ギャラリーさながら。四季花鳥図のある中野区の銭湯
9月2日のNHKのニュースでこんなことが報じられていました。
「青森県中泊町の旧家が所蔵するふすま絵が、イギリスの大英博物館にある江戸時代初期の狩野派のふすま絵『秋冬花鳥図』と対になる可能性が極めて高い」――。
秋冬の花鳥図に、春夏が加われば「四季花鳥図」になり、1つの作品として完成すると言います。まさに歴史のロマンです。
四季折々の花や木、生き物たちを描いた作品は、室町時代から伝えられている狩野派の伝統的画題です。
奇しくも私は1年前の2023年9月に、東京・中野区の銭湯「昭和浴場」で「四季花鳥図」に出会いました。
そして店主の許可を頂き、銭湯の中の「四季花鳥図」を撮らせて頂きました。
銭湯といえば庶民の憩いの場。そんなところにタイル絵の「四季花鳥図」…。
「昭和浴場」はアートギャラリーさながらの空間です。
タイルに染付を施した「タイル絵」は、富士山などのペンキ絵とともに昭和の銭湯空間を彩りました。
とても美しい作品です。作者がどんな人だったか、知りたくなります。
全国に残る銭湯の中には「さるかに合戦」や「牛若丸」など、童話のタイル絵もあるようです。
「四季花鳥図」は女湯で見ることができます。男湯ではアルプスの湖畔のような風景画です。
ぜひ一度、この昭和レトロの湯に身を沈めながら、四季おりおりの花鳥図を愛でてください。
【番外編 昭和浴場の小さなお客さま】
なにごとにも寛容だった昭和のあの時代…、こんなところにもその片鱗が見て取れます。
【昭和浴場】
住所 〒164-0011 東京都中野区中央5-21-12
TEL 03-3382-2414
営業時間 15:30~深夜1:30 金曜日のみ深夜3:00
定休日は水曜日
公式ホームページ https://showa-bathhouse.com/
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