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2023/11/4 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、ISM 製造業景況感指数(11/1)、ISM 非製造業景況感指数(11/3)、雇用統計(11/3)について簡単にまとめてみました。



① ISM 製造業景況感指数 11/1

✅ 結果 46.7 前回 49.0 先月比▲2.3

⭕ 総合は46.712か月連続で50を切り、製造業は大幅な活動縮小となる水準まで戻った。
 新規受注45.5、雇用46.8、
と大幅に縮小、仕入価格は+1.3ポイントの45.1とやや上昇したが、依然として50を下回り商品価格の下落に影響を与えている。

⭕ 全米自動車労組(UAW)はストライキにより、「25%賃上げ」と大幅な数字をつかみ取り、米国経済にとっての懸念材料が解決、朗報となった。

回答者の声

● 第4四半期の低迷は明らかで、業界は明らかに穏やかな景気後退に陥っています。しかし、需要の減少は5%未満であり、2024年下半期の回復に対する顧客の信頼は堅調です。サプライヤーの納入は安定しており、サプライヤーはより多くの仕事を求めています。しかし、彼らはまだそれを求めて価格を調整する気はありません。[金属加工品]

● 全米自動車労組(UAW)のストライキが続いているにもかかわらず、第4四半期の残りの受注は堅調で持ち直していると述べた。[一次金属]

出典元 Institute for Supply Management: ISM

② ISM 非製造業景況感指数 11/3

✅ 結果 51.8 前回 53.6 先月比-1.8

⭕  10月の非製造業(サービス業)総合景況指数は伸びが鈍化し、9月の53.6%から1.8ポイント低下、5カ月ぶりの低水準に。

⭕ 底堅かった雇用が9月より-3.2ポイント低下、指数減速に影響。在庫に関しては-4.7ポイント低下し、50を切る形となった。賃金上昇圧力の鈍化傾向が見られ、FRBにとってはインフレ鈍化に向けた金融引締政策の成果が現れた結果となった。

回答者の声

 総じて、コモディティ価格は下がってきていますが、一部のカテゴリー、特に労働は依然として高止まりしており、当面は高止まりするでしょう。サプライヤーは、賃金、給与、福利厚生などの人件費の増加を価格上昇の最大の理由として挙げています。[宿泊・飲食サービス]

● イスラエルとハマスの戦争により、中東の顧客との通信はほぼ遮断されている。[専門的、科学的、技術的サービス]

出典元 Institute for Supply Management: ISM

③ 米国雇用統計 11/3

✅ 非農業部門雇用者数 +150,000人(予想+180,000人)
✅ 失業率 3.9%(予想3.8%)
✅ 平均時給増減 +4.1%(予想+4.0%)前年同月比

⭕ 非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回り、失業率はほぼ2年ぶりの高水準となった。

⭕ 求職者にとっては雇用環境の減退は残念であるが、今回の発表は、労働市場の健全性を示す指標となり、FRBにとっては目標のインフレ率2%のに戻すうえで心強い内容となった。


④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 利上げマップ 10/28


✅ 12/13、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が95.2%とほぼ確実。

出典元 CMEのFedWatch ツール

⑥ まとめ

⭕ ISMのPMI指数と雇用統計の発表内容に、順調なインフレ鈍化傾向が見られ、利上げ打ち止めがコンセンサスとなり、米国10年債利回りが一気に下落、米国株式にとっては強力な追い風となり、主要3指数とも先週比で5%以上の爆上がりとなった。

⭕ 12/13、FOMC次回会合でも市場参加者は現状維持がほぼ確実な観測となった。(95.2%)

★ 長期金利の上昇が景気にブレーキをかけ、借入コストの上昇が実質的な利上げの代わりになる為、利上げは不要との結論。


🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)11/4現在

★ 米国10年債利回り 4.576%(10/28 4.845%)
★ 日本10年債利回り 0.915%(10/28 0.874%)
★ 1ドル=149.381円(10/28 149.641円)
★ 原油(WTI)1バレル=80.89ドル(10/28 85.16ドル)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 11/4現在

★ 
NYDOW 34,061 +5.07%(先週比)
★ NASDAQ 13,478 +6.61%(先週比)
★ S&P500 4,358 +5.85%(先週比)
★ 日経平均 31,949 +3.09%(先週比)

🔅 来週の米国経済指標

11/9 パウエル議長、発言

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