2023/11/7 日米金融政策の簡単まとめ
⭕ 先週行われた、米連邦公開市場委員会(FOMC)(11/1)、日銀政策金利決定会合(10/31)について超簡単にまとめてみました。
① FOMC(連邦公開市場委員会)11/1
⭕ 米連邦公開市場委員会(FOMC)は11/1に開催した会合で、主政策金利の据え置きを決定しました。FFレート5.25-5.50%
同時に、その後は高水準の金利をより長期にわたって維持する公算が大きいことを印象づけた。
⭕ 国債金利の上昇が家計や企業の借り入れコストの上昇につながっています。住宅ローン金利は8%近くになり、十分にタイトとなっています。
⭕ パウエル議長は最後に「利下げを検討していない」「今は検討する状態ではない」と明言している事から、高水準の金利維持とその影響を暫く見極める事で今後の判断材料とする、という事でしょう。
② 日銀政策金利決定会合 10/31
⭕ 基本は「大規模金融緩和を現状維持」
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の大幅修正観測もあったが、やや限定的な修正に留まった。
● 1.0%を超えない利回りでの指値オペをする(前回)
↓
● 上限の目途を 1.0%とする(今回)
⭕ 7月のYCCの修正後、日本長期国債利回りはじわじわ上昇しています。
⭕ 連動するように、住宅ローン金利も上昇
固定金利は「長期金利」の影響を受けています。大手4銀行(みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな)は、11月1日から住宅ローンの「10年固定金利」を引き上げました。
みずほ銀行 1.55%(+0.1%)
三菱UFJ銀行 1.04%(+0.1%)
三井住友銀行 1.29%(0.15%)
りそな銀行は 1.80%(+0.15)
出典元 モゲチェック
③ 超簡単まとめ
⭕ 米連邦公開市場委員会(FOMC)
★ 12/13、FOMC次回会合でも市場参加者は現状維持がほぼ確実な観測とみている。(90.2%、11/7現在)
★ 長期金利の上昇が景気にブレーキをかけ、借入コストの上昇が実質的な利上げの代わりになる為、利上げは不要との結論。
★ FRBにとっては機関投資家たちに「次回の行動を悟らせない」事は重要で、後手にならぬように金利の主導権を強く握っている感がある。
⭕ 日銀政策決定会合
★ 日本はデフレ期間が長くありすぎ、コストプッシュインフレが強い現在のインフレに対し、今、ゼロ金利を解除したら、持続的な物価上昇が可能か誰もが根拠を持てない、自信を持てないのが現状。
★ その為、2024年の春闘で賃上げの成果が何処まで出るかで、やっと、ゼロ金利政策の出口戦略が見えるのではないかと思われる。