★ 今週のFRBパウエル議長の連邦議会発言、米国の重要経済指標を簡単にまとめてみました。日本では黒田総裁任期最後の金融政策決定会合がありました。
① パウエル議長 議会発言 3/7
★ 3/7に開かれた連邦議会でのパウエル議長の発言が「タカ派発言」として注目されました。
次回3/22FOMCで、利上げ幅が0.5%と加速する可能性を示唆。発言を受けて、ドル高、米国株下落が加速しました。
★ 発言のまとめ
1.今後のデータ次第では「利上げのペースを加速する用意がある」
2.雇用や個人消費、インフレの動向について「1カ月前に見られていた軟化傾向が一部逆転した」
3.次回会合で再び0.5%に引き上げる可能性を示唆した。
4.深刻になった人手不足が賃上げ圧力となって高インフレを下支えする可能性を示唆。
5.10日に公表される2月の雇用統計、14日に出る2月の消費者物価指数(CPI)をみて今後の金融政策を判断する。
② 2月雇用統計 3/10
非農業部門雇用者数 +311,000人(予想+210,000人)
失業率 3.6%(予想3.4%)
平均時給増減 +4.6%(予想+4.7%)
★ 失業率と平均時給が市場予想を下回り、市場参加者の積極利上げ観測後退し米国債権利回り低下、ドル売りドル安となり一時134円70銭程に。
★ 雇用者数は市場予想を上回ったが、雇用統計は遅行指標に分類される為、「既に折り返し地点を超えた」とする見方もあるが、FRBが利上げペースを加速させるかどうかを判断する上で強弱入り交じる内容となった。
③ 日銀金融政策決定会合 3/10
★ 日銀黒田総裁任期における最後の日銀金融政策決定会合が行われました。質疑応答の内容を簡単にまとめてみました。
● 長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用について現状維持を全員一致で決めた。
● 2%の物価目標の持続的・安定的な実現に至らなかったのは残念だ。
● 日本経済の潜在的な力が十分発揮されたという意味で金融緩和は成功だった。
● 当面は現在の金融緩和を続けて企業が賃上げしやすい環境を整えていくことが重要だ。
● 15年続いたデフレのもとで企業や家計に醸成された、賃金・物価が上がらないという一種の慣行、ノルムは予想よりも強かった。
④ 利上げマップ 3/10
★ 3/22開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)での利上げにおいて、0.25%がほんの少し優勢ですが、実質0.5%とも半々といった情勢です。
★ 最終判断基準は、3/14(火) 消費者物価指数、3/15(水) 小売売上高の結果次第となりました。
⑤ まとめ
● 今後のデータ次第では「利上げのペースを加速する用意がある」
● 次回会合で再び0.5%に引き上げる可能性を示唆。
● 今回の雇用統計で指標の「折り返し」の兆しが見え、米国債券利回りが大幅に下落。インフレ率もそうであるが、数値の急激な変動は先の見通しを曇らせ、経済を混乱させる。
● 市場参加者における、3/22開催のFOMC(米国連邦公開市場委員会)利上げ幅予想は0.25%、0.5%と五分五分となり、3/14(火) 消費者物価指数、3/15(水) 小売売上高の結果次第となる。
● 日銀黒田総裁任期における最後の日銀金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用について現状維持を全員一致で決めたと発表。
2%の物価目標の持続的・安定的な実現の為
企業が賃上げしやすい環境を整えていく為
★ 来週の米国重要経済指標
3/14(火) 2月 消費者物価指数 米国
3/15(水) 2月 小売売上高 米国