考思クッハ【録書読】
須藤憲司 著
読み終わった瞬間、自分のまわりのハックできるなにかを探しはじめてしまう、そんな一冊。
書店では逆さまにディスプレイされてしまうと噂のハック思考。気づいた時にはわが家でも逆さ向きに。。
この本はおもしろいと勧められ読んだのだが、具体例やケーススタディもたくさん書かれており、とてもわかりやすく「ハックとはなにか」を理解することができた。
不確実性の時代、人口が減り、働き方改革が求められていく世界で、より成果を生み出す効率の良い考え方、知恵が大切になってくる。
わたしも営業として働くなかで、どうやったらラクして売上が上がるかなーなんて考えることもあるけど、まさか思考にしてしまう方がいるなんて素敵な世界。
学生時代、リクルート時代、現在のKAIZEN PLATFORMで培われたスドケンさんの、文字通り「ハック思考」が見事に言語化されている。
人と違う規則性や法則を見つけて、・・・①
その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する。・・・②
たった2ステップで、世界がハックできるとのこと。
しかし読み進めていくと、はたと立ち止まり気づく。
“人と違う視点でものごとを観る”のって、ものすごく鍛錬が必要なことなんじゃない?
スドケンさんは簡単にやってのけてるように見えるけど、これ、めちゃ難しくない…?
そう。昔からなにかにつけて平均点をとってきたわたしのような人間は、“人と違う視点で”とか“ものごとをあらゆる観点から観る”なんてことはやってこなかった。
“みんながやってる=確実・安心” のマインドが身についてしまっているのだ。
そんなわたしにも、要所要所で「こう考えてみると面白いですよね?」とスドケンさんが背中を押してくれるおかげで、確かに考えていくのって楽しいかも…と思考の世界に足を踏みいれることができた。
ただ、一回本をよんで思考法を理解しただけではもちろん使えるようにはならない。
常日頃からものごとの本質をとらえて思考する、そんなクセをつけていかなくては。
最近、歴史から学ぶことは多い、事象に対して人々がどう対応してどんな結果になったかが参考になると聞くことが多く、今回の新型コロナウイルスに関してもペストの話が出てきたりと、その重要性を感じている。
そんな中、自分の経験だけに頼らない引き出しをたくさん持っておくことが、思考の手助けになるという話はとても腹落ち感があった。
「マーケティングはプライスが全て」の話は、自分が今対面している“どうやったら売上あがるの?”問題にまっすぐ刺さるものだった。
右肩下がりの業界で従来のやり方でいくら頑張っても、ハックの前では手も足も出ないなと、今後仕事をしていく上で大切にしなければならないことが心に残った。
業界やお客様のおかれている立場、エンドユーザーのおかれている立場、それを取り巻く環境… ほんとうに深くまで観にいけていたか?
これまで仕事をしてきて、自分がいかに先人たちの歩いてきた道をそのまま歩いてきたかを痛感する。
たくさん電話をかける、とか、飛び込みで訪問をしてみる、とか、もちろん全く意味がなかった、無駄な努力だったとは思わないけど、もっともっと効率のいいハックなやり方があったんじゃないか…
悔しさとまざり、わたしの中には少しのワクワクも芽生えていることに気づく。スドケンさんに感謝。
今回は仕事のことを思い浮かべて読んだけど、次はなにか違う事象のことを考えながら読んでみよう。
きっとまた違う世界が見えてくる気がする。