2023/10/28 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週の米国経済指標、米国 実質GDP成長率 速報(10/26)、欧州中央銀行ECB政策金利(10/26)、米国 9月 個人消費支出 PCE(10/27)について簡単にまとめてみました。
① 7-9月期GDP成長率 速報 10/26
⭕ 速報値、前期比+4.9%、年率+2.9%
個人消費が+4.0%(前期比)とリバウンド急回復し5四半期連続でプラス成長となった。成長がこれほど強く、依然としてインフレ懸念がある状況では、FRBが政策金利の利下げを始めるには程遠いと言えます。
② ECB政策金利 10/26
⭕ 前例の無い10会合連続で利上げをした欧州中央銀行(ECB)でしたが、インフレ鈍化の感触と経済への影響を考え、米国と同じく追加利上げを一旦終了し、高水準の利率を維持する方向を決めた。
ECBのラガルド総裁は会合後の記者会見で「9月のインフレ率は顕著に低下し、ほとんどの指標でインフレの緩和が続いている」と強調。今回は利上げによる物価抑制効果より、金利据え置きによる景気の下支えを重視した形だ。毎日新聞 2023/10/26
⭕ ユーロ圏は、日本と同じくデフレ対策として長い間ゼロ金利政策を敷いて来ましたが、ロシアのウクライナ侵攻により物価上昇と共に経済成長も鈍化し、日本よりも非常に厳しい状況となっております。
③ 9月 個人消費支出PCE 10/27
✅ PCEデフレーター
●(前年同月比)結果 +3.4% 先月 +3.4%
●(先月比)結果 +0.7%
✅ コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
●(前年同月比)結果 +3.7% 先月 +3.8%
●(先月比)結果 +0.3%
⭕ コアPCEで市場予想と一致、前年同月比では2か月連続で4%を切る結果となったが、先月比では大きく加速。
⭕ 米国の底堅い需要により、金融引締めによって経済が減速するどころか、年末に向かって加速しているとさえ思える結果となった。
④ 重要経済指標のおさらい
⑤ 利上げマップ 10/28
✅ 11/1、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が99.9%とほぼ確実。
⑥ まとめ
⭕ 11/1、FOMCでは追加利上げの実施する可能性が低いと示唆しました。次回会合では現状維持がほぼ確実(99.9%)
★ 長期金利の上昇が景気にブレーキをかけ、借入コストの上昇が実質的な利上げの代わりになる為、利上げは不要との結論。
⭕ 欧州中央銀行(ECB)が政策金利の据え置きを決定(4.5%)。
★ ユーロ圏は米国と比較すれば、まだインフレ率は高い。経済を犠牲に出来ない側面もあり、一旦据え置いたが、これからの判断も気を抜けない状況には変わりない。
⭕ 今週は米国大手企業の決算発表が多かった
10/25 マイクロソフト、四半期業績は12.8%増収27%増益
10/25 アルファベット 、3Q決算は11%増収41.5%増益
10/26 メタ・プラットフォームズ、3Q決算は23.2%増収163.5%増益
10/27 アマゾン、3Q決算は12.6%増収244%増益
★ 軒並み増収増益であったが、株価上昇後に売りが先行気味で大きな上昇とならなかった。長期金利の高止まりも重なり、米国株価主要3指数ともに今週も大きく下落。
🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)10/28現在
★ 米国10年債利回り 4.845%(10/21 4.914%)
★ 日本10年債利回り 0.874%(10/21 0.836%)
★ 1ドル=149.641円(10/21 149.853円)
★ 原油(WTI)1バレル=85.16ドル(10/21 88.29ドル)
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 10/28現在
★ NYDOW 32,417 ▲2.14%(先週比)
★ NASDAQ 12,643 ▲2.62%(先週比)
★ S&P500 4,117 ▲2.53%(先週比)
★ 日経平均 30,991 ▲0.86%(先週比)
🔅 来週の米国経済指標
11/1 ISM製造業景況感指数
11/1 FOMC(連邦公開市場委員会)
11/3 米国雇用統計
11/3 ISM非製造業景況感指数