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【レポート】 全国のまちづくりのプロが大集合。9/9,10(土日)「NO BIG DEAL! vol.3 〜出かける、見つける、参加する編〜」を開催しました!【前編】
BONUS TRACKの不動産屋・omusubi不動産が主催する、年に一度のイベント「NO BIG DEAL!」。今年は9/9-10の2日間で開催し、まちづくりに興味を持つ人から、ワンちゃん連れのご近所さんまで、多くの人でにぎわいました。
第3弾となる今回は「出かける、見つける、参加する編」をテーマに、東京・福井・埼玉・千葉・福島で活躍するローカルエディターズと、そのコミュニティを支えるお店たちが「LOCALS MARKET」として出店。
さらに、まちづくりの仕掛け人たちによるリアルな話が聞ける「TALK LIVE」や、空き家活用ビジネスを展開する企業のブース、建築やまちづくりをテーマにした本のお店、「FOOD SPACE」ではスペシャルな食事が食べられたりと、まるで各まちの魅力をそのままBONUS TRACKに持ってきちゃった!というような2日間でした。
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ここからは写真と共にイベントの様子を振り返っていきたいと思います!
ボリューミーなレポートなので、目次から興味のある部分だけ読んだり、やっぱり全部読んだり、気ままにお楽しみいただけたらと思います。
― LOCAL MARKET ―
各地のローカルエディターズがエリアの魅力を伝えるマーケット。今回は6つのまちから、いろんなお店やサービスがやってきてくれました。
1.旧秩父屋(大地と食文化の研究所 gnome)【福島県・郡山】
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郡山から来てくれたのは、ロゴも看板もSNSもWEBサイトも、住所まですべて非公開の発酵料理店「大地と食文化の研究所 gnome(ノーム)」さん。なんと今回が初のポップアップ。プロデュースしているのは「Helvetica Design」の佐藤哲也さん。デザイン会社でありながら、まちづくりの拠点「Blue Bird apartment.」を立ち上げるなど、土地に根ざした"地のデザイン"を実践しています。
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1日目は、須賀川市の農家・森さんがつくる無農薬の梅を使ったスパイスシロップドリンクや、貴重な圧搾機で搾った「黄金あぶら」など、地元の良いものを販売。ガラス作家・小牧広平さんのグラスまでありました!
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2日目は「FOOD SPACE」で「発酵タコライス」や福島の美味を詰め込んだプレートを提供。どちらもすごく深い味わいで美味しかったです。
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*Curated by Helvetica Design 株式会社
対話の中に潜んでいるのびやかな思いや、大切にすべき「本質」を見極めるところからデザインの必要性を考えていきます。どんな時でも良いものは「より良く」。シンプルで素直に目の前のできごとに真っ直ぐ向き合っていきたいと思っています。
2.草加の顔の見える暮らし「つなぐば市」【埼玉県・草加】
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2日目に参加してくれたシェアアトリエ「つなぐば」。草加市のママさんたちが、子供と一緒に働けるようにとつくられた場所です。古い2階建てアパート1棟をまるごとリノベーションした空間で、メンバーはお菓子やクラフトアイテムを販売したり、ワークショップを開いたり、好きなことを仕事にしています。ブースに行くと、みんな麦わら帽子!和気あいあいとした雰囲気が写真から伝わるのではないでしょうか。
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当日はアトリエでカフェを運営している「つなぐば家守舎」のドリンクや焼菓子、テナントさんがドライフラワーや手作りのおもちゃなどを販売。
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「じゅんちゃんの曲げわっぱ」としてお弁当の販売やワークショップをしている山﨑淳子さんは、曲げわっぱにおかずを詰める時間が大好きなんだそう。「ぜひ草加に遊びに来てくださいね〜」と温かいお言葉をいただき、ホクホクした気持ちになりました。
*Curated by つなぐば家守舎
草加市で子連れで働けるシェアアトリエ、地域のリビングとなる図書館などを運営しながら、地域の暮らしづくりをお手伝いしている会社。「DIO(Do it ourselves)=ほしい暮らしはわたしたちでつくる」を理念に掲げ活動しています。これからは共生の時代と考え、それぞれが「つながる」ことで新しい日常を築いていきたいと考えています。
3.HAGISO的谷中の日常【東京都・谷中】
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東京の谷中を拠点に、 文化複合施設、飲食店、宿泊施設、建築設計業、教室事業といった幅広いコンテンツを運営しているHAGISO。フードのブランドがいろいろあり、今回はお惣菜店「TAYORI」のドレッシングと自家製ジンジャーシロップ、「TAYORIBAKE」の焼菓子、「asatte」のジェラート、「LANDABOUT table」のコーヒーとカクテルなど盛りだくさん。
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2日間とも暑かったので、「asatte」さんのジェラートは大人気。オレンジのスマイリーは、マンゴー味のアイスキャンディです。HAGISOさんはデザインもすべて自社でやっているそうで、全部かわいい!
