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父、76歳の人生記-第21話:タコとライオンのいる中坊メモリー-

はじめに

 このnoteを書いているのは、主人公”ぼんちゃん”、の息子です。
 戦後間もない大阪出身で現在76歳の父が、自身が年老いていくことを理解しながら、自身の人生を振り返りパソコンにしたためてきた文章。
 それを私が読みやすく校正し、名前や地名は仮のものに変えながら、ほぼそのままで掲載していこうと思います。
 父が辿ってきたのは波乱万丈の人生なのか、平々凡々な人生なのか、私も楽しみです。皆様も楽しんでいただければと思います。
※”()”の中は私の補足です。

第21話:タコとライオンのいた中坊メモリー

 担任の先生やな。
一年の時は小松先生。あだ名がタコや。何でや言うたら怒った時に顔が真っ赤になるさかいにや。席が小松先生のまあ前(真ん前)やったから、げんこつの親指でようつつかれた。
 おれが私語ばっかりするからや。何回私語したやて?20回や。「4×5」 (^O^) これ解る人、扇子ビリビリteaあるわ。
 
 二年の時は渋井先生やった。
 この先生、体大きいのに意外と気ちっちゃいねん。あるとき塩見君が先生に怒られて平手打ちされた時、塩見君がすかさず「教育委員会に言うたら」っと言うたら先生ビビって「すまん すまん」やて。平身低頭で謝ってた。皆んな見てんのに。アーあーなんちゅうこっちゃ、先生地に落ちた。先生の口癖は 「しかして」 とか何やったんかな。

 三年は痩せギスの越智先生や。
 先生は背広ええのん着てんのにカッターシャツの袖が何時も黒ずんでた。『この先生嫁はん居てんのかな?』っとおもたりした。
 進路の時 「僕は知らんよ 僕は知らんよ」よう言われた。先生やのに、生徒困ってるんやったらちゃんと指導せんなあかんのに。責任放棄や。この先生なんや解ってんのかなっと思た。 
 先生はパンが好きやってんな。よう菓子パン食べてた。先生独身やねんな、”袖黒””パン食”やさかい。

 同窓会は卒業して二年目に奈良公園で一回しただけや。おれ袖ダブルのワイシャツに、三ちゃん兄ちゃんにもうた(貰った)袖のとこにつけるかっこええカフスボタンしていった。お洒落とおもとってんな。
 制服の袖からちょっとだけカフスボタン見えるように気いつこた。大人の雰囲気醸したかってんな。でも先生欠席や、あかんわ!
 この先生、授業中にカゼイン、フイブリンやクラッキング、イオン交換樹脂、パームチット…高校になって習う事を授業中言うとった。
 先生、2,3年後に宝泉高校に変わったやて。引き抜かれたんかな!?そやそや、「マーガリン作るのん簡単や」て。「鯨の脂に水素吹き込んだらでける」やて。

 英語のミッシーズ大野先生、「ソファマチス グッドモーニング えぶりボデイ」と教室に入って開口一番これや。目チックやったんかな?ショボパチしとった。

 国語、歴史の担当が島山先生いうて、自分で自己紹介のとき「私はライオンと言うあだ名です」いうて自己紹介してた。
 島山先生には一寸魅力的なとこがあってん。日常的な事やら社会的な事に 時々本音のこと言うねん。
 歴史、国語の点は割とよかってん。96点とったこともあるねん、一回だけちゃうで。日頃アホやったから先生(;゚Д゚)!(ビックリ)しとった。
 なんで通知んぼ(通信簿)5ちゃうか言うたら、定期試験良かったら期末試験は安心して勉強せいへんねん。 覚えるのんしんどいもん…。 記憶力の限界や。
 当時の俺の勉強の見解言うたらやで、勉強言うたら格好ええけど、暗記 記憶するだけのロボットや。性能ええ悪いの競争レースや。こんなんでアホかかしこ決まるやなんて、しょうもないシステム考えたんや。人間の心の奥深さをないがしろにしたやつや。人をおちょくっとる!そやけど俺等はそれに従うしか無かってんな。 
 空疎、空虚、疎外感、閉塞感、ほんま寂寥感みたいなん感じてた。お勉強では満たされないもんいっぱいあんねんけどな。マセとった。初期青春時代ちゅうか、、人生のほんまのこと見抜いとったんかな!?

 中学生時代の同級生、飯田の英ちゃん、平井くんの速球、野球の好きな赤座君、藤田くんが裕次郎刈りしてた。石原裕次郎のフアンやった。
 俺も裕次郎の映画よう見に行った。”嵐を呼ぶ男”、”風速40メートル”なんか格好良かった。歌謡曲は三橋美智也。低音の魅力フランク永井や。ヒット曲いっぱい出しよった。 

(第21話ここまで)

息子から

 中途半端なところではありますが、父、ぼんちゃんの中学時代の思い出はまだ続くので今回はここまで。
 …それにしても、私ですら中学時代の担任の先生の名前を全然思い出せないというのに、70歳を過ぎた父の記憶力たるや…。
 ”扇子ビリビリtea”の部分は息子である私でも解読不能でした。
”センスが良い”ということを言いたいダジャレなんでしょうけれども、、なんか、すいません。ぼんちゃん独特のお笑いセンスですので大目に見てあげてください。
 しかしながら勉強=暗記なのは息子の私も全くその通りであって、血は争えないなと思いながら。自分の中高生の思い出も振り返った今回でした。 それではまた読んでいただけると幸いです。


 


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