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24/12/21 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、小売売上高(12/17)、FOMC 米連邦公開市場委員会(12/18)、PCE 個人消費支出(12/20)について簡単にまとめてみました。


① まとめ

🟡 FOMC 連邦公開市場委員会

 今会合で0.25%の利下げをしたが、2025年の利下げ見通しについて慎重な見方を示した事で当日の米国株式市場は急落。投資家の期待が打ち砕かれ、機関投資家は今後の方針転換を迫られ、調整売りとなった。
 最終日、株価はやや戻したが結果今週は主要3指数とも2%近くの下落となった。

出典元 CME FedWatch


🟡 経済指標 小売売上高 PCE

⭕ 今週の指標も総じて経済は堅調を示している。PCE個人消費支出が予想を下回りインフレ懸念がやや和らいだ。

「小売売上高」+0.7%と予想(+0.6%)を上回る。ネット通販が好調。
「実質GDP成長率 確報値」+3.1%と改定値(+2.8%)を上回る。
「PCE 個人消費支出」2.4%と予想(2.5%)を下回った。指数先月比も0.1%と予想(0.2%)下回り、インフレがやや抑制。
「ミシガン大学消費者信頼感指数 確報値」74.0と予想(74.0)と一致。高水準を維持している。


🟡 日本は?

⭕ 日銀政策金利決定会合、0.25%に据え置き(賛成8反対 1)

 植田和男総裁は19日の金融政策決定会合後の記者会見で「利上げ判断に至るには、もう1ノッチ(段階)ほしい」と述べた。2025年の春季労使交渉(春闘)に向けた賃上げ動向や物価の動きを見極めた上で、追加利上げを決める意向だ。

出典元 日本経済新聞 2024/12/19

⭕ 12/20発表の日本消費者物価指数では2.9%(先月2.3%)と大幅上昇。電気代(9.9%)の高騰が大きく寄与。除くエネ生鮮食では2.4%(先月2.3%)とやや上昇。宿泊費(8.0%)などサービス価格上昇が大きく寄与。

② 11月 小売売上高 12/17

⭕ 11月の米小売売上高は市場予想を上回る伸びとなった。ネット通販が+1.8%増

結果+0.7%(予想+0.6%)

🟡 11月の米小売売上高は堅調な伸びを示した。特に自動車とオンラインショッピングの増加が目立ったが、他の分野は強弱まちまちだった。
 感謝祭翌日の「ブラックフライデー」と感謝祭明けの「サイバーマンデー」の販売促進策により、アマゾン・ドット・コムやティックトック・ショップなどのプラットフォームで販売が急増し、電子商取引は1.8%増加。建設資材店は0.4%増加した。小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店は3月以来初めて減少した。食料品店の売り上げも減少した。

出典元 Bloomberg 2024/12/17
出典元 TRADING ECONOMICS

③ 連邦公開市場委員会(FOMC)12/18

⭕ ポイントを超簡単にまとめ

1.0.25ポイントの利下げ(4.25-4.50%)

🟡 フェデラルファンド金利の誘導目標は4.25~4.50%に。FOMCで投票権を持つ12人のうち11人が追加利下げに賛成票を投じた。

2.2025年の利下げ見通し意見変更

🟡 今会合でFRBの大半の当局者は2025年の利下げ回数を「4回➡2回」に意見変更をした。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は18日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を追加で0.25ポイント引き下げると決定した。だが今後の利下げ幅とペースについては、一段と不透明感が漂っていることを示唆した。

 フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25~4.5%と、2年ぶりの低水準に引き下げた。FOMCで投票権を持つ12人のうち、11人が追加利下げに賛成票を投じた。

 利下げは3会合連続。労働市場に減速の兆しが出る中、FRBは9月に0.5ポイントの利下げに踏み切った。11月には0.25ポイントの追加利下げを実施した。

 この日公表された新たな金利見通しによると、2025年は利下げ回数が減少するとFRB当局者は予想している。経済が着実に成長し、インフレが下がり続けた場合、大半の当局者は25年に2回の利下げを織り込んでいる。9月時点の見通しでは、約4回の利下げが想定されていた。

 FRBは政策声明で、追加利下げの「規模とタイミング」は経済見通し次第だとして、一段と緩やかな利下げペースを示唆した。

 ジェローム・パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「きょうはさらに際どい判断だったが、われわれは正しい判断だと考えた」と述べた。今年に入り政策金利を合計1ポイント引き下げたことで、FRBは「今後の政策金利の調整について、一段と慎重に検討できる」と語った。

 FOMCに参加するFRB当局者19人による最新の政策金利見通しは、現在の金利水準では数年前に想定していたほど景気を減速させることができないという、一部の根強い懸念を反映しているようだ。

出典元 WSJ Nick Timiraos 2024/12/19

④ PCE個人消費支出 12/20

⭕ 総合では2.4%と予想(2.5%)を下回った。指数先月比も0.1%と予想(0.2%)下回り、インフレがやや抑制。

 米商務省が20日発表した11月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.4%上昇し、伸びは前月の2.3%から加速した。米経済の3分の2以上を占める個人消費が増加し、米経済の底堅さが改めて浮き彫りとなった。市場予想は2.5%上昇だった。

同時に、物価の「瞬間風速」を示すPCEの前月比は0.1%上昇と、伸びは10月の0.2%から鈍化。さらに、変動の大きい食品とエネルギーを除く基調インフレも前月比で6カ月ぶりの小幅な伸びとなった。

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「所得増と資産価値上昇による資産効果が消費者に支出余力を与え、力強い消費需要を背景に経済は拡大を続けている」と指摘。「インフレは予想よりも穏やかだったが、一部の項目の『粘り強さ』は、米連邦準備理事会(FRB)が来年の大幅な利下げをためらっていることを裏付けている」と述べた。

出典元 Reuters 2024/12/21

🟡 PCE個人消費支出
●(前年同月比)結果 +2.4% (予想 +2.5% 先月 +2.3%)
●(指数先月比)結果 +0.1% (予想+0.2% 先月 +0.2%)

🟡 コアPCE個人消費支出(食品とエネ除く)
●(前年同月比)結果 +2.8% (予想 +2.9% 先月 +2.8%)
●(指数先月比)結果 +0.1% (予想 +0.2% 先月 +0.2%)


⑤ 政策金利予想  12/21

🟡 2025年 FFレート予測「3.75-4.00」
★ FRBメンバー 78.94%
★ CME FedWatch 46.90%

⭕ 市場参加者も2025年の利下げ観測が大幅に後退。12/14時点では利下げ2回が64.3%。

⑥ 今週のマーケット 経済指標

🟡 米株式主要3指数とも2%近く下落。米国債券利回り上昇、円安ドル高に振れる。

🔅 来週の米国経済指標、イベントなど
12/25 クリスマス

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