2024/2/17 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週は、1月消費者物価指数 CPI(2/13)、1月小売売上高(2/15)、1月生産者物価指数 PPI(2/16)について簡単にまとめてみました。
① 1月 消費者物価指数 CPI 2/13
⭕ 消費者物価指数(前年同月比)
総合 結果+3.1%(予想+2.9% 先月+3.4%)
コア 結果+3.9%(予想+3.7% 先月+3.9%)
✅ 2024年1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、早期利下げ観測、3月会合での利下げ観測はほぼ消滅、5月会合も利下げ観測も40%を切る。基調的なインフレを指標として重視されるコア指数は前年同月比+3.9%とこちらも予想を上回る。
この発表に市場は反応、米国10年債利回りは4.3%まで上昇し、米国株は全面安、NASDAQは1.8%下落、小型株のラッセル2000は4%近く下落。また、あらためて、ドル金利先高感が浮上しドル円は150円を再び突破。
② 1月 米国 小売売上高 2/15
⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果▲0.8%(予想▲0.2%)
✅ 1月の小売売上高は予想を大きく下回る結果となった。影響の大きい自動車を除く小売売上高でも▲0.6%と大きく下落、羽を休める結果にFRBも一安心といったところ。タイトな金利が消費者にズバリと効き始めてきた。食料品店に関しては+0.7%と依然増加傾向。
③ 1月 生産者物価指数 PPI 2/16
⭕ 生産者物価指数 (前年同月比)
総合 結果+0.9%(予想+0.6% 先月+1.0%)
コア 結果+2.0%(予想+1.6% 先月+1.7%)
✅ 注目されていた1月の生産者物価指数は、消費者物価指数同様に予想を上回る伸びとなり、根強いインフレ圧力が残っている事が浮彫りになる結果となった。
✅ CPIの発表後反射的に下がった米国株は「気にする程の指標結果ではない」と織り込み、翌日反騰したが、今回のPPIの結果により早期利下げ観測は大きく後退した事で金利先高感が再び強くなり、国債利回りは上昇、米国株市場は反落、素直な反応を見せた。
④ 重要経済指標のおさらい
⑤ 政策金利予想 2/17
✅ 2024/3/20、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが90.0%」
★ 2024/3/20の会合で「10.0%の市場参加者は利下げを観測」
(2/10の観測では16.0%)
★ 2024/5/1の会合で「38.2%の市場参加者は利下げを観測」
(2/10の観測では60.7%)
⑥ まとめ
⭕ FRBもインフレ退治「ラストワンマイル」に苦戦をしている。
⭕ FRBが最重視する指標の個人消費支出PCEが月末の2/29に発表となる。こちらも予想を上回る伸びと思われる為(CPIやPPIはPCEの先行指標と言える)、現状では利下げ時期は6/12の会合がやや濃厚。
⭕ しかし、米国経済が好調である事は間違く、指標に反応に株価が上下するのは機関投資家によるもの。
利下げが始まるまでは、株価が下げた時に愚直に買い増しをするのが勝率が高くなると思われます。
✅ 原油価格が先週に続き今週も上昇(1バレル=79.20ドル)、イスラエル・ハマス紛争の休戦観測が後退した事で緊張感が高まった為と考えられる。
🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)2/17現在
★ 米国10年債利回り 4.281%(2/10 4.177%)⤴
★ 日本10年債利回り 0.725%(2/10 0.720%)⤴
★ 1ドル=150.182(2/10 149.257円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=79.20ドル(2/10 76.60ドル)⤴
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 2/17現在
★ NYDOW 38,627 ▲0.11%(先週比)+3.09%(先月比)
★ S&P500 5,005 ▲0.42%(先週比)+4.70%(先月比)
★ NASDAQ 15,775 ▲1.34%(先週比)+4.78%(先月比)
★ 日経平均 38,487 +4.31%(先週比)+8.52%(先月比)
🔅 来週の米国経済指標
2/22 FOMC議事録
2/22 S&P PMI