24/12/14 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週は、Google Quantum AIの最新チップ「Willow」(12/9)、CPI 消費者物価指数(12/11)、PPI 生産者物価指数(12/12)について簡単にまとめてみました。
① まとめ
🟡 経済指標、利下げ、債権利回り
⭕ CPIは予想通りに通過し、市場参加者は次回会合の利下げを強く織り込んでいる。しかし、債権利回りの上昇によりNASDAQ以外の指数は下落傾向に沈んだ週間だった。
●「CPI 消費者物価指数」結果2.7%、予想(2.7%)通りの結果。次回会合の利下げ観測が前進し株高へ。
●「PPI 生産者物価指数」結果3.0%と予想(2.6%)を上回る⤴鳥インフルエンザの感染拡大による卵供給不足から卵価格が高騰(先月比+55%)の影響が大。PCEに算出される項目の伸びは抑制。
🟡 NASDAQ20000超え、量子プロセッサ
水曜日、NASDAQはついに20000を超えた。今週は利下げ観測の前進とGoogleの最新の量子プロセッサ「Willow」発表、イーロンマスク氏のコメントなどに湧き、ハイテク株関連の買いが優勢となり、結果的にNASDAQに追い風が吹いたのかも知れません。
発表のあった「Willow」はスーパーコンピューターで10杼年かかる計算問題を5分で解くことが出来たとの事ですが、桁が違いすぎて想像がつきません。
(10杼年 =10の25乗年 じょ、杼は当て字。10の24乗)
(5分 = 約10の-5乗年)
宇宙が出来たのが約138億年前
ウラン238の放射線半減期が約45億年
(億は10の8乗)
我々が想像できるのは精々「万と億くらい」ですね。
🟡 アサド政権崩壊とロシアとトランプ氏(おまけコラム)
今週の世界的なニュースとして「シリア、アサド政権崩壊」がありました。1970年から親子2代で独裁を続け、民主化運動に伴い、内戦が始まり「死者46万人、国内難民690万人、国外難民550万人」と深刻な人道危機にさらされてきました。
政権崩壊の要因として
● アサド政権を相互支援してきたシリア南部に拠点を置くヒズボラ勢力がイスラエルとの紛争にて弱体化した事。
● 同じくアサド政権とヒズボラを支援してきたイランがイスラエルとの紛争で勢力衰退。
● 同じくアサド政権を支援してきたロシアがウクライナとの戦争に注力差ざるを得ない状況となった。
特にロシアからの支援が弱くなった事が「引き金」となったと考えられる。トランプ大統領が就任する2025年1月20日には「ロシア、ウクライナ戦争の休戦」が提案される事は間違いないとされ、それまでにロシアは勢力図の維持と拡大を狙っており、ロシアがウクライナへの戦力を注力したところをシリアの反政府組織に狙われたのではないかと考えられる。
トランプ氏はイスラエルへの支援も強化するとされています。また、政策において米国でのシェールオイルの採掘を推し進め、世界的に原油価格の下落が予測され、それによって打撃を受けるのが原油輸出国であり、資源しかない国家のロシアにとっては「存亡の危機」となり、戦争の継続どころではなくなります。
やはり、大統領就任前後はトランプ氏が世界の中心となりそうです。
② Google Quantum AIの最新チップ「Willow」を発表 12/9
⭕ イーロン・マスク氏がその性能を絶賛、アルファベットCEOサンダー・ピチャイと量子技術と宇宙開発を組み合わせた未来構想を共有した事が話題になり、アルファベットの株価は急騰!
③ 11月 消費者物価指数 CPI 12/11
⭕ 11月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となり、次回会合利下げ観測が前進し、株式市場には追い風が吹いた。一方、インフレ低下ペースは失速気味であり、来年の利下げ見通しはペースダウンするという意見も多い。
⭕ 項目別では、前の年の同じ月と比べて
「輸送費が7.1%」「住居費が4.7%」が上昇。
「ガソリン価格が8.1%」「中古車の価格が3.4%」が下落。
総合 2.7%(予想 2.7% 先月 2.8%)
コア 3.3%(予想 3.3% 先月 3.3%)
④ 11月 生産者物価指数 PPI 12/12
⭕ 11月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回り加速。卵価格の急騰が影響した。(先月比55%上昇)卵インフレ(Bloomberg)
PCEに算出される項目の伸びは抑制。
総合 3.0%(予想 2.6% 先月2.6%)
コア 3.4%(予想 3.2% 先月3.4%)
⑤ 政策金利予想 12/14
🟡 利下げ観測 2024年 「4.25-4.50」
★ FRBメンバー 52.63%
★ CME FedWatch 96.00%
(12/7、86.00% 11/30、66.00% 11/23、52.70%)
⑥ 今週のマーケット 経済指標
🟡 NASDAQ一時20000超え、ECB利下げ、日銀金利据え置き観測により円安へやや振れる。
🔅 来週の米国経済指標、イベントなど
12/17 小売売上高
12/19 FOMC 米連邦公開市場委員会
12/19 実質GDP確報値
12/19 日銀政策金利決定会合
12/21 ミシガン大学消費者信頼感指数