2024/2/3 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週は、連邦公開市場委員会(FOMC)(1/31)、ISM製造業景況感指数(2/1)、米国 雇用統計(2/2)、について簡単にまとめてみました。
① 連邦公開市場委員会(FOMC)1/31
⭕ 米連邦公開市場委員会(FOMC)は1/31に開催した会合で、4会合連続で主要政策金利の据え置きを決定しました。FFレート5.25-5.50%
⭕ 次回3/19のFOMCでは「バランスシート圧縮のペース減速議論」を開始する計画を明らかにした。
利上げと共にインフレ対策でQT(量的引締め、FRBのバランスシートの縮小)をしてきましたが、そのペースを減速する議論が次回のFOMCの課題となるようです。
② 1月 ISM製造業景況感指数 2/1
✅ 結果 49.1 前回 47.4 先月比 +1.7
⭕ 総合は49.1と予想(47.4)を大きく上回る結果に製造業が上向き、安定してきたことが伺える。
新規受注が+5.5ポイントの52.5と強く伸び、拡大領域に入り今後の景況感の上向きを示している。
仕入価格が+7.7ポイントの52.9と原材料コストの上昇が反映されている。航海物流不安、中東情勢の影響による短期的なコストプッシュインフレ懸念が再燃している。
③ 1月 雇用統計 2/2
✅ 非農業部門雇用者数 +353,000人(予想+185,000人)
✅ 失業率 3.7%(予想3.8%)
✅ 平均時給増減 +4.5%(予想+4.1%)前年同月比
⭕ 雇用者数が市場外に大きく上回り、労働市場は相変わらず力強く、堅調さが続いている。
平均時給は前年同月比、先月比でともに市場予想を大きく上回り、高い水準を維持している。
★ 市場で強まる楽観的な早期利下げ期待を押し返す結果となり、3月会合での利下げ観測は大きく後退した。
④ 重要経済指標のおさらい
⑤ 政策金利予想 2/3
✅ 2024/3/20、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが62.0%」
★ 2024/3/20の会合で、「38.0%の市場参加者は利下げを観測」
(1/27の観測では46.2%)
★ 2024/5/1の会合で、「83.8%の市場参加者は利下げを観測」
(1/27の観測では88.9%)
⑥ まとめ
⭕ 今回のFOMCでの声明により、金融引締め(利上げ)方針は完全に消え、金利調整や、バランスシート調整、利下げ時期の議論へと移った。
⭕ 力強い雇用と需要を支えに、製造業の現場での景況感は回復しています。3月会合での利下げ期待は薄れたが、リセッション(景気後退)は回避され、今回の雇用統計の結果は中長期的にはグッドニュースとなりそうだ。
しかし、平均時給増減で前年同月比で+4.5%、先月比で+0.6%と歯止めがかかる様子が無く、根本となるインフレ懸念はまだ残っいてると言える。
⭕ また、雇用統計の結果を受け、早期利下げ観測後退により米国債は利回り上昇、10年債利回りは再び4%台に。ドル円も再び148円台へ。
イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦を巡る協議を背景に、原油は今週78ドル台から72ドル台へ急落。
🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)2/3現在
★ 米国10年債利回り 4.024%(1/27 4.139%)⤵
★ 日本10年債利回り 0.655%(1/27 0.705%)⤵
★ 1ドル=148.358(1/27 148.144円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=72.41ドル(1/27 78.23ドル)⤵
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 2/3現在
★ NYDOW 38,654 +1.43%(先週比)+3.24%(先月比)
★ S&P500 4,958 +1.38%(先週比)+5.76%(先月比)
★ NASDAQ 15,628 +1.12%(先週比)+7.71%(先月比)
★ 日経平均 36,158 +1.14%(先週比)+8.62%(先月比)
🔅 来週の米国経済指標
2/6 1月 ISM非製造業景況感指数