2024/2/20 気になるニュース㉗ 楽天2023年決算、赤字なのに株価ストップ高?、楽天モバイル最強家族プログラム
⭕ みんな大好き楽天グループ、2/14に2023年12月期連結決算が発表されました、プレゼンテーション資料も併せて、超簡単にまとめてみました。
① 楽天グループ2023年12月期決算
1.売上、損益、1株当たり利益
⭕ 売上は創業以来27期連続でプラス成長を続けています。損益は3394億円の赤字ですが、前年より378億円の収益改善。1株当たり利益も+60.46円上昇。
● 売上収益 2兆713億円 (2022年 1兆9208億円 前年比+7.8%)
● 営業損益 ▲3394億円 (2022年 ▲3772億円 前年比+378億円)
● EPS ▲177.27円 (2022年 ▲237.73円 前年比+60.46円)
2.自己資本比率、営業CF、配当金
⭕ 営業CFがプラスに転じた「結果と影響」は大きい。自己資本比率は相変わらず低い。配当金は今季0円とする代わりに株主優待として楽天モバイル月30Gまでを1年間無料としている。
● 自己資本比率 3.7% (2022年 3.9%)
● 営業CF 7241億円 (2022年 ▲2620億円 前年比+9861億円)
● 配当金 0円 (2022年 一株当たり4.5円)
3.セグメント別収益
⭕ モバイル事業は相変わらず▲3375億円と大赤字であるが、収益改善が+1417億円と大きい。インターネット事業(楽天市場など)、フィンテック事業(銀行、証券など)も大きく増収増益。
毎度の事ですが、インターネット事業、フィンテック事業の利益をモバイル事業が食い尽くしているのは言うまでもありません。
② 赤字決算なのに株価がストップ高?
⭕ 予想通りの赤字決算であったのにも関わらず、株価は急上昇。一時ストップ高となる100円上昇、前日比16%高の731.3円まで買われた。
✅ 今回の決算発表でなぜ投資家の支持を得る事が出来たのか?
大きな理由としてあげられるのが
● 2024年のリファイナンスの解消
● non-GAAP(EBITDA)ベースでの2024年モバイル黒字化の期待
● 楽天モバイル「プラチナバンド回線」2024年中の運用
● 楽天モバイル「衛星とスマホの直接通信」2026年開始の発表
簡単にまとめてみました
1.2024年のリファイナンス解消
⭕ 投資家が一番危惧していた事が2025年までに約8000億円と言われる社債の償還です。
2023年の4月に楽天銀行の上場で718億円、5月に公募増資2950億円、西友株式売却220億円、12月に楽天証券株式870億円売却(みずほ銀行)と資金調達に奔走してきました。そして今年1月に、18億ドル(約2700億円)のドル建て3年社債を発行し、とりあげずの「借り換え」により、2024年に償還を迎える約3000億円の社債償還を凌げた形になった。
危機脱却の安心感により、株価は上昇したましたが、今回のドル建て社債は利率が11.25%と高く、つけを後回しにしただけと言えなくもありません。
2.non-GAAP(EBITDA)での2024年モバイル黒字化の期待
⭕ 「EBITDA」という聞き慣れない指標が出てきましたが、簡単に言うと「本業で稼ぐ力」を示し、税金や利息、減価償却費の影響を取り除いた指標です。
✅ 2024年内にモバイル事業EBITDA単月黒字化の為に必要なのは
① 契約回線数を、800~1000万回線達成(2023年12月、596万回線)
② ARPUを、2500~3000円達成(2023年12月、1986円)
【ARPU、アープ】とは、1ユーザーあたりの平均売り上げを表す指標です。「Average Revenue Per User」)
3.楽天モバイル「プラチナバンド」2024年中の運用開始
⭕ 念願のプラチナバンドを手に入れ、2024年中に運用を予定しているとの事です。かつて、政府の携帯電話料金の「値下げの意向」(指示ではない)によりキャリア3社が値下げを始め、拡販の梯子を外された楽天モバイルですが、そのお返しなのか、好条件で割り当てを貰えたといわれています。
4.楽天モバイル「衛星とスマホの直接通信」2026年開始の発表
⭕ 正直技術的な事はわかりませんが、楽天グループはGoogleに先んじて米AST SpaceMobileに投資をしていたとの事が評価をされているのかもしれません。
③ 楽天モバイル最強家族プログラム
⭕ 「家族」じゃなくても「同じ名字」なら申し込めますw
2/21から日本人はみんな家族だ!
④ まとめ
⭕ 楽天グループが4番目の携帯キャリアとして「楽天モバイル」を始めざるを得なかった理由に、近年のアマゾンの台頭や、電子マネーシェア率No.1(42%)PayPayとLINEの統合によるEC顧客、電子マネー顧客の流出防止があげられます。楽天Pay(19.4%)
楽天の屋台骨は今や「フィンテック事業」で楽天カード、楽天Payの今後のシェアの動向に、楽天の未来が掛かっていると言えるのではないでしょうか?