「2人目は?」
マスクがあって良かった。相当複雑な顔をしていただろう。
昨日、息子とスーパーに行くと「可愛いねぇ」と愛想良く近づいてきたおばあさん。可愛いと言われたらこちらも悪い気はしない。少しくらいなら立ち話もいいか。
するとそのおばあさん、勢いよく「もう1人いるんでしょ?」と聞いてきた。何で?私が妊娠しているようにでも見えた?まぁとにかく失礼だ。
「いえ、いないです」と答える。「なんでぇ?頑張りなよ~。私も2人いたよぉ。」とおばあさんは言う。だから何なんだ。
あははは...と愛想笑いの私に向かって、最後に「お父さんにも頑張んなって言っときな」と言い、去っていった。
こんな質問、今どきタブー視されていて、親や友人だってしてこないのに。
昔に比べ、今は女の人も生きやすくなったんだと思う。結婚するしないの自由、子供を産む産まないの自由...。
それでもまだまだ生きづらく、しかも同性間でこんなやり取りが存在する。女性が女性の気持ちを理解できるようにならないと、女性にとって本当の自由はこないだろう。
なんと言っていたら良かったのか。「離婚しているんで(本当はしてはいない)」と言えばたまげてどこかへ行ってくれたか。
やっと結婚して、でも思うように子供ができなくて。できたらできたで長いつわり・陣痛に苦しんだ。二人目が欲しいと思っても今度は夫と関係が悪くなりなかなか授かれない。色々な理由がある。
そう。私は2人目が欲しい。というより、私も夫もその両親もみんな兄弟・姉妹がいて、子供は2人以上が当たり前になっていた。
だからといって、私も弟と仲がとてもいいというわけでもなく、夫もそうでもない。両親に至っては兄弟と絶縁状態。
そういうのを見ているのに「2人は絶対!」と洗脳されている。少し恐い気もする。
たとえば、将来親の介護が必要になったとき、弟や妹がいれば心強いかもしれない。でもそれは兄弟じゃないといけないことだろうか。親の介護のために生まれた子供はどういう気持ちだろう。
子供の頃は仲が良くても、両親たちのように歳をとったら仲が悪くなっているかもしれない。その娘や息子に当たる私や弟も、叔父・叔母との付き合いはない。両親以外に頼れる人は居て居ないようなもの。すごく複雑な問題だと思う。
そもそも私は今、一人息子の世話で精一杯。毎日息子を生かすのに必死だ。こんな状況で2人目なんて育てたら体がもたない。
「2人目は?」と言ってくる人はデリカシーがなくひどい人と思っていたけれど、「子供が多い方が幸せだ」と、その考えに縛られていたのは結局自分だった。
自分の幸せは自分で決めていい時代。みんなが自分の幸せを大事にできるよう、他人を思いやれる人が増えますように。