ドラマ「私の死体を探してください。」第6話(最終話)感想&考察

6話(最終話)視聴後の感想&考察です。

・麻美から神永への手紙
そこには、正隆への気持ちや事の経緯が記されていました。
正隆は、大学時代からプロデビュー後の現在に至るまで、麻美の全作品を批判していたそうです。
麻美は、その異常なまでの執着を愛情と勘違いしていました。
麻美はその生い立ちから、愛情が何たるかを分からなかったのでしょうね。
そのため、正隆の自分への態度も不快でなかった、と。

しかし、初文学賞受賞の日に正隆が不倫していたことで、愛情でなく麻美の才能への嫉妬だったと気付きました。
そして麻美は、そんな正隆に対し、一番近くで自分の成功を見せ続けるために別れることはしませんでした。

・麻美の死の真相
なんと、既に正隆が麻美を殺していました。
自分の作品である「真夏のシャングリラ」を酷評されたことで激昂し絞殺したのです。
死体処理は以前麻美から聞いた通り実行、東京の自宅から麻美の死体を運び出し、別荘の庭に埋めました。
(麻美はミステリー作家で、警察などにも取材していたため、死体処理に詳しかった模様)
※5話で金もないのに思い入れの無さそうな別荘を売らない正隆に違和感を感じましたが、死体が埋まってるんじゃそりゃ売れませんね。

しかしながら、この殺害は麻美がそうなるように仕組んだもので、これを見越して「私の死体を探してください。」という一連のブログを用意していたのです。

・正隆も行方不明に
公園のベンチに座る神永のスマホには、正隆が行方不明になったというネットニュースが。
正隆は、沙織から「あとがき」の修正を指摘された際に「私でも気付いたのだから、熱心な読者なら気付くのでは?」と言われたことを思い出しました。
焦って「あとがき」そのものを削除しようとしますが、逆に怪しまれることを恐れ出来ませんでした。
このままではいずれ自分の犯行が発覚してしまうかもしれない、そんな恐怖からか、麻美の幻影が見え始めます。
恐らく気が狂ってしまった正隆は、麻美を探しに樹海へと消えていきます。
そして麻美の死体を埋めた別荘の庭からは、白い花が咲いている…。
というところで、最終話終了となりました。

実は脳腫瘍を患っていた麻美は、自分の命がもう長くないと知り、最後に正隆への復讐としてこの計画の実行を決意しました。
父親から虐待され施設で育ち、愛情を知らなかった麻美。
そんな麻美に愛情のかけらを芽生えさせ、そしてそれを奪った正隆への復讐、というのがこの作品の解でした。
※麻美から正隆への愛情は分かりにくいのですが、4話の神永の回想で描かれていました。

6話と短かったですが、伏線とその回収をコンパクトかつしっかりまとめてくれた印象でした。
麻美を演じた山口紗弥加さんの、静かな中に少し壊れた、冷静な狂気のようなものを感じる演技が良かったと感じました。
スタッフおよびキャストの皆さん、お疲れ様でした。
1か月半、ありがとうございました!

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