
第二に、カザマタカフミのしゃべり(MC)が面白い。
2024年は7月のムロフェスと8月のパーフェクトビアロックフェスでスリマのステージを観た。どちらもMCでめちゃくちゃ笑った。
たとえば、ムロフェスでは「社会のゴミカザマタカフミ」という曲がSNSのコメント欄でめちゃくちゃ批判されるという話をしていた。「名前をつけてくれた親に謝れ」とか言われているらしい。それに対してカザマタカフミは「謝らない。名前をつけたのは親じゃなくて近所のおばちゃんだから」と答えていた。事実なら、持っているエピソード強すぎない? 「鼻が大きいから彼女の母親にモアイと呼ばれている」ってのと同じくらい面白い。あとロッキンフェスに出たすぎてツンデレになってるのも好き。
たとえば、ビアフェスでは、DJブースの前にいた、上半身裸で真っ黒に日焼けしたお兄さんを「なんで服脱ぐんですか?」といじっていた。そしてすぐに「冗談です。素晴らしい身体です」と謝っていた。どっちも吹いた。あと、前方有料エリアのお客さんが少なすぎたので、「みなさん、さらしものになっていてつらいですよね」とステージの下に降りて、有料エリアの人だけが見える位置で歌っていた。そして「後ろのお客さん、ごめんなさい、怒らないでね」と謝っていた。腰が低い。すぐに謝る。優しい。母親の腹の中かもしれない。
第三に、音楽が楽しい。
それだけでもよくない?
愛さえあればよくない?
ときどき献金したくならない?
いまさらCD買っても聴かなくない?
それならライブ行かない?
物販には手を出さないから!
という言い訳を家計にして、今日もライブに行きたい。