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お店を禁煙にしました。

お詫び

2021年12月、苦渋の決断でしたが、お店を禁煙としました。

オープン以来、たくさんの喫煙者の方にご来店いただきました。

タバコが吸えることに魅力を感じていた皆様には本当に申し訳ない思いです。

2020年4月施行の健康増進法もやりすぎだなあと思っていた私が、なぜ禁煙にしたかを綴ります。


背景① メインターゲットである19歳付近が拾えない

2020年4月に施行された健康増進法により、タバコを吸えるが20歳未満を入れなくするか、店内を完全に禁煙にするか二択を迫られました。

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分煙にするにも店内に専用ブースを設けることが義務付けられ、そんな予算もなければ、狭い店なのでそんなスペースもありませんでした。様々な店が、やりすぎ!と思ったことでしょう。事実、SNSでは大炎上していました。

当時、お客さんの低年齢化に迷いもありました。この飲み屋だらけの店で(当店も例にもれず)、女子高校生がたくさん出入りすることに違和感を覚えておりました。店に来てくれることは感謝です。しかし、店には大事にしたい空気があり、狭い店で、お酒を飲まれるお客様と、女子高校生の共存は困難を極めました。酒類提供店だけど年齢確認は?いや、入ることはできるんだけど。学校的にはどうなんだろうな?という疑問も拭えませんでした。

制服で来店される方も多く、制服はIDのようなもので、とくに学校指定のジャージなどは、名前入りなど個人情報が書かれております。それについてもヒヤヒヤしておりました。

この建物のお店の多くはお酒の提供を中心としており、夜の時間帯は正直治安が良いとは言えません。酔客とのトラブルがないとも言い切れません。なにより、トラブルがあったときに自己責任として処理できず、多方面に迷惑がかかります。

私も人間ですので、お客様の贔屓はあります。当時、友人はじめとし、大事にしたいお客さんの多くは成人しており、タバコを吸う人がたくさんいました。

そんな経緯もあり、喫煙可能店として届け出を出す決断をし、申し訳なくも未成年は入れなくなり、今に至ります。

しばらく喫煙可能店として努力を重ねてきましたが、程なくしてコロナ本格化、そもそものお客様総数が激減しました。いまもまだ、全然戻りません。

そんな中、SNSでのマーケット調査でわかっていたことですが、高校を卒業した後の19歳付近のメインターゲットを多く取りこぼしていました。コロナ真っ只中でも活発に動いていました。中には20歳以上と偽って入店されているケースも(条例に基づき、一応店頭で年齢確認していた)(インスタではプロフィールに年齢が書いてあることがよくあるからわかる)。

メインターゲットとして見えている多くの需要。しかも圧倒的に多い。高校生じゃないとなると自己責任のあり方も大きく変わってきます。2022年4月からは成人の定義が18歳以上となります。(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00238.html)。

こうなると店の生き残りをかけて禁煙にするかどうかという選択肢が持ち上がります。



背景② 私含む、非喫煙者の健康状態

もともと私はタバコが苦手です。

とはいえ、昔から身の回りの大多数は喫煙者で、ライブハウスやスタジオ、飲み会など常にモクモクの環境におり(昔はそうだった)、しばらくは「まあ、我慢すればいいや」くらいに思っていました。

しかし、今年に入ってからタバコ暴露環境下で極端に具合が悪くなることが増えてきました。

もしかしてタバコアレルギーのようなものがあるのか?と疑い、様々なソースを探ってみました。しかし、結局は判断材料としては弱く、病院で診断をうけることにしました。

そこで出た診断は受動喫煙症でした。

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(名前などは伏せております)

長年タバコ暴露環境下で過ごすことで発症したアレルギーのようなものです。
煙の質が軽かったり、短時間であれば大丈夫なのだけど、長時間の曝露でひどい車酔いのような状態になり、昏睡状態にはならないので耐えますが、ひどい時は次の日まで動けなくなります。
店内の排気設備を増設してみたり、努力してみたのですが、ついには症状は改善せず、いまに至ります。

例えば、私用で行った場所が、タバコに暴露されても仕方がない環境などでは耐えます。しかし自身の店で、毎日の仕事に影響するとなると少し考えてしまいました。だけど、これが仕事だから耐えようかどうか長期間迷いました。

このことがきっかけで、実際のところのタバコに対する考えや思っていることを喫煙者、非喫煙者問わず聞いてみたところ、

「実は喘息持ってて相当きつい時がある。でも空気壊すから言えない。」

「喫煙者だけど銘柄によっては受け付けない場合がある。」

「タバコの重い/軽いの表示はフィルターの性能次第なので、副流煙は大体重い説」

「程度による。モクモクすぎるとツライ。」(喫煙者/非喫煙者ともに)

など意見をいただきました。

その多くが、少量ならなんとかなるというものでしたが、タバコを吸う方が皆少量とは限りません。

喫煙者のマナーとしても非喫煙者のためにも煙の量に気をつけることは必要かと思い、1テーブル5本までのルールを店としてお願いするも、運用はうまくいきませんでした。

タバコの煙によってその場で具合が悪くなる人がいるということ。

副流煙浴びたくらいでは病気にならないよと思っている人は多いと思います。しかし問題はもっと直接的でした。

私みたいに曝露が進むと動けなくなる人や、実は喘息はじめとする病気持ってる人は意外と多く、そのほとんどは空気を壊すから辛さを訴えない、これは事実として無視できませんでした。


結論 ガマンはお互い様だけど、店で具合悪くなる人がでるのは違うと思うので禁煙にします

ガマンはお互い様という結論になりました。

タバコを吸う人は吸いたい欲求と戦うことがある。

タバコを吸わない人は吸っている人がいても文句を言わないことがある。

お互い様です。

非喫煙者の私自身、タバコの煙のある場所に行くのも自己責任だとも思ってます。

ただし、自分の店に対しては具合が悪くなる人が出るのは違うなと思いました

店でタバコ吸っていいよって言われたら、そりゃ吸いますよね。喫煙者を責めるつもりはなく、喫煙可能店としていた私も悪いです。勝手なことばかり言ってすみません。

私はタバコを憎んではなく、お酒とタバコ、コーヒーとタバコという文化もあると思っており、嗜み方さえ正しければいいと思います。ですが、背景①、背景②にある通り、いろいろと限界が来てしまいましたし、やはり共存も難しく、禁煙に踏切りました。

タバコを吸われる方には肩身の狭い思いをさせてすみません。

日頃、タバコの本数や煙の行先、周囲の状況などを気にかけて嗜まれているお客様もいらっしゃる中、心苦しく思っております。

せめてもと、タバコを吸う人も同時にケアしたい思いから、お店の外で申し訳ないですが喫煙できるスペースを設けました。

ご希望の方には灰皿をお貸しします。

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もう一度言いますが、私はタバコを憎んでいませんし、タバコを吸う大事な友人や大事なお客様もたくさんいます。同時に、タバコを吸わない友人や大事なお客様も対等です。相互に理解することこそが最適と考えています。


以上、店を禁煙化するに至るまででした。

私個人の都合も含むことでご不便をおかけし、申し訳ないです。

日頃気遣いをしてくれる人に感謝を込めて。

禁煙者も非喫煙者もお互いの理解を。


※今後、未成年の方も入店できますが、風紀と治安の観点から18:00以降ご来店の高校生以下のお客様は保護者の同伴を求める方針です。





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