2023/9/2 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週の米国の経済指標、4-6月期実質GDP改定値 8/30、7月 個人消費支出PCE 8/31、7月 雇用統計 9/1について簡単にまとめてみました。
① 4-6月期実質GDP成長率改定値 8/30
⭕ 改定値+2.1%(前期比)速報値+2.4%から下方修正。
利上げバイアス ⤵
個人消費の改定値は1.7%増、速報値+1.6%から上方修正。
★ 4-6月期で過去の話を言えなくもないが、これ程の金融引締めをしても日本の数値を上回っている事を考えれば、米国強しです。
② 7月 個人消費支出 PCE 8/31
✅ PCEデフレーター (前年同月比)
結果 +3.3% 先月 +3.0%
✅ コアPCEデフレーター(食品とエネ除く、前年同月比)
結果 +4.2% 先月 +4.1%
★ 利上げバイアス ➡ 横ばい
⭕ ガソリン価格上昇の影響によるエネルギーの上昇が大きい。また、参加型サービス(映画、コンサートなど)の支出上昇が大きな要因となっている。しかし、貯蓄率は低下しており、この先消費ペースが持続出来ないとの見方が有力。
③ 7月 雇用統計 9/1
✅ 非農業部門雇用者数 +187,000人(予想+170,000人)
✅ 失業率 3.8%(予想3.5%)
✅ 平均時給増減 +4.3%(予想+4.4%)前年同月比
利上げバイアス ➡ (横ばい)
⭕ 失業率、平均時給増減率が予想を下回り、やや勢いを失い減速の兆しが見えました。FRBの望むように労働市場は徐々に熱が下がり続けている。今回の結果で、9月の利上げは据え置きとなる公算が大きくなったのではないでしょうか。
④ 世界と米国の経済指標のおさらい
⑤ 利上げマップ
✅ 9/20、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が94.0%と優勢。
⭕ 市場参加者の35%が今年中に1回の利上げを観測、FRBメンバーのほとんどが今年中に1回の追加利上げ実施を支持している。
⑥ まとめ
⭕ 今回のPCE個人消費支出指標の結果と雇用統計を受け、次回FOMCで金利据え置き観測が高まった。これが、米国株式市場参加者を後押しする事になる。
⭕ 目下、不動産バブル崩壊中の中国から、多くの資金が米国に流出したと考えられ日本株式や米国株式は続伸、国債は価格高騰による利回り低下と、日本と米国株式に追い風となっている。
日銀の金融緩和継続も伴い、ドル対し円安傾向が継続されている。また、9/1に内閣府から発表のあったGDPギャップがプラス転換した事も日本株式市場に好影響を与えたと思われる。
★ 米国10年債利回り 4.181% 9/2 (4.231% 8/26)
★ 日本10年債利回り 0.621% 9/2(0.651% 8/26)
★ 1ドル=146.278円 9/2 (146.442円 8/26)
⭕ 9/1、8月のISM製造業景況感指数が47.6と、7月の46.4に対し微増している。50を割り込んでいるが、雇用と物価がやや上昇している。
また原油価格WTIは9/2時点で1バレル86.05ドルと8/26の80.20に対し一週間で6ドル上昇。
製造業が活発になれば、原油価格も上る傾向にあり、FRBにとってはインフレ圧力として懸念材料となっている。
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均(前週比)
NYDOW 34,837 +1.43%
NASDAQ 14,031 +3.25%
S&P500 4,515 +2.50%
日経平均 32,727 +3.49%
🔅 来週の米国、日本経済指標
9/6 米国 8月ISM非製造業景況指数
9/8 日本 4-6月期実質GDP成長率二次速報