2023/3/5 今週の米国経済指標まとめ
★ 今週の米国の重要経済指標を簡単にまとめてみました。日本も東京都の消費者物価指数(速報)と、雇用統計の発表がありました。
① 2月 ISM「製造業」景況感指数 3/1
● 米供給管理協会(ISM)による製造業PMIが発表
結果 47.7 前回 47.4
★ 生産-0.7%、雇用-1.5%と減少。新規受注+4.5%、指数は+0.3%と微増しましたが、依然50以下。製造業現場だけは先行き「不景気」を織り込んでいます。仕入れ価格の上昇は原材料の高騰が原因で、インフレ圧力は製造業に於いても、依然弱まっていないとのデータでしょうか。
② 2月 ISM「非製造業」景況感指数 3/3
● 米供給管理協会(ISM)による非製造業(サービス業)PMIが発表
結果 55.1 前回 55.2
★ 指標は-0.1%と小刻みに下落したが、景況感は高い。新規+2.2%、雇用+4.0%と総じて前向き。仕入価格は-2.2%ど減速したが、65.6pと相変わらずの高水準でインフレ圧力は衰えていない。
③ 利上げマップ 3/5
★ 残り4段階利上げの可能性が浮上
★ 利下げ開始は2024年3月の予想
★ 米国10年債利回り
3/2(木)に2022年インフレピーク時につけた4%を超えました。2月からの「好調な指標」を受け、インフレ圧力の懸念により、高金利水準の長期化が予想され、じわじわと上昇。
④ 日本の指標
(1)東京都 2月CPI速報値
● 東京都区部、2月消費者物価指数速報値(前年比)
総合 3.4% 生鮮食品除く 3.3% 生鮮エネ除く 3.2%
★ ウクライナ戦争より一年経過、一巡して、ガソリン価格が前年より低下し、結果指数下落となりました。
★ 2月の全国CPIは3/24(金)に発表されますが、ほぼ似たような数値になると思われます。
(2)雇用統計 1月
● 完全失業率 2.4%
★ 中央銀行の役割は金融政策により「雇用の最大化」させる事です。雇用の安定は政府の安定的な税収につながります。
⑤ まとめ
● 3/2(木)、好調な経済指標の発表により、高金利水準の長期化が予想され、米国10年債利回りが4%を超えた。また、利上げマップに大きな変化、利下げ開始は来年の3月の市場予想。
● 3/3(金)、アトランタ地区連銀のボスティック総裁が次回FRBの利上げについて、+0.25%幅を支持する考えを示したことを受け、国債利回りが一時の高水準から低下。
● この発言が、市場参加者の安心感の支えとなり、米国株は3指数とも上昇。終わってみれば、今週はプラスとなった。(+0.5%予想もあった。)
● 3/14(火)発表の米国2月CPI(消費者物価指数)の総合は、ウクライナ戦争から一年経過し一巡した為、ガソリン価格の低下安定に伴い、日本の東京指標と同様にそこそこ低下すると思われ、インフレ鈍化の信号となれば、米国株にとって好材料となりうる可能性はある。
★ 来週は3/10(金)に、米国雇用統計、日銀金融政策決定会合