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小品盆栽、東京支部講師陣の楽しみ方 (03-後編)

前編からのつづき

ーー畔柳さんはグリーンアドバイザーという肩書きもお持ちですが、どういったきっかけでグリーンアドバイザーを目指されたのでしょうか?

グリーンアドバイザーってなんか心地よい響きだと思いませんか。盆栽という長年培ったスキルが、資格取得と相まって、結構最強とか思ったのです。

【 支部展への思い 】

ーー東京支部支部展への初出展は、意外にも再入会した最初の年と伺っています。そこまで出展されなかったのはなぜでしょう?
昭和46年からの20年間は会員数も200人以上で、面子もそうそうたるものだったからね。大助(佐野大助氏)とか怖かったし。とてもじゃないけどビギナーが出す隙なんかなかった。鉢もお道具もすごいものばかりでしたよ。
仕事が忙しくなって退会し、15年のブランクを経て巡り合わせがあって再入会後、ついに初出展を果たしました。嬉し恥ずかしですね。

当時の畔柳氏展示席より。主木は赤松。こちらも先の黒松と同等の古さを持つ木ですが、出展後に突然枯れてしまったのだとか。「お役目を果たした、ということなのかもしれないですね」。

ーー9月に東京支部展を迎えますが、飾ることの良さは何だと思われますか?
これは言い続けていることですが、初心者は(展示会に)出すことによって腕が上がります。他人に見てもらうために考えて作るようになるからです。
私は東京支部展は新人さんの勉強発表会だと思っています。いわば「習作展」です。一生懸命やれば、必ず一皮も二皮も剥けるのです。

ーー畔柳さんが、後輩趣味者にもっとも伝えたいことは何でしょうか?
ネット、SNSなどで小品盆栽に関するいろいろな情報があふれていますが、我が東京支部は、過去数十年培われた貴重な情報が受け継がれております。それを受け継いでいくのはこれから会の中心になっていく皆さんです。なので、少しだけこの世界の楽しさに浸った私たちがそのお手伝いをいたします。

本年5月の例会、畔柳氏実技のワンシーン。初心者のみならず中堅の方も、自らの作業と他人の作業とに違いを発見することがあり、情報交換の場ともなって視野が広がる。

いろいろなスタイルがあっていいのです。でも基本を学べるところが東京支部であってほしいと思っています。基本をマスターした上で自分で考えてするのが応用です。誰かが何十年もかけてやったことは残していかないといけないし、後進に伝えていきたい。
究極、木一本石一個で自分の思った景色が出せる、絵葉書の写真じゃなくて「自分のイメージする景色」が出せるようになっていってほしい。
それが私の夢でもあります。
夢というか、希望です。

ーー最後にココだけのちょっぴりおトクな情報を1つ教えてください。
例会に参加すると、希少な苗木を貰えたり、先輩名人の極意を聞くことができますよ。


グリーンアドバイザーでもあり、DIYアドバイザーでもある支部長の畔柳さん。その知識と技術を生かし、東京支部会員自宅の盆栽棚製作を請負ったこともあるとか(!)。ときに熱く、ときに冗談まじりに「新しい人に盆栽を本当に好きになってもらえれば」のラブコール。
盆栽がもっとポピュラーにならないと、との締め括りが印象的です。

畔柳支部長、ご回答ありがとうございました。

(編・蛍)

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