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2024/9/21 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週は、小売売上高(9/17)、FOMC 連邦公開市場委員会(9/18)、日銀 政策金利決定会合(9/20)について簡単にまとめてみました。
① まとめ
🟡 0.5ポイントの利下げ
「景気後退と労働市場の軟化を先回りして防ぎたい」という意志の元大幅利下げが実施されました。2022年3月「大きな犠牲を払う覚悟」を宣言し、インフレ退治の為利上げ開始、2023年3月の「シリコンバレー銀行破綻」を皮切りにした金融危機を乗り越え、景気軟着陸の可能性を高めてきました。
今回、印象の悪かった0.5ポイント利下げを市場との対話でうまくやり遂げた感がとても高いと思います。
また、小売売上高にみる消費の底堅さ、新規失業保険申請件数が予想を下回った事など、タイミングの良い経済指標にも恵まれました。
🟡 日銀政策金利現状維持
予想通りの現状維持。先会合利上げ後の日経大暴落により、言動もさすがに慎重になっているように思えます。
「年初来の円安に伴う物価の上振れリスクは相応に減少しているおり、政策判断にあたり(海外経済の状況などを)確認していく時間的余裕はあると考える」と話した。
🟡 イスラエル、ヒズボラへの秘密攻撃?
ヒズボラが使っていたポケベル型の通信機器が爆発、翌日にはトランシーバーなどの電子機器が爆発。特別な信号によって爆発をしたとされており、事前にこれらの機器に爆発物が仕掛けられていたのでしょうか?
誰の仕業か、何処で仕込まれたのかは調査中との事ですが、やはり不確かなサプライチェーンは危険ですね。
【ベイルート】17日午後3時25分、イランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバー2人が、レバノンの首都ベイルートのショッピングモールで昼食を取っていた。このうち1人が持っていたポケットベル型の通信機器が爆発し、彼は重傷を負い、腕や目から出血した。
午後3時34分、別の爆発がヒズボラの事務所を破壊した。目撃者の話では、内部連絡に使われていたポケベル型機器が一連の数字から成るテキストメッセージを受信し、その後5秒間音が鳴った後に爆発した。男性1人が椅子から投げ出され、机が壊れたという。
レバノン当局によれば、ベイルートおよびレバノン各地にいるヒズボラ関係者に支給された何百台ものポケベル型機器が相次いで爆発し、12人が死亡、2800人余りが負傷した。救急救命室は爆発の被害者であふれ返った。ヒズボラの指導者はイスラエルの犯行だと非難し、報復を誓った。
② 8月 米国 小売売上高 9/17
⭕ 雇用は鈍化の兆しを見せているもの、家計需要が底堅い
結果+0.1%(予想▲0.2% 先月+1.0%)
🟡 アメリカの商務省が17日に発表した先月の小売業の売上高は、前の月から0.1%増加し、7107億7300万ドル、日本円でおよそ100兆円でした。
前の月を上回るのは2か月連続で、0.2%程度の減少を見込んでいた市場予想も上回りました。
項目別に見ると、「雑貨店」が1.7%、「インターネット通販」が1.4%、それぞれ増加した一方、「ガソリンスタンド」が1.2%、「デパート」が1.1%それぞれ減少しました。
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③ 連邦公開市場委員会(FOMC)9/18
⭕ ポイントを超簡単にまとめ
1.0.5ポイントの利下げ(4.75-5.00%)
🟡 インフレ率が低下傾向にあるため、これまでに実施した利上げによって米経済がリセッション(景気後退)入りするのを防ぎたい、というパウエル氏の意向を強調。WSJ 2024/9/18
2.雇用に関するリスクへのバランス
🟡 労働市場を支えるべきタイミングは、労働市場が強い時であり、レイオフが始まってからではない。WSJ 2024/9/18
最近の指標をみると、経済活動は堅調な拡大を続けています。雇用の伸びは鈍化し、失業率は上昇しましたが、依然として低いままです。インフレ率は、同委員会の目標である2%に向けてさらに進んでいますが、依然としてやや高止まりしています。
委員会は、長期的には2%の雇用とインフレ率の最大化を目指している。同委員会は、インフレ率が2%に向けて持続的に動いているという確信を深めており、雇用目標とインフレ目標の達成に対するリスクはほぼバランスが取れていると判断しています。経済の見通しは不透明であり、委員会は、その二重の任務の両側に対するリスクに注意を払っています。
インフレの進捗やリスクバランスを踏まえ、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを0.5ポイント引き下げ、4.75-5.00%とすることを決定しました。フェデラルファンド金利の誘導目標レンジの追加調整を検討するにあたり、委員会は、今後のデータ、進化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価します。同委員会は、米国債、エージェンシー債、エージェンシー・モーゲージ担保証券の保有量を引き続き削減します。委員会は、雇用の最大化を支援し、インフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしています。
金融政策の適切なスタンスを評価するにあたり、委員会は、入ってくる情報が経済の見通しに与える影響を引き続き監視します。委員会は、委員会の目標の達成を阻害する可能性のあるリスクが生じた場合、金融政策のスタンスを適切に調整する用意があります。委員会の評価では、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融および国際的な動向に関する測定値を含む幅広い情報が考慮されます。
④ 日銀政策金利決定会合 9/20
⭕ ポイントを超簡単にまとめ
1.政策金利は据え置き(0.25%)(全員一致)
🟡 短期は緩和的金利を維持。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.25%程度で推移するよ う促す。
2.政策判断にあたり(海外経済の状況などを)確認していく時間的余裕はある
🟡「展望レポー ト」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。利上げ時期を示唆しない中立的な意見。
植田総裁は、消費者物価の基調的な上昇率は徐々に高まっていくと予想されるとした上で「年初来の円安に伴う物価の上振れリスクは相応に減少しているおり、政策判断にあたり(海外経済の状況などを)確認していく時間的余裕はあると考える」と話した。
➡ 9日20日発表の日本消費者物価指数は除く生鮮食品で2.8%。
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④ 重要経済指標のおさらい
🟡 FRB0.5ポイント利下げ、日銀現状維持
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⑤ 政策金利予想 9/21
🟡 利下げ観測 2024年
★ FRBメンバー 「4.25-4.50」(残り2回)52.63%
★ CME FedWatch 「4.00-4.25」(残り3回)98.31%
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🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)9/21現在
★ 米国10年債利回り 3.741%(9/14 3.657%)
★ 日本10年債利回り 0.835%(9/14 0.836%)
★ 1ドル=143.910円(9/14 140.904円)
★ 原油(WTI)1バレル=71.25ドル(9/14 69.24ドル)
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 9/21現在
★ NYDOW 42,063 +1.62%(先週比)+3.32%(先月比)
★ S&P500 5,+702 +1.36%(先週比)+2.37%(先月比)
★ NASDAQ 17,948 +1.49%(先週比)+1.87%(先月比)
★ 日経平均 37,739 +3.16%(先週比)▲1.23%(先月比)
🔅 来週の経済指標
9/26 実質GDP成長率 確報値
9/27 PCE 個人消費支出
9/27 ミシガン大学消費者信頼感指数