3markets(株)「456」のタイトルの意味が知りたい。「死後ロック」なの?
ネットの歌詞検索サイトは完璧ではない。
公式から転載する歌詞サイトの場合は、マイナー曲が掲載されない。
ユーザーが登録する歌詞サイトは、間違いがある。
いずれにせよインディーズバンドでは歌詞が見つからないことが多い。
そんなときは自分で聴いて書き起こす。
耳コピだから漢字表記は適当だし、聴き間違えも多い。
それでも気になった曲の場合は、歌詞を見たいからやる。
3markets(株)の「456」はそんな曲だ。
歌詞の中に数字の羅列が出てくるのだが、その意味がよくわからない。
書き起こしてみてようやくわかった。
1981 1 13は、1981年1月13日をあらわしている。
「生まれて」の言葉から、作詞作曲ボーカルのカザマタカフミの生年月日とわかる。
そこから「数えて10447日」目は、2009年10月あたりになる。
これは曲が作られた日付だ。
昔のスリマのブログの2009年11月30日に、新曲として「456」の名前があるから符号が合う(456 | 3markets(株) 活動報告書)。
1981年1月13日生まれなら、当時28歳。
アラサーだからいろいろ悩ましい。
これまで「無駄な日」を「何日」過ごしたのかと悔やむこともあるだろう。
次の2031 1 13は2031年1月13日。
1981年1月13日生まれなら、50歳の誕生日になる。
2009年10月時点で28歳なら、50歳まで「数えてあと7784日」。
「死ぬまで」と歌っているので、50歳で死ぬということだ。
たぶん自殺を想定している。
音楽で生きていくはずなのに、いっこうに陽の目が見えない。このまま50歳になったら、その先はないから死ぬと決めた―そんな歌だ。
人生ゲームでコマが先に進まない。
この気持ちはよく知っている。
夢や目標があるのにそこにちっとも近づかない焦燥感。
あの頃は、水の抵抗が強くて前に進めないという夢をよく見た。
そんなことが続くと人間は消耗する。
どんどんメランコリックになる。
そうして人はもっと手近な幸せを探す。
夢を捨てるというと嫌な言い方になるから、別の夢を探すと言おうか。
最初の夢に固執しなくても、幸せになる方法はたくさんある。
たとえば子育てとか?
しかしカザマさんは音楽を選んだ。
音楽以外の幸せなんて「どうでもいい」と言って。
カザマさんにとって「どうでもいい」ことを「大事」にした人もいる。
スリマの22年間の活動のなかでやめていったメンバーは6人以上になる。
そのうち一人は結成時から12年間一緒にやってきた仲間だ。
バンドをやめるのと続けるのと、どっちがいいかなんて言えない。
あえて言えば、どっちもそういうふうにしか生きられなかったんだと思う。
2009年にこの曲を作ってからもスリマは続いた。
少しづつ売れるようになった。
そして2024年の今年、とうとうメジャーデビューする。
カザマさんは43歳になった。
毎年毎年、自分を追い込み続けての22年のバンド活動。
心からおめでとうございますと言いたい。
何者かにならなければ生きている意味がないと考えるのは若者の特権だ。
年を取るといろんなものをなし崩しに許してしまう。
太った豚になる。
太った豚でも生きてるほうがいい。
スリマはメジャーデビューするが、やめていったバンドもたくさんある。
みんな死ぬ前には、すべてを懐かしく思い出す。
成功してもしなくても結局死んで消えるのだから、あれはあれで楽しい日々だったと。
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