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才津さんのカード。

昨年、アニバーサリーに
お店からお客さんにプレゼントする
カードを作りました。

お店側からのご相談でそういったお話は
よくあると言えばありますが
今回の経緯はちょっと違っています。



さて、“お店” は、
「イタリアのごはんとワイン」屋さん。



そのお店と、店主をこよなく愛する、
“才津さん”(お客さん)。

私も、たまにお店に寄らせてもらっていて、
ある時、店主の計らいがあり
才津さんとお話するようになりました。

私が感じた才津さんの印象は、
スッとのびたきれいな空気を纏ってて
(実際、背も高いのですが)
少し震えた小さな少女のような声で話す人。
小さな機微をたくさんの心のひだで捉えるから
素敵なものをたくさん発見するし
故に、疲労してしまうことも
あったりするのかな。



毎月変わる、お店の大きなガラスから見える
ディスプレイは
お花屋さんが、ドライフラワーなどを使って
素敵な窓辺をつくってくれています。

才津さんは、自分の心の動くところを
(表だった発表せずに)写真にしたり、
ことばにしている方。
お店のディスプレイが変わるたびに
写真を撮り溜めていたのでした。


そんな才津さんから、ご連絡が。

「私の撮った窓辺の写真を使って
お店の周年のお祝いの品を、
つくることはできないでしょうか?」


小さなカード3枚セットになりました。

印刷会社で働く友人に協力してもらい、
倉庫に眠っている紙の中から
しっとりと少しあたたかみのある紙を
提案してわけてもらいました。
表は、才津さんの素敵な
ことばのカケラを少しだけ。
お店の周年のお祝いをしたい! に
賛同してくれたお客さんたちを
「チルコロ」応援隊、と名付け入れました。
とっても、小さい文字です。
3枚をクリスタルパックに入れて
窓辺をつくるお花屋さんから
わけて頂いたドライフラワーを
細い銀色のマスキングテープで飾って完成!
周年の日に来てくれたお客さんたちに
店主からプレゼント。



才津さん(お客さん)から店主に。
費用は、お祝いしたいと言ってくれた
お客さんたちで。
店主から、周年のお礼にお客さんに。



この流れは、しようと思って
できることではないので
体験している最中、胸がアツかったです。


機能デザインを重視したご希望が
仕事としては多い日々です。


才津さんのカード。
みたいな
“情緒” や “思い” を伝える役割をするデザインが
本当は(もともと、も)好きなんだよな
と、再確認した出来事でした。

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