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タイムカプセル「巣鴨地蔵通り商店街」の行く年来る年
“生活感ある商店街”も都内では残り少なくなってきた。都内ではどこにでもチェーン店が進出し、「これが土地の人たちの暮らしです」という、“日本人の暮らし感”を残す町並みを探すのも骨が折れる時代になった。
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その中でまだまだ元気という商店街が「巣鴨地蔵通り商店街」。“おじいちゃん、おばあちゃんの原宿”と言われてきただけに、昭和レトロがタイムカプセルのごとく温存されている。
年末30日の巣鴨地蔵通り商店街は、名物の「ときわ食堂」がお休みだったのは残念だったが、塩大福で有名な「伊勢屋」と「みずの」にはふだんの3倍の行列ができていた。
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隣りの喫茶店「スカイ」からはプレスリーが鳴り響き、「煙草OK」の四文字もまた「昭和だなあ~」と感じ入りながら、私はのし餅(一升餅2600円、吉祥寺価格は3300円!)と鏡餅(2寸610)を買うために30分ほど並んだ。
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年末のかき入れ時とあって、「伊勢屋」では“地元のお母さんたち”が生き生きと働いていた。立ち仕事も厭わず嬉々として働いている姿に、高齢者の雇用を守り続ける老舗経営者の使命感が滲み出ていた。そして、この味を購入するために寒空にひたすら立ち続ける“塩大福ファン”を頼もしく思った。
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「巣鴨地蔵通り商店街」の見どころは、他の商店街では廃業を迫られている乾物屋さんやひしゃくやネズミ捕りなどを打っている金物屋さん、昔ながらのおもちゃ屋さんや高齢者愛用のあったかグッズを扱う洋品店などが今なお頑張っているというところにある。
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実は今回、“外国からのお客さん”を案内して回っているのだが、彼はたどたどしい日本語で「ワタシハ、ボロボロノ店ニイキタイ」と言っていた。「ボロボロ=時の洗礼=価値」だと感じているところがあり、またそういう“長年の店と人との関係”が育んできた生活感を日本に求めていることがわかる。
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しかし、こういう“タイムカプセル的商店街”にもついに2022年初にドラッグストアが進出してきた。京都の錦市場では、すでに昔ながらの「食の台所」という定義が崩れそうになっているが、この先、巣鴨でも同じ現象が起きるのではないか。
近年、“高齢者の原宿”に若者も増えてきたのは、商店街の維持存続には好ましいが、「もともとある土地の味」が失われるのかが心配。それにはまず、不動産屋さんに「目先の商売ではなく、『長期目線で見た商店街の価値』というものを見極めていただき、むやみやたらなテナント誘致を控えてほしい」とお願いするのが有効ではないかと思っている。