【2023年版】水草水槽を1年以上長期維持するのに適した底床とは?
A.はじめに
お世話になってます、ぼのぼのです。
↓前版の記事では、沢山の方にご閲覧いただき、ありがとうございました。
執筆から約1年が経過し、更新した情報の中から、新たにご共有したい内容
も増えてまいりましたので、2023年の最新版として、別途本記事を作成させていただきます。
前回、ご閲覧いただいた方も、初めての方も、また新たな気づきが有るはずですので、是非ご高覧下さい!!
B.水草水槽底床を砂利で管理する優位性と弱み
以前より私は、1年以上その水草水槽を維持するのであれば、底床はソイルより砂利の方が優れているのでないか、、、という視点で記事を記載してまいりました。
そして、初稿から約1年がたった今でも、その考えは変わっていません。
…というより、むしろ強くなっています(笑)
本記事では、私が約1年かけて試行錯誤し、新たに発見した、水草水槽底床を砂利で管理する優位性と、前回の記事ではカバーしきれなかった、砂利底床の弱点克服方法までを含めた、具体的なセッティング方法を解説させていただきます。
C.水草水槽底床を砂利で管理する具体的な優位性
私は上記記載の通り、水草水槽底床を砂利で約1年間管理し続けてきました。その中で、底床をソイルで立ち上げた場合と比較し、感じた優位性を下記に纏めます。
半永久的に利用でき、使い込むほどに育成面で優れた底床となる
砂利は、ソイルと異なり形が崩れることが無いため、半永久的に利用し続けることが出来ます。
使い続けることで、余分な石灰分が無くなる&有機質成分が混ざるため、ソイルより多くの水草を同時に育成することが可能になります。
植栽・引き抜き・差し戻しが容易
紹介する砂利はソイルより目が細かく、比重が重いため、薄敷きであっても植栽が容易です。
また、ソイルと比較して根張りが緩やかなため、株を引き抜いても底床が舞い上がらず、水槽水が濁りにくいです。
数回のピンチカット(トリミング)後も、2-1,2-2の理由から、手間なく差し戻しが行えるため、より長期維持に向きます。
リン固定が起きづらいため、一度セットすれば底床の入れ替えを行う必要がない
無機物である砂利は、理論上リン酸固定が発生しない。また、糞や残餌等の、蓄積物の影響があったとしても、それ自体が有機物であるソイル底床と比較すると、無視できる水準です。
水質への影響がごく小さい
肥料分や陽イオン交換能を持たない砂利は、原水(換水に用いる水道水)の水質を変化させません。そのため、水道水自体を調整して換水を行えば、ソイルより長期に渡って水槽水質を一定に保つことが可能です。
※砂利は、含まれる石灰分により、pHがアルカリ性に傾くので水草水槽には不向き、、、という意見は、あくまで広く流通している大磯砂を用いた際に起きる事象であり、本記事で紹介する砂利。およびそのセッティング方法には当てはまりません。
D.水草水槽底床をソイルで管理する強みへのカウンター
読者の皆さま、そろそろ水草水槽底床を砂利で管理したくなってきましたか・・・?(笑)
では、本稿では砂利管理を行うと決めた際、よく言われる弱み(ソイルの優位性)について下記に纏めます!
