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朝明けは清々しくて 夕暮れは 他人の声も優しくなりぬ 君のそのたどたどしさに ひたむきで真摯な気持ちを 感じています 一枚の 写真の中の微笑みに 共に過ごした時間が止まる 朝のバス いつも乗ってた女子高生 久々見れば素敵な大人に 大好きで 話したいこと多いのに 言葉が出ない伝えきれない
水たまりに ボチャンと入る子の姿 懐かしくあり眩しくもあり 登校の 列の歩みが速すぎて ずっと小走りの小さな子たち 叱ったら なぜか好かれたことがある 上目遣いの父のない娘に 名刺見せ キラキラネームとからかわれ この新担当者に罪はない この夏を がんばってきた落葉たち もう戻れない空を見上げる
許されぬ 源氏の愛に堪えかねて 人妻の身を悔やむ空蝉 たおやかな 夕顔のこころ見抜けずに 頭の中将の薄情かなし 紅の末摘花の面影に 秘めたる誠 なお色褪せず 引き裂かることとも知らず 母さまも早くお乗りと 明石姫君