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2024/10/5 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、ISM製造業景況感指数(10/1)、ISM非製造業景況感指数(10/3)、米国雇用統計(10/4)について簡単にまとめてみました。



① まとめ

🟡 米国雇用統計、予想外の強さ

 4日に発表された米国雇用統計が最近の弱い傾向を断ち切り、予想外の強さを見せ、米国経済の底堅さから安心感を得た市場は米国国債利回りと米国株式のダブル上昇を見せた。また、年内の利下げ観測もFRBメンバーのドットプロット通りの「残り2回(50bp)」に収束気味。
 
 中東情勢の激化と米国経済上向きの傾向から原油は週間で8ドル弱上昇。大幅金利引き下げ観測後退によりドル円は149円近くまでドル高へ。大統領選間近の経済のグッドニュースは、民主党ハマス候補により有利な展開が予想されます。国民が生活に余裕があれば、よりリベラルな思想に共感が得られるでしょう。

 強すぎた雇用統計に来週のCPIとPPIに再び注目が集まります。

🟡 中東情勢のまとめ

 「休戦」が望まれていた中東情勢に変化。イスラエルが徹底抗戦でハマス、ヒズボラは弱体化、イランの報復攻撃により激戦化。一時的な株安を招いたが今週末には悲観論はやや収束した感がある。

 しかし、ここ数年のイスラエルの強硬姿勢が、中東イスラム勢力を壊滅的に瓦解させる勢いを示しています。

● 7/31、ハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏がイランのテヘランの宿泊施設にてイスラエルの攻撃に遭い死亡。
● 9/17、ヒズボラのポケベルタイプの通信機器が一斉爆発
● 9/27、イスラエルによるレバノン、ベイルート南部への大規模攻撃により、ヒズボラを30年にわたって率いてきた指導者ナスララ師が死亡
● 10/1、イランはイスラエルに向け 180発を超える弾道ミサイルを発射、イスラエルは防空システムで迎撃。

 

🟡 石破総理金利発言 円安へ振れる(おまけコラム)

 自民党が変わる前にほんの数日で自分が変わってしまった石破総理。

 石破茂首相が2日に日銀による追加利上げに否定的な見解を示したことで、3日の東京外国為替市場で円は対ドルで一時1ドル=147円台まで下落した。前日比で3円も円安に進んだ。金融正常化に積極的な「タカ派」とみられていた首相の「ハト派」転換に投機勢はろうばいして円売りで反応。総選挙までは円売り・ドル買い基調が続くとの見方が広がる。

「個人的には現在そのような環境にあるとは思っていない。追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と記者団に語った。

日本経済新聞 2024/10/3

 また、10/4の総理所信表明においても、総裁選で掲げていた理念や政策が全く織り込まれていないとあまりにもブレすぎており、野党から総批判を受けています。私もざっくり目を通しましたが、金融所得課税や適正金利(利上げ)についても何も書かれていません。つまり、やる気がないとみなされます。
(経済・財政区分)

 また、2020年台に最低賃金(平均)を1500円とか書かれています。(2024年10月 全国加重平均1055円、2023年は1004円、+51円
つまり、今年の倍近くを毎年上げていく力強い意思ですw
(物価に負けない賃上げ区分)

 【 首相相官邸 102代内閣総理大臣 所信表明 】


 前任の岸田内閣をなぞって、総裁選出、任期1か月のなんちゃって大臣任命、即衆議院解散と打って出ましたが「総理に任命される前にフライング解散宣言」の大チョンボ。総裁選前は解散・総選挙について「何でもいいから早くやればいいということでは、私はくみしません」と発言していたのは言うまでもありません。


② 9月 ISM製造業景況感指数 10/1

🟡 結果 47.2(予想 47.5 前回 47.2)

⭕ 総合は47.2と予想(47.5)を下回る。6か月連続で縮小圏内(50を下回る)
 高い借り入れコストや11月の大統領選を巡る不透明感を一因に、設備投資が抑制されており、引き続き製造業への向かい風になっている。

