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25/1/11 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、FOMC議事要旨(1/8)、ISM非製造業景況感指数(1/8)、米国雇用統計(1/10)について簡単にまとめてみました。


① まとめ

🟡 経済指標

⭕ 今週の経済指標は「良い結果」となったが、FRBが利下げに対して慎重にならざるを得ない、米国株式投資家にとっては「悪い材料」が次々に発表された。

「ISM非製造業景況感指数」54.1と予想(53.6)を上回る⤴選挙の影響や関税についての言及が目立った。価格上昇傾向も高い(64.4)
「雇用統計」雇用者数が予想を大きく上回る伸び。失業率は予想外に4.1%と低下⤵。
「ミシガン大学消費者信頼感指数」速報値は73.2と予想(73.9)を下回るが依然高水準。一年後期待インフレ率は3.3%とこちらも予想外に上昇(12月2.8%)

🟡 長期金利がうなぎのぼり

⭕ FOMCの議事要旨での内容や今週の経済指標、特に雇用統計の力強い結果により、今年の利下げ観測がさらに後退。米国10年債利回りは4.761%まで上昇、米国株式市場に強烈な逆風となった。

⭕ 主要3指数とも週間で2%近く下落、長期金利は2023年10月以来の高金利となった。原油も上昇、関連株はやや上昇。

 

② FOMC議事要旨 1/8

⭕ インフレは引き続き減速するが、上昇圧力のリスクもあり、2025年の利下げ回数の減少、または停止も利点がある事が改めて示された。

[ワシントン 8日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が8日公表した2024年12月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者はインフレが今年も引き続き減速する公算が大きいとの見解で一致した。
同時に、トランプ次期政権が実施する可能性のある政策の影響で、物価上昇圧力が高止まりするリスクが増したという認識を示した。
議事要旨では「インフレ率は引き続き2%に向けて低下すると予想しているものの、足元の予想を上回る物価状況のほか、貿易や移民政策の変更の可能性を踏まえると、従来予想よりも鈍化への過程が長引く可能性があることを参加者は指摘した」と指摘。「インフレ鈍化が一時的に停滞している、あるいは停滞するリスクがあるとの意見も出た」とした。
一部が主張するインフレ鈍化の停滞を踏まえ、利下げしないことの「利点」を指摘する参加者もあり、24年12月の0.25%の利下げ決定は「微妙なバランス」だったと議事要旨は言及した。

出典元 Reuters 2025/1/9

③ 12月 ISM非製造業景況感指数 1/8

🟡 結果 54.1(予想 53.6 前回 52.1)

⭕ 業況は大幅上昇、関税に対する懸念から価格上昇傾向がみられている。

 米国のサービス業は昨年12月、活動の拡大ペースが加速した。事業活動が上向き、仕入れ価格指数は2023年早期以来の高水準となった。12月は18業種のうち15業種が仕入れ価格の上昇を報告。価格低下を報告した業種はゼロだった。金融・保険業では、コスト削減のため仕事を海外に移しているとの回答もあった。
  ISM非製造業景況調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は発表文で「多くの業種で総じて楽観的な見方が示されたが、大半の回答者から関税に対する懸念の声が上がった」と指摘した。

出典元 Bloomberg 2025/1/8

● 業況 58.2 (+4.5p)
● 新規 54.2 (+0.5p)
● 雇用 51.4 (▲0.1p)
● 価格 64.4(+6.2p)

● 「全体的な活動は計画よりわずかに高い。」[小売業]

● 「関税や購入決定については、多くの不確実性があるようです。多くの様子を見ています。」 [運輸・倉庫]

 「一般的には、次期政権が規制、税制、エネルギー政策にプラスの影響を与え、経済改善に拍車をかけると楽観視しています。我々は関税の動きを懸念しており、最善を期待している」[情報サービス]

出典元 ISM Reports 2025/1/8

④ 12月 米国雇用統計 1/10

🟡 非農業部門雇用者数 +256,000人(予想+164,000人)
🟡 失業率 4.1%(予想4.2%)
🟡 平均時給増減 +3.9%(予想+4.0%)前年同月比

 高い借り入れコストや根強いインフレ、政治的な不透明感にもかかわらず、労働市場が昨年も持ちこたえたことを今回の統計は示した。2024年は労働需要が鈍化し、失業率は上昇したものの、雇用者数は通年で220万人増加した。伸びは23年の300万人を下回ったものの、19年の200万人を上回った。
インフレ目標2%への進展が足踏みしているように見受けられる中、米金融当局者は利下げに関して今年は慎重に動く方針を示しており、今回の統計はそれを補強しそうだ。統計発表後に、次回利下げ時期の予想はさらに後ずれした。来週には12月の米生産者物価指数(PPI)と米消費者物価指数(CPI)が公表される。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は1月28-29日に開かれる。

出典元 Bloomberg 2025/1/10

⑤ 政策金利予想  1/11

🟡 利下げ観測 2025年 「3.75-4.00」
★ FRBメンバー 78.94%
★ CME FedWatch 54.20%

出典元 CME FedWatch

⑥ 今週のマーケット 経済指標

🟡 主要3指数とも週間で2%近く下落、長期金利は2023年10月来の高金利となった。原油も上昇、関連株はやや上昇。

作成 ぼなんざ本舗研究所

🔅 来週の米国経済指標、イベントなど
1/14 PPI 生産者物価指数
1/15 CPI 消費者物価指数
1/16 小売売上高


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