水槽水の調整(弱酸性の軟水に傾ける)機能が砂利にはないため、ソイルの方が優れている、、、への反証
水槽水の水質調整をソイルに頼る手法は一見手軽ですが、なかなか曲者です。なぜなら、ソイルの水質調整機能は長くても3か月程度しか持たず、復活させる方法も無いからです。
事前に、水道水を弱酸性の軟水に調整し換水を行うことで、そもそも水質調整機能は不要となるため、ソイルの優位性には疑問符か付きます。
肥料分がソイルには含まれているため、水草育成に向く、、、という意見への反証
ア〇ゾニアに代表される栄養系ソイルは、それ自体が肥料分を多量に含んでいるため、単体で水草を育てることが可能です。
ただし、含まれている肥料成分・構成比は一切不明であるため、立ち上げが上手く行くか否かは、ぶっつけ要素が大きいです。
また、天然資材のため、ロットによりその品質は一定ではありません。
さらに、混ぜ合わせて焼き固めているという商品の性質上、植栽する水草の肥料要求度の高低に応じて、濃淡をつけるということも難しいです。
ソイルには保肥性があるので、水草育成に向く、、、という意見への反証
ソイルの保肥力は、D-1(水質調整機能)と同じく、永久には続きません。そのため、水草水槽を長期に維持しようとした場合、ソイルは部分的な入れ替え、あるいはリセットが必要になります。
E.水草水槽底床を砂利で管理する弱みへの対策法
ここまで、長々とソイルをディスって来ましたが、それでも水草水槽をより身近な趣味にしたという意味で、ソイルの偉大さは変わりません。
また、ソイルと砂利の採用率の違いからも分かる通り、これまでの砂利底床が、克服出来ていない弱点を抱えていたのも事実です。
しかし、約一年に渡る試行錯誤により、ほぼ全ての弱点を解消・緩和することに成功しました。
以下に、そのセッティング例と根拠を記載させていただきますので、ご参考にしていただければ幸いです。
では、ここからは簡潔に行きます。
まず、長期維持に用いる底床は↓の製品です。
・「シンセー社:津軽プレミアム」
この製品は長期維持が狙える他の製品郡(砂や砂利)と比べて、下記の強みがあるため、私は全ての管理水槽(現在15個)の底床に「津軽プレミアム」を敷いています。
僅かに水より重い比重で、角の取れた粒が1-2mm程度の砂であるため、根張りを阻害しないこと
大磯砂や田砂等と比較して、pHや硬度に対する影響が小さいこと
出荷前にメーカー側で温水洗浄済みのため、購入後に酸処理を行う必要が無く、そのまま敷くことが出来、セット直後の濁りも少ないため、僅かに発生する濁りも半日程度で落ち着くこと
1-3の強みを持ちながら安定供給されており、かつ他の製品と比べても安価であること
川砂、砂利共通の特徴として、経年劣化による泥化が発生しないため、半永久的に使うことが出来ること。
F.固形肥料のセッティング方法
「津軽」は「ソイル」と異なり、それ自体は栄養を持ちません。
そのため、固形肥料の上に津軽を敷いてセットします。水槽立ち上げの元肥はそれぞれ、下記製品がオススメです。
この製品はアクア用固形肥料と比較して、下記の強みがあるため、お勧めです。
肥料量・構成比が明記されている。また、腐食酸以外の成分がバランス徳含まれており、使いやすい。
生分解性であるため、粒が底床内に残らない
温度により肥効期間が決まるため、追肥のタイミングを機械的に決めることが可能になる
1-3の強みを持ちながら安定供給されており、かつ他の製品と比べても安価であること
G.腐食酸の追加方法
「エコロングトータル」は、肥料量・構成比ともに優れた製品ですが、残念ながら腐食酸を含んでいないため、下記製品を追加し補うことをお勧めします。
この製品を追加することで下記効果が期待できます。
腐食物質による発根促進
pHが酸性に傾く
一定期間、保肥力を発揮することで、水槽の立ち上げが早くなる
H.底床を敷く厚さについて
低床(元肥+津軽の厚さ)は、最薄箇所でも7cm以上になるようにして、下記のように敷いて下さい。
私の経験則になり恐縮ですが、6cm以下の低床では、生育が芳しくない水草種が存在するためです。
※逆に言えば、7cm以上敷けば、ほぼ全ての水草が育成可能になります。
I.底床を厚くすると止水域が出来て、嫌気層から有害物質が流出するのでは?
下記理由により、根を張る水草を多く植栽する水草水槽では、底床の厚さによる有害物質発生を、考慮する必要がありません。
水草内の循環により、厚く敷いた土壌であっても根から酸素が供給されるため
仮に有害物質(アンモニア等)が発生した場合であっても、水草が根から速やかに吸収するため
J.まとめ
アクアリウムを永く楽しむためには、水槽管理の頻度&時間を少なく出来る、長期維持が有効
多大な労力がかかるリセットを避けるためには、ソイル以外の低床(津軽)が有効
底床は、元肥をケト土でセパレートし、その上に津軽を被せ、厚さが7cm以上になるようセットする
K.おわりに
今回は、ぼのぼのが考える水草水槽との付き合い方と、長期維持に適した低床についてお話させていただきました。
皆さんが試行錯誤し生み出した、独自の水槽管理手法が、ご自身の中にあることは承知しておりますので、ページ内の一部でもご参考になれば幸いです。
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