「癌」ってジツは怖くなかったという話Part6
僕の癌は日に日に僕のお腹の中で成長中。
映画『エイリアン』ように何かに寄生されているような
そんな感覚を覚え始めます。
この頃は身動き取れないほど体調が良くなかったので
ずっとゴロゴロしながらSF映画観過ぎていたせいで
そんなイメージが出来上がってしまったようです笑
いつかコイツが成長して僕のお腹から「コンニチワー!」って
感じで出てくるのかな〜なんてアホなことばっかり考えていました。
癌治療は暇との戦いでもあります。
この頃からお腹の張りだけでなく、食欲も少しずつ低下していき
痛みが増してくるようになりました。腹膜の痛みは種類も様々。
じわーっと痛くなる感じだったり、子供産んだ経験はないけど
Peeちゃんが「まるで陣痛みたい」っていうように感覚を空けながら
次第に鈍い痛みに変わっていく。
痛みを感じる度に押し寄せる死への恐怖。
ポジティブに生きていこうと決めたものの、繰り返しやってくる痛みが
『余命半年』というリアルを感じさせてくれる。
そんな日々を過ごしていたある日、Peeちゃんがある事を提案してくる。
へ??こんにゃく湿布!?
既にあの本に習ってスムージーを毎日作ってくれていたPeeちゃんが
また何だか面白い事を言ってきた。
Peeちゃんの話よるとこんにゃく湿布の効果は…
やり方は熱々のコンニャク二丁をタオルでくるんで
枇杷の葉越しに患部に当ててしばらく放置、ということらしいのですが
この療法、とにかく
熱い。
それはもう芸人さながらのリアクションを引き出してくるくらいの熱さです。そうそう、熱々おでんとか熱湯風呂の類です。
リアクション芸って大袈裟にやってるんだろなと思ってましたけど
ガチの熱さを体感した人間ってほんとにあんな動きになるんですね。
しかもやる側、やられる側至って本気なんで尚更面白い。
毎回僕の『待って、そっとね、そっと…熱っ!!』っていうリアクションで
二人とも笑顔になる時間でもあります。
Peeちゃんと触れ合える時間でもあり笑顔になる時間でもあったので
これはこれで結構楽しみだったような気もしますが
とにかく熱いのでコンニャクを包むタオルは
できるだけ分厚い物をお勧めします。
がしかし、こんなんでほんとに効果あるのかね?
内心僕はそう思っていましたけど、この面白い時間と
『絶対効くよ!』というPeeちゃんの言葉に押されながら
コンニャク湿布をやり始めて数週間が経過。
体に明確な変化が現れ始める。
一度熱するとなかなか冷めないという特徴を持った熱々のコンニャクを
ただ患部に当てるだけの日々を過ごしていたある日のこと。
体に異変が起き始める。
お腹がめっちゃ痛くなってきた。
え!?これやってたら痛みが和らぐんじゃなかったっけ?
逆なことが起きてるんですけど…やり方あってる???
悶絶するほどの鈍い痛み。この時の僕のイメージは
施術の方法を間違えて、腹膜の癌が更に悪化したに違いない。
でした。
しかし数日後、それは僕の間違いだったことに気付く。
悶絶するほどの痛みが出た後は、殆ど痛みを感じなくなった。
あれ?なになに?どうした俺?
あれだけ毎日痛みにうなされていたのに…
あっけに取られていた僕にしたり顔のPeeちゃんがこう告げる。
『それがきっと好転反応だよ』
人体の不思議とでもいいますか
人の体は自己免疫力がしっかり働くことで体の機能を改善していくのですが
良くなる過程で一時的に悪いところが悪化するのだそう。
風邪をひいたら菌をやっつける為に熱が出て辛くなるようなもんだと。
こ、こんなことがあっていいのか!?
でも確かにそれまでの痛みは消え失せている。
数日するとまたいつもの痛みは出てくるんですけど
更に酷い痛みが出た後はまた数日痛みがなくなり
継続していくことで痛みの強度も段々と低下していきました。
これはなんだ?
一体僕の体で何が起きているんだ!?
隣で見守っている愛犬Teeに問いかけると
『ママの言うことを聞いてれば大丈夫。』
と言われたような気がした。
うーむ、とにかく今は難しいことは考えないようにしよう。
癌が治らないにしても延命効果があるのなら
これはやる価値があるのかもしれない。
しかし、ここから始まる奇跡を
僕はまだ知る由もなかったのである。
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