2023/5/27 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週の米国経済指標、米国総合PMI、GDP成長率1-3月期改定値、個人消費支出PCE、について簡単にまとめてみました。
① 米国総合PMI 5/23
✅ 結果 54.5 前回 53.4 先月比+1.1
利上げバイアス ⤴⤴
⭕ 今回も予想外に米国企業は活発。特にサービス部門では堅調な需要が増加。製造業も50を超え、景気先行きは明るく好転しています。一年ぶりの高水準となり、インフレ圧力が再燃する恐れが示された。
⭕ 米国PMIは、ISM景況感指数に比べ、多くの中小企業を調査対象としている為、米国の全体の景況感を反映しやすい特徴があるとされています。
② 米国GDP成長率 1-3月期改定値 5/25
✅ 結果 1.3% 前回 2.6% (前期比)
利上げバイアス ⤴
⭕ 速報の1.1%より上方修正されました。インフレ高止まりと金融引締めによって景気後退が進んでいますが、1-3月の数値は現在進行形ではない為、PMI景況感指数と重ね合わせれば「金融引締めの効果が大きく出ていた時期の数字」といえます。
⭕ しかしながら、これ程の金融引締めをしても米国経済はプラス成長を続けており、今回のPMI景況感指数を見る限り、4-6期もプラス成長が見込まれます。結果、賃金インフレの加速が予測され、物価インフレ上昇に大きな影響を及ぼす事を予見させる数値となりました。
③ 4月 個人消費支出 PCE 5/26
✅ PCEデフレーター
結果 +4.4% 先月 +4.2%
✅ コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
結果 +4.7% 先月 +4.6%
⭕ 個人消費支出がリバウンド上昇! 利上げバイアス ⤴⤴
この発表を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6/14の会合での現状維持多数から、追加利上げ観測多数に転換。
インフレは1年前のピーク以来、徐々に鈍化しているが、個人消費支出は底堅く、インフレ圧力は未だ強い傾向にあるります。急激な利上げから発生した金融システムの不安は現在もくすぶっている事を考えると、安易な利上げは経済の混乱を招く為、FRBの判断は大変難しい状況であると思えます。
④ 重要経済指標のおさらい
🟡 米供給管理協会(ISM)製造業PMI 5/1
結果 47.1 前回 46.3 先月比+0.8
★ 6か月連続で50を切り製造業の低迷 利上げバイアス ➡ (横ばい)
🟡 米国雇用統計 5/5
● 非農業部門雇用者数 +253,000人(予想+185,000人)
● 失業率 3.4%(予想3.6%)
● 平均時給増減 +4.4%(予想+4.2%)前年同月比
★ 失業率は再び数十年ぶりの低水準、約平均時給は4500円
利上げバイアス ⤴
🟡 4月 消費者物価指数 CPI 5/10
インフレ率(前年比)
総合 結果+4.9% 予想+5.0% (先月+5.0%)
コア 結果+5.5% 予想+5.5% (先月+5.6%)
★ 明確なインフレ鈍化が進み前年比5%を切る 利上げバイアス ⤵
🟡 4月 生産者物価指数 PPI 5/11
生産者物価指数 (前年比)
総合 結果+2.3% 予想+2.4% (先月+2.7%)
コア 結果+3.2% 予想+3.3% (先月+3.4%)
★ 景気後退を織り込み 利上げバイアス ⤵
🟡 4月 小売売上高(前月比)5/16
総合 結果+0.4% 予想+0.8%
★ 消費は安定していることが浮き彫り 利上げバイアス ⤴
⑤ 利上げマップ 5/27
✅ 次回、6/14のFOMCは現状維持多数から、追加利上げ観測多数に転換。
(5/20 17.4% → 5/27 64.2%)
⑥ まとめ
⭕ 6/14開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)、FFレート+0.25利上げが64.2%と先週とは状況が大きく変化。(先週は現状維持83.5%)
⭕ PMIや個人消費支出の数値発表により、米国インフレが再燃傾向にある事が予見され、FRBの次回FOMCによる利上げ観測が強まった。
⭕ 米債務上限問題もある中、それを物ともせずドル買いが進行。日銀の植田総裁の金融緩和継続発言もあり、さらに円売りドル買いが先行し、ドル円相場は140円を突破。
⭕ 5/25、GPU大手のエヌビディアが四半期決算を発表、減収となりましたが、増益の結果に。EPSを含めコンセンサスを上回り、好決算となり、一日で24%上昇。NASDAQ全体も押し上げへ。
エヌビディア決算情報 楽天証券トウシル
今週の米国株主要3指数(前週比)
NYDOW 33,093 -1.00%
NASDAQ 12,975 +2.51%
S&P500 4,205 +0.32%
来週の米国経済指標
6/1 5月 ISM製造業景況感指数
6/2 5月 雇用統計
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