2019.5.17 女性のための起業セミナーvol.1 「オリエンテーション」
「アイデアを形にする方法がわからない…」
「情報や知識、人脈がほしい…」
そんな起業家の皆さんの1人ひとりの悩みやニーズに対応し、次なる一歩を応援しよう!というのが、この山梨中央銀行主催「女性のための起業セミナー」です。
全4回の連続セミナーのプログラムデザインと講師をNPO法人bondplaceが務めさせていただいています。
■本セミナーの開催趣旨
女性の起業においては、フェーズ0からフェーズ3までの4つの段階があるとされています。
平成30年度女性起業家等支援ネットワーク構築事業活動報告書より
今回のセミナーでは主にフェーズ1・2にいる起業家1人ひとりの悩みに支援機関が伴走し、ぶち当たっている壁を打破し、もう一歩前へ進んでいくためのサポートをしたいと考えています。
それぞれの業種や持っている強み・資源などによって、必要なサポートは変わってきます。起業家それぞれの現状や抱えている課題の整理、いつまでにどんな風になっていたいのかといった目標の設定、その目標達成に向けての行動計画策定などを起業家の皆さんと支援機関が一緒に考えながら進めていくセミナーです。
■フェーズ1・2の女性起業を支援するときの課題
思いはあるんだけど具体的なやり方がわからなくて不安…
自分なりにやってみたんだけど、どうもうまくいかなくて悩んでる…
そんなフェーズ1・2の段階にいる女性起業家の漠然とした内容の相談が理解できず、支援者が苦しむこともあります。
相談内容が漠然としていて、支援機関の方々が理解しづらいが故にこういった質問をしてしまうケースもあります。
「それってビジネスになるんですか?儲かるんですか?」
「事業計画書ありますか?売上目標は?」
こういった質問詰めによって、女性起業家が支援機関の方々に「理解してもらえない…否定された…」と感じてしまっている現状もあります。
女性起業家の皆さんに支援機関の方々にも伝わるように話せる能力を身につけてもらうことも欠かせません。今回のセミナーでは第2回の講座で、起業家の皆さんのビジネスをキャッチフレーズで説明できるようになるためのスキルをお伝えします。
それだけではなく、今回のセミナーでは支援機関の方々の「聞くスキルの向上」も目指しています。
安心して話せる関係性づくりや、いきなりアドバイスをするのではなくまずは不安や課題を整理して、視野を広げたり目標を一緒に設定したりして本人の決断を促していくことが重要です。
そういったことを学ぶために、セミナー開催前に支援機関の方々向けのヒアリング研修も開催しました。
相手の話をじっくり聞くためにはどんなことを意識すればいいか?
どんな質問をすれば相手の話を引き出すことができるのか?
日頃起業家のサポートをしている様々な支援機関が集まり、女性起業家の皆さんの悩みに寄り添うためにはどんなことができるのかを考え、学び合いました。
■講座概要
2019年5月17日(金)10:00-13:00
会場となったのはセミナールーム昭和。みんな大好きイオンモール甲府昭和のすぐ隣にある山梨中央銀行昭和支店の2階にあります。
女性起業家と支援機関が安心して話すことができる関係性づくり。
1回目の講座ではこの関係性づくりをゴールにワークを組み立てました。
■LEGO®️を使った自己紹介ワーク
いきなり「思いを話してください!」といってもなかなか話せないものです。そこでこの自己紹介ワークでは、レゴブロック®️を使いました。
このワークでやることはこの3つ。
1.お題を出す。
2.手を信じて作る。
3.作品について語る。
今回はまず「アヒルを作ってください」というお題で作品を作りました。
全員に同じ形・色の部品が同じ個数配られているのですが、できた作品は1つとして同じものがありません。
安定性のあるアヒル、ちょっと傾いているけどどんどん前に進んでいくアヒル、高さのあるアヒルなどなど、様々なアヒル作品ができました。
作品について語るときには「自分の作品の中で好きなところ・特徴的なところ」を発表し合いました。
その発表の中に、1人ひとりの価値観や今気になっていることが出てきます。
いきなり思いや価値観を話せといってもうまく話せない人が多いのですが、こうして形にすることで話しやすくなる効果もあります。
アヒルを作った後には「あなたにとって”起業”って何ですか?」というテーマでも作品を作りました。
バラバラなものが積み上がっていく。思いが土台にあって、その上にスキルや人脈が積み重なっていく。
1人ひとりの起業のイメージを知り合うことで、今後の支援がスムーズになる関係性づくりを目指しました。
■相互インタビュー
さらにお互いの思いや価値観を知り合うべく、女性起業家と支援機関の方々が2人1組でペアとなり相互インタビューを行いました。
ペアインタビューシートを使い、
1.今の仕事や趣味のこと。
2.あなたが今動き出したいこと、やりたいと思っていること。それをやろうと思った背景。
3.その活動を通して、どんなことに困っている⼈がハッピーになれるのか?
4.この講座の最終回を終えたとき、どんな⾃分でいたいのか?
を相互にインタビューしました。
いきなりアドバイスするのではなく、まずはじっくり相手の話を聞いて相手を理解すること。
女性起業家の思いだけじゃなく、支援機関の方々の価値観や大切にしていることも知ってもらうこと。
今後の伴走支援において、お互いのことをよりよく理解し合うことが欠かせません。
まずは理解して、相手に共感できたからこそ、協働していける。
今日はその第1歩目のきっかけができたのではないかと思います。
■現状理解
お互いのことをよく知り合った上で、最後のワークとして女性起業家が抱えている悩みや不安を聞き、整理する時間を作りました。
仕事の現状やこれからどんなことをやっていきたいと考えているのか?、それをやるためにはどんなことが壁になっているのか?などを、先ほどのペアインタビューの2人1組で話しました。
「問題点を言葉にしたことで何が問題と思っているのか、より明確になった気がする」
「漠然としたモヤモヤはまだ解決出来ず。でも課題を具体的にして1つ1つつぶしていけば良い」
「自分の事だけど、人に話すことが出来る場が少ない」
こんな感想がありました。
漠然とした思いやアイデアは、誰かに聞いてもらうことで整理されます。
ただ「思いはあるんだけど否定されるのが怖い…」と、いきなり支援機関の窓口へ行くのはハードルが高いのも現状。
このセミナーを通じて支援機関の人たちと出会い、セミナーが終わったとしても気軽に相談にいける人と繋がって欲しいと思っています。
そしていろんな人に聞いてもらいながら、自分の思いやアイデアを整理して欲しい、人に伝えられるようになって欲しいと思っています。
今回の講座の模様をNHKにも取り上げていただきました。
こちらからチェックしてみてください。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20190517/1040006446.html?fbclid=IwAR3NkyRE7sR2_ZfVLbnKVMLXUUGeE3fN2yA-NSrek1Ci52mJCkPXqCLT1iA
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次回は5月24日(月)
ビジネスモデルキャンバスを活用し、1人ひとりのビジネスが同業種のものとどこが違うのか?何が強みなのか?どんなキャッチフレーズで伝えられるのか?を考える講座です。
また次回の講座のレポートもお楽しみに!
山梨中央銀行 女性起業家応援プロジェクト「女性のための起業セミナー」
主催:株式会社山梨中央銀行
共催:山梨県信用保証協会 株式会社日本政策金融公庫
後援:山梨県 公益財団法人やまなし産業支援機構 山梨県よろず支援拠点
講師:NPO法人 bond place
Photo & Writing:芦沢郁哉(Twitter:@ashi_19)