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2024/2/3 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、連邦公開市場委員会(FOMC)(1/31)、ISM製造業景況感指数(2/1)、米国 雇用統計(2/2)、について簡単にまとめてみました。



① 連邦公開市場委員会(FOMC)1/31

⭕ 米連邦公開市場委員会(FOMC)は1/31に開催した会合で、4会合連続で主要政策金利の据え置きを決定しました。FFレート5.25-5.50%

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が31日に発表した声明文 

 最近の複数の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大していることを示唆している。雇用の伸びは昨年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレはこの1年で緩和したが、依然として高い水準にある。

  委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、より良いバランスへと移行しつつあると委員会は判断している。経済見通しは不確かで、委員会は引き続きインフレリスクに細心の注意を払っている。

  委員会はその目標実現を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを5.25-5.5%に据え置くことを決めた。FF金利誘導目標レンジに対するいかなる調整も、委員会はそれを検討する上で、今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める。委員会はインフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとはみていない。

出典元 Bloomberg 2024/2/1

⭕ 次回3/19のFOMCでは「バランスシート圧縮のペース減速議論」を開始する計画を明らかにした。
 利上げと共にインフレ対策でQT(量的引締め、FRBのバランスシートの縮小)をしてきましたが、そのペースを減速する議論が次回のFOMCの課題となるようです。

 パウエル議長は1月31日のFOMC会合後の記者会見で、「プロセスが続くにつれて、ランオフのペースを巡る疑問が重要な焦点となり始める時期に差し掛かっている」とした上で、「3月の次回会合でバランスシートの問題に関する詳細な議論を開始する計画だ」と話した。
  金融システムにおける準備預金の不足を招くことなく、量的引き締め(QT)と呼ばれるバランスシート圧縮をどの程度続けられるかを巡っては、当局の判断ミスがないかどうか、活発な議論が繰り広げられている。

出典元 Bloomberg 2024/2/1
FRB パウエル議長



② 1月 ISM製造業景況感指数 2/1

✅ 結果 49.1 前回 47.4 先月比 +1.7

⭕ 総合は49.1と予想(47.4)を大きく上回る結果に製造業が上向き、安定してきたことが伺える。

 新規受注が+5.5ポイントの52.5と強く伸び、拡大領域に入り今後の景況感の上向きを示している。

 仕入価格が+7.7ポイントの52.9と原材料コストの上昇が反映されている。航海物流不安、中東情勢の影響による短期的なコストプッシュインフレ懸念が再燃している。

回答者の声

●「2024年のスタートは良さそうだ。売上高は予想を上回り、コストはほぼ安定しています。供給不足により、いくつかの商品がコストが上昇しています。これまでショートしていたコモディティ市場のポジションの多くは、自らを是正しています。短期的には、国際輸送のコストが上昇しているのです」[化成品]

●「今年は良いスタートを切った。2023年比で3.5%増の予算を組んでいました。今年は厳しい年になると予想しています。現在、自動車OEMおよび自動車アフターマーケット事業の受注は好調です。現在、産業部門は低迷しています。第1四半期までの予算見通しは達成できる見込みです。12月末に多くのOEMが在庫レベルを下げるために過去数週間の注文をキャンセルしたため、1月は自動車業界にとって高水準にあると感じています。」[金属加工品]

●「需要は引き続き低迷しています。2023年下半期からの削減は今年に入っても続いています。需要に合わせて生産を調整しています」[電気機器、電化製品、コンポーネント]

出典元 ISMレポート 2024/2/1



③ 1月 雇用統計 2/2

✅ 非農業部門雇用者数 +353,000人(予想+185,000人)
✅ 失業率 3.7%(予想3.8%)
✅ 平均時給増減 +4.5%(予想+4.1%)前年同月比

⭕ 雇用者数が市場外に大きく上回り、労働市場は相変わらず力強く、堅調さが続いている

 平均時給は前年同月比、先月比でともに市場予想を大きく上回り、高い水準を維持している。

★ 市場で強まる楽観的な早期利下げ期待を押し返す結果となり、3月会合での利下げ観測は大きく後退した。



④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 政策金利予想  2/3


✅ 2024/3/20、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが62.0%」

★ 2024/3/20の会合で、「38.0%の市場参加者は利下げを観測」
(1/27の観測では46.2%)

★ 2024/5/1の会合で、「83.8%の市場参加者は利下げを観測」
(1/27の観測では88.9%)

出典元 CME FedWatch Tool

⑥ まとめ

⭕ 今回のFOMCでの声明により、金融引締め(利上げ)方針は完全に消え、金利調整や、バランスシート調整、利下げ時期の議論へと移った。

⭕ 力強い雇用と需要を支えに、製造業の現場での景況感は回復しています。3月会合での利下げ期待は薄れたが、リセッション(景気後退)は回避され、今回の雇用統計の結果は中長期的にはグッドニュースとなりそうだ。

 しかし、平均時給増減で前年同月比で+4.5%、先月比で+0.6%と歯止めがかかる様子が無く、根本となるインフレ懸念はまだ残っいてると言える。

⭕ また、雇用統計の結果を受け、早期利下げ観測後退により米国債は利回り上昇、10年債利回りは再び4%台に。ドル円も再び148円台へ。

 イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦を巡る協議を背景に、原油は今週78ドル台から72ドル台へ急落。



🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)2/3現在

★ 米国10年債利回り 4.024%(1/27 4.139%)⤵
★ 日本10年債利回り 0.655%(1/27 0.705%)⤵
★ 1ドル=148.358(1/27 148.144円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=72.41ドル(1/27 78.23ドル)⤵


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 2/3現在

★ 
NYDOW 38,654 +1.43%(先週比)+3.24%(先月比)
★ S&P500 4,958 +1.38%(先週比)+5.76%(先月比)
★ NASDAQ 15,628 +1.12%(先週比)+7.71%(先月比)
★ 日経平均 36,158 +1.14%(先週比)+8.62%(先月比)

🔅 来週の米国経済指標

2/6 1月 ISM非製造業景況感指数


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