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1日目のFOOD SPACEでは、スパイスから作るキーマカレーを提供してくださいました。谷中は野菜は八百屋さん、お肉は精肉店で買い物ができるまちなんだそう。HAGISOは古き良き東京の下町に馴染みながら、新しい流れをつくりだす、絶妙なコミュニティハブだなぁなんて思っていました。
*Curated by HAGISO
HAGISOは、東京谷中を拠点に、文化複合施設、飲食店、宿泊施設、建築設計業、教室事業を営んでいます。「世界に誇れる日常」をテーマに日々過ぎゆく日常に、自分たちの相違や思いがけない偶然を折り重ねていくことで、圧倒的にユニークな地域文化を構成していきたいと考えています。
4.ミニミニ!すみだ向島EXPO【東京都・京島】
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東京のイーストサイドからやってきた個性派集団。ブースに並ぶ品物がおもしろくて、立ち止まる人続出です。「すみだ向島EXPO」は、毎年10月に開催される地域の博覧会。舞台となる京島・向島エリアは、東京都内でもっとも多く戦前の長屋が残っているこの下町で、主催の後藤大輝さんいわく「アーティストや何かやりたい人たちが、無農薬でのびのび活動しているまち」なんだそう。
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今回は「すみだ向島EXPO」の出展者がアイテムを持ち寄り。古い工場から出てきたアンティークなオイルライターや、定休日に音楽ライブをやる銭湯「電気湯」のグッズ、有名陶芸家が破格で自らの器を売る「雑器店」のお皿、「京島共同凸版所」の3Dプリンターでつくった鳥の脚…(カードスタンド。売れてました)などなど。
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またアーティスト・蓮渓芳仁さんが移動式のお寺を引っ提げてチャイをふるまったり、2日目にはコーヒーと鯛焼きのお店「オフコーヒー」さんも参戦。なんかもうすごい。本物のEXPOも楽しいにちがいないと確信しました。
*Curated by すみだ向島EXPO実行委員会
東京都墨田区の八広・京島・文花エリアを中心に開催する博覧会「すみだ向島EXPO」。コロナ禍の2020年からはじまり、今年で第4回の開催になります。今年のテーマは「百年の祝福」関東大震災から100年の節目を迎える年に「災害に弱い町」とされながらも人々が共に生きてきたこの町の本質を見つめ称えようという思いを込めています。
5.福井県の作り手と使い手をつなぎます「SAVA!STORE」【福井県・鯖江】
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鯖江市といえばメガネ!と言いたくなりますが、それ以外にも素晴らしい工芸品があるんです。なんとまちの10km圏内に、7つもの伝統工芸があるんですって。
「SAVA!STORE」さんはそんな鯖江のものづくりに、クリエイターのセンスが合わさってアップデートされたデザイン雑貨を扱うお店。当日もバッグ、漆器、越前和紙に刃物、野菜を保存するネット、もちろんメガネも、欲しい物ばかり並んでいて、物欲がびしびし刺激されました。
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お店を運営するのは合同会社ツギ。ローカルクリエイティブカンパニーとして、地域や地場産業のブランディングを手掛けているそうです。社員の皆さんもそうですが、鯖江には若い移住者がどんどん増えているそうです。ものづくりが盛んな鯖江は、自らのクリエイションを展開したい人たちにとって、良い土壌なのですね。
*Curated by 合同会社ツギ
福井県鯖江市を拠点に活動するローカルクリエイティブカンパニー。TSUGIという名前は“次”の時代に向けて、その土地の文化や技術を“継ぎ”、新たな関係性を“接ぐ”という思いが込められており、「創造的な産地をつくる」をビジョンに掲げ、“支える・作る・売る・醸す”をキーワードに、地域に何が大切で何が必要かという問いに対して、リサーチと実践を繰り返しながら、これからの時代に向けた創造的な産地づくりを実践しています。
6.松戸のとある一日「松戸生活市」【千葉県・松戸】
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「NO BIG DEAL!」主催者・omusubi不動産のホームである千葉県松戸からも、ゆかいな仲間たちが集合。
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古着屋「ME:YOU」さんは、ちょっとボーイッシュな80-90年代のアメリカ古着がそろっていて、個人的にとても好みでした。具を巻き込んだボリューミーなベーグルが人気の「LIVING Coffee and Bagels」さんは、お店の人気上位のベーグルを引っ提げて登場。しっかりSOLD OUTしていました。
