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観察日記② ようやくわかった「ツノ出せ、ヤリ出せ、アタマ出せ」の意味
目下、ドイツでカタツムリを飼育中のNちゃんですが、最近、孵化に成功しました。小さな殻を背負ったカタツムリたちが、1匹また1匹と活動を始めています。
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Nちゃんは1日3回の霧吹きを欠かしません。エサはダイコンやブロッコリーで、これ以外にタマゴの殻やイカのホネなども与えています。
「カタツムリは水分が多いキュウリやダイコンが好物なんだけど、これだけだと栄養価が低いので、ニンジンとかキャベツで補うようにしています」(Nちゃん)
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Nちゃんは日本のサイトや海外のサイトを調べながら、5匹のカタツムリを飼育中ですが、「欧米圏にはかなりガチで飼っている人が多いです。うちみたいに、たまたま拾ってきたからとかではなく、ニューファミリーとして、あるいはマイフレンドとして、相当に心血注いで育てているっていう感じです」といった話もしてくれます。
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Nちゃんはペットショップで乾燥コケを買ってきて、お湯で戻した「コケの絨毯」で快適な生活環境を作ってやりました。こうした環境づくりが奏功したのでしょう、この5匹のうち誰かが産卵したようです。真っ白なたまごが無数に産み付けられていました。
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Nちゃんによると「カタツムリは交尾のとき、頭のヨコから出るヤリ(恋矢、れんし、love dart)でグサグサと相手を指すらしい」。
カタツムリやミミズは前後に並んで雄性器と雌性器があり、雌雄同体の生き物だと言われています。カタツムリは、交尾のときにヤリのような鋭い刃物みたいなものを出してそれを相手に突き刺します。
この恋矢こそが「ツノ出せ、ヤリ出せ」のヤリだったわけですね。
Nちゃんは肉眼でその様子はまだ確認できていないようですが、「この傷で体がぐちゃぐちゃになって死んだりするらしい」とのこと。
そうまでして相手をヤリで突き刺すのは、突き刺したときに出る粘液が受精の成功率を高めてくれるからだそうです。
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また、「日本のカタツムリの恋矢は日本刀のように鋭く、相手を指す回数も多いようだけど、欧州のカタツムリは、太くて大きめで相手を指す回数は少ないと言われている」とのこと。
体つきも違います。日本の平たいカタツムリに比べ、ドイツのカタツムリは殻が厚くて、三角錐のように立体的です。
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↑この画像(「「恋の矢」は寿命を縮める:カタツムリの愛と暴力」より引用)からは、まさに日本刀のような鋭さが見て取れます。
ご関心のある方はぜひは木村先生、千葉先生のご研究をお読みください。