眠極
眠いを極めている、のだ。
瞼はかろうじて薄く力なく開いているが、
脳の方はというと、完全に『おねむ』。
遠くの方でかすかに意識はあるが、
なにせ、ほんとうに、眠い、のだ。
すとんと電池の切れたお人形のように。
心地よい電車の揺れで、睡眠の世界へと。。
「…です。………まもなく〇〇です。」
ぶーーーーーーーーーー。
やばい!降りなきゃ!
焦ってそろそろ閉まり出す扉を駆け抜ける。
ふぅー。
どうしようもなく、眠いときは、どうしようにもないのだ。
会社で、眠気ざましにコーヒーを買おうと自販機の前にたったのに、
判断力の鈍った頭は美味しそうなピーチジュースのボタンを押す指示を出していた。
美味っ。ねむっ。
一人で黙々と作業してるから眠いのだ。そうだ、話しかけよう。
お隣の方に話しかけてみた。とても話が弾み、目が活き活きとした。
話が出て終わって、再び仕事を開始…
…眠いのだ。
せっかく、積み上げてきた『眠くならないよう頭を惑わせる方法』が効かないのだ。
ほんとうに、どうしようもない。
お昼ご飯を半分以上食べたあたりから…すぅっと頭がぼやけてくるのだ。
満腹だ。眠い。
あと10分で始業だ。10分じゃあどうもしようもないのだ。仮に眠るふりをしてみても、居心地が悪いのだ。
何でだ。すぱっと頭を回復させてくれよ。
家に帰ると、布団につくと、
『寝てもいい環境』『いますぐに、ぐっすり眠れる環境』が揃うと同時に、
心が解き放たれて、眠くないのだ。
眠らなきゃ行けない時に、眠くなく。
眠っては行けない時に、眠いのだ。
ただ、どうしようもない、睡魔のおはなし。
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