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外のスペースではコーヒー&ドーナツの最強タッグが。「ドーナツが大好きなんです」と熱く語ってくれた「doughmaker」さんのドーナツは揚げたてふわふわ。隣では「hano coffee」さんがコーヒーを淹れてくれました。店主さんはもともとコーヒーが飲めなかったそうで、とってもまろやかで飲みやすい焙煎。松戸のお店も個性豊かです。
*Curated by omusubi不動産
わたしたちは、おこめをつくる不動産屋です。不動産屋ですが、入居者さんや街のみなさんと一緒に田植えや稲刈りをしています。それは、顔が見えている人と自給自足をする暮らしを築きたいから。まずは自分が好きなことや得意なことを提供する。足りないものは顔が見えている人とトレードする。ちょうどよく人に頼りあえる「おたがいさまの関係」を築けたらいいな。そう考えています。
― BOOKS ―
当日は、まちづくりや建築の本を扱っている2つの出版社さんと、2つの本屋さんの出店もありました。出店者同士での交流もたくさん見られましたよ。
1.ユウブックス
ひとり出版社のユウブックスさん。代表の矢野優美子さんは、もともと建築系の出版社にいて独立したのだそう。『小商い建築、まちを動かす!』や『わたしのコミュニティスペースのつくりかた みんとしょ発起人と建築家の場づくり』など、イベントにぴったりの本がたくさんありました。
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2.millegraph(ミルグラフ)
建築・美術/デザインを中心とした出版社・編集プロダクションさん。写真がきれいな本が多く、尾道「LOG」のビジュアルブックや、入手困難な「ジャン・プルーヴェ展」の図録など、蔵出しの貴重な本も大放出されていました。
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3.kamebooks
千葉県市川市にあるわずか一坪の本屋さん。松戸でも「ことばのある場所 甲羅文庫」を営んでいるそうです。本は古本と新刊が混じっていて、店舗のほか屋上で古本市をやったり、ZINEを作ったり、おもしろい活動もされています。ちなみに店主は亀と酒を愛しているそう。
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4.smokebooks
松戸市みのり台と清澄白河に店舗がある本屋さん。古本、新刊、雑貨や文具も扱っているそうです。この日は建築とたくさんの絵本を持ってきてくださっていました。奥様が絵本に詳しいのだそう。本棚の影には娘さんも!と思ったら、millegraphさんもやってきて、本屋談義に華が咲いていました。
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― SERVICES ―
ユニークな空き家活用ビジネスを展開する2社のブースも登場。それぞれ工夫を凝らした展示内容で興味深かったです。
「空き家ゲートウェイ」/YADOKARI株式会社
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空き家を「100円」か「100万円」のどちらかで販売するという、驚きの物件情報サイト「空き家ゲートウェイ」を運営しているYADOKARIさん。全国の"100均物件"と、活用したい人を繋いでいます。
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今回はサービスの紹介をしつつ、自社で手掛けるタイニーハウスの新作「ROADIE mini」を初お披露目。エアコン付きの広々空間で、移動式カフェに、キャンプ時に寝室にと、夢が広がる空間でした。ちなみに価格は290万円+TAX。
「空き家で商い!!」/ 空き家リノベラボ
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空き家再生の第一人者・内山博文さんが率いるJapan. asset managementが運営する空き家リノベラボ。空き家を再活用する仕組み=「saikatsu(サイカツ)」と名付け、空き家を持つオーナーや不動産業者と、活用のアイデアを持つ事業者をマッチングさせるプラットフォームです。
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当日は空き家活用物件のテナントに入っている「立呑み いと。OKOJO」さんのバーカウンターがあったり、東松原にある実際の空き家の写真を展示して、来場者から活用アイデアを募集していました。小学生の女の子が「自習室」と書いているの、えらいなぁと思いました。
写真・文=井上麻子