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✈️3:スペイン(後編)
7日目 バルセロナ
バレンシアより暖かい。コートをずっと着ていたが、ジャケットで良いくらいの気候だった。
バルセロナに到着する前、バスの中で添乗員さんが何度も言っていた。
「鞄は必ず前で持つこと、荷物から絶対に目を離さないこと」
聞けば過去に何度も置き引きやスリがあったという事だった。ホテルのロビーでも一瞬目を離した隙に荷物が無くなったこともあったそうだ。
なのでバルセロナについてからの添乗員さんや現地ガイドさんのピリピリした空気を感じ、みんな緊張感が増した。私もリュックを前にして歩いた。そうしないと添乗員さんやガイドさんに注意されるからだ。
ガイドさんに連れられてサグラダファミリアより少し離れた公園へ。公園から見えるサグラダファミリアがベストフォトスポットだと聞いた。
ずっと憧れていたサグラダファミリアを前に現実味が湧かなかった。ポストカードやテレビでしか見た事がなかったものがいざ目の前にあるのは不思議な気持ちだ。
現地ガイドさんが言うにはサグラダファミリア前は人が沢山いるため、少し離れたこの公園(名前は忘れた)から撮るのがベストスポットだそうだ。解説を聴きつつも現地ガイドさんのカバンに付いているクレヨンしんちゃんのキーホルダーがなぜかとても気になってしまった。
そしていよいよサグラダファミリアへ。
事前に予約されていたチケットは時間が決まっている為16時頃に入場した。
写真で見たことはあったが中は夕方だったのもあり夕日が差し込んでステンドグラスも綺麗に反射していた。とても幻想的だった。
どの角度で撮っても美しくて友人と無言でひたすらに写真を撮った。ただ、聖堂の中にもスリはいると聞いていたので片方が撮影してたらもう片方が辺りを見回す様になるべく注意しながら。
入り口で集合時間を聞いた後は自由行動だった。
サグラダファミリアの隣はミュージアムになっていて、成り立ちや歴史、完成模型が見れたが人が多かった為ささっと見てすぐに出口にきた。ミュージアムショップではバイト先用にお土産を買った。20個入りのチョコレートでパッケージはサグラダファミリアがプリントされたものだった。
その日泊まったホテルはバルセロナの中心地から少し離れた場所。部屋の窓からサグラダファミリアやバルセロナの街が一望できたので、夕食はメルカド(スーパー)で生ハムとパン、フルーツジュース、サラダ、お菓子、チーズを買い込んで夜景を眺めながらご飯を食べた。
何を食べても美味しい為、帰国後もれなく太っていた。
完全自由行動の日は8日目だった。
朝食を済ませた後、公園を散歩しつつ駅へ向かう。キャリーケースを引いたりリュックを背負ったスペインの小学生達が親と登校している姿を見ていると、校門前で親が子供に行ってらっしゃいのキスを送っていた。とても和んだ。
市内へ向かう為電車に乗った時、車内で見知らぬ女性に話しかけられた。言葉が通じず焦ったが、どうやら私の背負っていたミニリュックがスリや強盗に狙われるからリュックは前にしなさい、という事だった。
添乗員さんが言ってた事を思い出し、それからはずっとリュックを前にして歩いていた(ショルダーバッグやトートバッグを持って来ればよかったと少し後悔した)
バルセロナの路線図は少し複雑だった。だが都内の路線図に慣れていた私と友人は何度か乗り換えをする内に乗りこなしていた。
この日の朝向かったのはグラシア通りにある、カサ・ミラへ。
カサ・ミラはガウディが設計アパートであり、世界遺産に登録された建物である。
ガイコツのようなバルコニーがとてもかわいい。
受付で日本の学生手帳とパスポートを見せると学生料金で入れた。そしてなんと、ここでは日本語の音声ガイドがあったのだ。タブレットも渡されてそれを使用しつつ中を回った。
タブレットでは昔の部屋のイメージが映し出されていた。昔は賃貸として貸し出されていたそう。ここに住めるなんて羨ましい…
タイルもカラフルで海の中みたいだった…
森や海、自然界から取り入れられたモチーフが至る所に散りばめられて作られており、絵本の中にいるような気持ちになった。
屋上もあるため全部回るのに1時間はかかった。ミュージアムショップでは父へのお土産にサグラダファミリアモチーフのコップを購入した。
ツアーと違い友人とのまったりしたペースで回れるのがちょうど良かった。解説もあり、見所もちゃんと見れるツアーだったが、時間の制限が多くなかなかゆっくり見れない事で友人も私も集団行動に疲れていた。だからこそ自由行動は2人とも生き生きしていた。
