2024/3/23 今週の米国日本経済まとめ
⭕ 今週は、連邦公開市場委員会 (FOMC)(3/20)、日銀政策金利決定会合(3/19)について簡単にまとめてみました。
① 連邦公開市場委員会(FOMC)3/20
⭕ 「何事も無く通過」しましたが、細かいポイントを簡単に説明
1.予想通り主要政策金利は据え置き(5.25-5.50%)
5会合連続の据え置き、政策金利はピークであると明言。
🟡 公式の場で利上げをストップする事を明言したのは初めて
2.初回の利下げは年内のある時点になる可能性が高いと明言
6月12日の会合が最有力。2024年の3回利下げ予想は変わらず。2025年の4回予測から、3回予測に減少。
🟡 インフレを再燃させないように緩やかな金融緩和を目指す
3.BSの毎月最大950億ドル(約14兆円)縮小は継続
パウエル議長は、記者会見でFRBのバランスシート縮小ペースを早期に減速させるのが適切と述べた。
🟡 量的引締めのペースを落とす ➡ 引締めのブレーキを緩める
4.2024年のGDP成長率と基調的インフレ率の中央値を引き上げ
基調的インフレ率 2.6%(従来予想2.4%)
GDP成長率 2.1%(従来予想1.4%)
🟡 米国の底堅い労働市場により経済成長予測を上方修正
② 日銀政策金利決定会合 3/19
⭕ 変更点ポイント
1.マイナス金利解除
2.イールドカーブ・コントロールの撤廃
3.ETF、J-REITなど新規買い入れ終了
🟡 簡単に説明
1.日銀当座分の一部に課せられていた、マイナス金利(▲0.1%)が解除され、超過準備金すべて(預金準備金以外)に+0.1%付利が適用。銀行にとっては大きな収益。0~0.1%が金利の基準となる。メガバンクは普通預金金利を0.02%に引き上げ(従来0.001%)
2.長期金利(10年国債)1%の上限を撤廃。理論上は円高に振れ、借入コストは上昇する傾向になる。
3.量的緩和を減速、現在の金融市場には不必要な政策と位置づけされた。
③ 重要経済指標のおさらい
④ 政策金利予想 3/23
✅ 2024/5/1、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが87.7%」【5.25-5.50】
✅ 利下げ観測
★ 2024/6/12 「75.60%」
★ 2024/7/31 「87.20%」
⑤ まとめ
⭕ 今回のFOMC前に直近の経済指標の力強さから、年内の利下げ回数が「2回」に減少する観測が強まっていたが「3回」が維持され、これを受け米国株式市場は強気を取り戻した。
今年は大統領選挙の年であり、バイデン大統領にとって再選に最も必要なのは「米国の堅調な経済成長」であり、民主党からFRBへの利下げ圧力があったとか、ないとか。
⭕ 日銀のマイナス金利解除により、消費者や中小企業、景気後退への影響は後々出てくると思います。また、今年7月か10月に追加利上げをする観測も既に出ています。
理論上、金融引締めにも関わらず、円安による輸出大手企業への期待、銀行業の業績上向き、海外資産流入などにより日経平均は最高値を更新しました。
「解除」についての良し悪しの議論は人それぞれだと思いますが、会合前に報道各社が決定的な記事を出してしまう程の「情報の確度」が担保されていた理由は、やはり銀行業関係者へは「内密」に知らされていたと考えられ、大きな利益を既に得ている事でしょう。
🟡 しかし、決定した事は素直に受け入れ、我々は「資本主義経済の恩恵を受ける」べく市場参加し流れに乗っていきましょう。
🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)3/23現在
★ 米国10年債利回り 4.202%(3/16 4.308%)⤵
★ 日本10年債利回り 0.729%(3/16 0.772%)⤵
★ 1ドル=151.392(3/16 149.045円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=80.82ドル(3/16 81.00ドル)⤵
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 3/23現在
★ NYDOW 39,475 +1.97%(先週比)+0.88%(先月比)
★ S&P500 5,234 +2.29%(先週比)+2.86%(先月比)
★ NASDAQ 16,428 +2.85%(先週比)+2.70%(先月比)
★ 日経平均 40,896 +5.65%(先週比)+4.60%(先月比)
🔅 来週の経済指標
3/28 米国 実質GDP成長率10-12確定値
3/29 米国 個人消費支出PCE