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投資家向け: ポケポケの継続性の考察


ポケポケの継続性についてのツイートが話題になっていたので、私の考察も述べたいと思う。
該当のツイートの是非について議論するのではなく、純粋にポケポケの継続性について要素を分解し、それぞれについて考えていく。

継続性 ≒ DAU

先日のツイートでは、売上がDAU x PR x ARPPU から計算されることを説明した。
(もし見ていない人は @bonsai_poem の過去ツイ参照)
継続性がなぜ大事なのか。それはDAUに直結するからである。

DAU = f(継続率, ユーザ流入数)

DAUは、日次のユーザ流入数を縦に並べ、流入日別のcohortユーザー継続率を横に並べたマトリックスから計算できる。(下図はイメージ)

計算式は割愛するが、流入数が減らず、継続率が高く出ていればDAUは大きな値になる。
理論上、ユーザ流入が一定であれば継続率がどんな値でもDAUは維持される。
また理論上、流入数が一定であり、継続率が一定数以上である場合、DAUのピークがリリース日以降になることもあり得る。
次は、DAUを構成する継続率とユーザ流入数について考えていく。

継続率

ポケポケの継続率について考える。
まず前提知識として、CoCのような歴史的トップタイトルでもD30の継続率(インストール日から起算して30日後にログインしたユーザの割合)は30%前後である。ポケポケがいかに継続に優れたタイトルだとしても、D30で60%超の外れ値は期待すべきではない。
継続率については公開されている情報がほぼないので推測するしかないが、体感的にはD30で30-40%ぐらいは出ていると考えている。これはポケポケには「無料パックを開けるだけ」という強いログイン動機があり、かつ、ログインハードル・再開ハードルが低いことが継続率を強く押し上げていると考えている。

ユーザ流入数

次にポケポケのユーザ流入数について考える。
ユーザ流入については、国内と海外で分けて考え、海外の国の代表としてアメリカ(US)を取り上げる。
こちらも前提知識を確認しておく。一般的なソシャゲ(中規模以上の会社が、そこそこの予算を投じて開発するもの)は、事前登録キャンペーンやリリース日前後で大規模な広告投下を行うため、ユーザ流入のピークがリリース日〜1週間以内になり、以後流入数は逓減していく。(注:リリース後にTVCMなどを打つと流入数はハネるが、イレギュラーなのでここでは考慮しない)
ポケポケの流入については、ある程度データが公開されているので、そちらを参照して考えていく。下はリリースから2/3までのJP, USでのインストール数の推移である。(iOS, Overall)

出典: data.ai

JPは1-5位張り付きで、USではさすがに閑散期では100位以下に落ちているが、新パックリリースのタイミングでは10位ぐらいまで持ち直している。
水準的に、JPのDL1位は5万~10数万DL/日であり、5位ぐらいだと数万DL/日である。5位以内で張り付いているので、iOSだけで毎日ユーザーが数万〜10万ほど流入していることが分かる。ポケポケは事前登録キャンペーンやリリース前の大々的な広告投下などを行っていない影響か、流入数がリリース日以降も落ち込みが小さく、継続的に流入している印象だ。

次に、T1国(KR: 韓国, GB: イギリス, IT: イタリア, CA: カナダ, AU: オーストラリア, SG: シンガポール)を加えたDL推移も見てみよう。

出典: data.ai

上の推移を見ると、こちらもやはり12月下旬〜1月中旬にかけて流入が落ち着いていることが見て取れる。JPのユーザ流入は他の国と比較して異常な張り付きを見せている。逆に言うと、売上の58%を占めるグローバル売上を推測するには、JPのみの感覚では見誤ってしまうということだ。(過大評価になる可能性がある)

余談になるのだが、ユーザ流入は広告ではなく、オーガニック(口コミやSNS投稿など)が大半を占めていると考えている。なぜならば口コミやSNSの投稿、特に短尺動画での対戦キャプチャなど)の露出が非常に多いからだ。ポケポケをインストールしたあなたも、広告を見たのではなく、口コミやSNS投稿、ゲームの紹介まとめなどでインストールしているのではないだろうか。

DAUの推移予想

時間が許せば日次のユーザ流入数、予測継続率を用いてマトリックスを作成し計算すべきところではあるが、時間も限られているので雑感として記しておく

国内ユーザのDAUのピークは12月下旬で、それ以降DAUは徐々に落ちていると考えている。
海外ユーザのDAUのピークは12月上旬で、それ以降は流入が減った関係でDAUが大きく低下していると考えている。
ポケポケの売上の42%が日本という記事があるが、T1国の流入数の落ち込みを見る限り、この比率は1月以降で上がっている可能性が高い。

私の予想まとめ

  • 全体における日本ユーザの売上比率は顕著に上がっていく

  • ユーザ流入数は一般的なソシャゲと異なり、かなり分散している

  • 継続率は非常に高く、D30で30%を超えている

  • 日本ユーザのDAUのピークは12月下旬。そこから徐々に逓減している

  • 海外ユーザのDAUのピークは12月上旬。そこから大きく減っている

質問等あれば @bonsai_poem までどうぞ

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