ふと気になった。ツアーで1人旅で来ていた学生も男女1人ずついたが、自由行動の日は一人で観光は怖くないのだろうか…。
当時は海外旅行=友人や家族と行くもの、だと思っていた節があった為、一人で海外旅行に行く人の気持ちがわからなかった。(ひどい…)
そんな事を考えていたが後々色んな場所を旅していくことで考え方も大きく変わっていく。
お土産購入をメインで回っていた為、この日はスペインのSAVONで店員の女性に勧められるまま塗ると肌がラメでキラキラするボディークリームとハンドクリームを購入。ゆっくり商品を眺めていると店員さんが英語やスペイン語、カタコト日本語で話しかけてくるのでゆっくり見れず思わず買っていた…バルセロナだけにしかないと思っていたが、後々日本にSAVONがあると知る私であった…。
雑貨店を探してウロチョロ。
コミックストアを見つけた。
日本の漫画のスペイン語版を探してみたが、数少ない上値段が高い。圧倒的にアメコミ冊子が多かった。
警官の制服。かっこいい。
午前中はひたすら街中の写真を撮り歩いていた。
散策中、大きいカテドラル(聖堂)を見つけた。
何気なく美しさに魅せられて写真を撮っていたが、後にアニメ「ユーリ・オン・アイス」を視聴中にこの教会が映っていて驚いた。知らぬ間に聖地巡礼…
離れたところから見えるカテドラル
お昼はスペイン料理ではなくなぜかイタリアンへ。
ピザを食べる事になったが、多分海外で食べるピザはサイゼリヤの小さいピザとは違って絶対大きいよね、と予想。
運ばれてきた時、予想的中であった。
念の為1枚を半分にしておいて良かった。
記憶が曖昧だがランブランス通り沿いにあったイタリアンだったと思う…たぶん。
食後、デパート「エル・コルテ・イングレス」へ向かい家族にスペインのタイル風小皿を購入。
その後市場へ…
マドリードの市場とバルセロナの市場の印象は全然違っていた。マドリードのサンミゲル市場はどこかエレガント…夕方行ったからか仕事終わりのサラリーマンも多く、職場の同僚同士ゆっくり仕事や家庭の話をしながら…な感じだったのに対してバルセロナは活気がすごい、といった印象。昼間と夕方に訪れたからか観光客で溢れかえっていた。
お菓子売り場
お菓子は計り売りでとても安い
お菓子ばかり撮っていたが市場の中は野菜や果物、肉、バルでひしめいていた。
おやつ
市場からピカソ美術館へ向かっていたが迷った。その途中にあるカフェでシエスタをした。
フルーツにビターチョコのソースがかかっているがカロリーは……考えない事にしよう。
結局ピカソ美術館は諦めて海辺にきた。大通り、ランブランス通りを下った先は海だった。海風が暖かく気持ち良い
観光ガイドに載っていたバルセロナのシンボル、コロンブス塔を発見した。このコロンブス像が指差している先は新大陸(アメリカ)だそう
暗くなってきたので、お昼行ったサン・ジョゼップ市場へ戻ってきた。せっかくなのでバルで夜ご飯を食べる事に。
お店前で呼び込みしてる店員さんが多く、どこのバルに入るか悩んだ。そんな中「イラッシャイマセ!ニホンジン?ココヤスイヨオイシイヨ!」カタコトの日本語で呼び止められた。
バルで働く明るいおじさんに話しかけられ、ちょうどお店を探していた私達はそこのバルに行く事に決めた。言葉が通じない場所で日本語が通じるのは魅力的だ
海鮮中心のバル。店員のおじさんにおすすめを聞き、ピンチョスを二つ注文した。
写真だと小さく見えるが実際はボリューミー、そしてすごく美味しい
2人でシェアして食べたが充分だった。ホテルの部屋にも生ハムとチーズ、パンが残っていたが既にお腹いっぱいに。8日目はこうして過ぎていった。
9日目は朝から空港へ行き、離陸。帰りのスイスでの乗り換えはスムーズにできた。
帰りの飛行機ではただひたすらに映画鑑賞。機内で見た当時日本未公開だった「リリーのすべて」を機内で先行して観た。
10日目は帰国日だ。早朝に着いたので友人と飛行機疲れを感じつつ東京駅で別れた。
正直スペインが大好きになっていたので帰ってきたくなかった。海外旅行の大変ささえも楽しく刺激的で初めての感覚だった。特に好きな場所はバルセロナで、陽気な街と美味しいごはん、貧しくても今日食べていければなんとかなる、みたいな雰囲気に強く惹かれた。
あまりにもスペインの余韻から抜け出せなくて1週間、毎日帰りたくて泣いていた😅
絶対また来年も行く!と決めていたがそれから5年…実はいまだに行けてない