● 生産 49.8 (+5.0p)
● 新規 46.1 (+1.5p)
● 雇用 43.9 (▲2.1p)
● 価格 48.3(▲5.7p)

回答者の声
● 「低注文率が続いているため、生産量と需要のバランスをとるための製造調整が進行中です。」[機械設備]

● 
「第4四半期は予想よりも遅いです。新しいプロジェクトの開始に伴う金利調整の影響は、2025年の第1四半期まで実感できません。」[金属加工品]

● 「ビジネスは横ばいです。金利が下がり、11月の選挙結果を待ってから、2025年の計画を確認します。現在、2025年はフラットを計画しています。」[家具&関連製品]

出典元 ISMレポート 2024/10/1

③ 9月 ISM非製造業景況感指数 10/3

🟡 結果 54.9(予想 51.5 前回 51.5)

⭕ サービス業の総合は54.9と予想(51.5)を上回る大幅に上回り堅調な足取りを示した。特に業況(+6.6p)、新規 (+6.4p)が連月で大きく回復、高い景況感により11月の利下げは緩やかなものになる可能性は高い。
 
 しかし、東海岸とメキシコ湾の港湾労働者のストの影響や大統領選挙など、年内景況感の不確実性は高まっており、雇用も抑制気味な傾向が見られた。

● 業況 59.9 (+6.6p)
● 新規 59.4 (+6.4p)
● 雇用 48.1 (▲2.1p)
● 価格 59.4(+2.1p)

● 「売上高は前年比でプラスの変化が見られ始めています。ゆっくりですが、着実に進んでいます。」[小売業]

● 「全体として、先月は経済要因がやや安定しています。ボラティリティは限定的で、地政学的な問題や選挙シーズンよりも季節的な側面に基づいていました。その安定は、10月に向けて迫り来る港湾労働問題のために短命になるかもしれない」と述べた。[宿泊・飲食サービス]

 「住宅市場と自動車市場の両方で金利は着実に低下しており、自動車と住宅ローンの申請がわずかに増加しています。」[金融・保険]

出典元 ISM Reports 2024/10/3



④ 9月 米国雇用統計 10/4

🟡 非農業部門雇用者数 +254,000人(予想+140,000人)
🟡 失業率 4.1%(予想4.2%)
🟡 平均時給増減 +4.0%(予想+3.8%)前年同月比

 非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回り、失業率は予想外に低下。

⭕ 9月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の伸びは全ての市場予想を上回り、失業率は予想外に低下した。賃金の伸びは前年同月比で加速し、11月の大幅追加利下げの可能性が低下した。

⭕ 雇用者数は7、8両月で合計7万2000人の上方修正となった。雇用増をけん引したのは、娯楽・ホスピタリティーやヘルスケア、政府機関だった。

出典元 Bloomberg 2024/10/4



⑤ 重要経済指標のおさらい

🟡 米国強力雇用統計、先月も上方修正。ユーロ圏はインフレ率1%台、大幅利下げ観測前進

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所



⑥ 政策金利予想  10/5

🟡 利下げ観測 2024年
★ FRBメンバー 「4.25-4.50」(残り2回)52.63%
★ CME FedWatch 「4.00-4.25」(残り3回)17.70%

出典元 CME FedWatch

🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)10/5現在

★ 米国10年債利回り 3.969%(9/28 3.751%)
★ 日本10年債利回り 0.886%(9/28 0.859%)
★ 1ドル=148.659円(9/28 142.212円)
★ 原油(WTI)1バレル=74.45ドル(9/28 68.64ドル)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 10/5現在

★ 
NYDOW 42,352 +0.09%(先週比)+4.98%(先月比)
★ S&P500 5,751 +0.22%(先週比)+6.34%(先月比)
★ NASDAQ 18,137 +0.10%(先週比)+8.67%(先月比)
★ 日経平均 38,613 ▲3.05%(先週比)+6.11%(先月比)


🔅 来週の経済指標
10/10 CPI 消費者物価指数
10/11 PPI 生産者物価指数
10/11 ミシガン大学消費者信頼感指数


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