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プロヴァンスに魅了されて。

夢は、いつか自分のお店を出すこと。カフェをやりたい。

フランスの素朴な地方菓子が好きで。フランスのアンティークが大好きで。だからわたしは、いつかお店を出す時の為の、引き出しづくりというテーマで、今フランスにいて。

けど、フランスの様々な場所を旅する度に、ふと思うのが、
『あれ?何だか、普通に観光を楽しんでいるだけになってない…?笑』

2022.09.10 Saint-Paul-de-Vence/Côte d'Azur


アルザス地方を旅している時、カフェとお菓子とアンティーク、そして、大好きな木組みの街並み。
全てがドンピシャな旅で、何も迷うことは無かった。

けれど、オート・サヴォワ地方のアヌシーに拠点を移した時、
ニースを拠点に、コートダジュール地方のサン=ポール=ド=ヴァンスを訪ねた時、
そんな風に、突如不安な気持ちに駆られることが何度かあって。

特にとある村で、村を見て回る、というよりも、バシャバシャガツガツ映え(ばえ)を狙った写真をひたすら撮る人たちが、沢山いる村への訪問は、自分もまるで、その人たちと同じかのように思えて。

わたしも、せっかく夢にまで見た景色を求めて来たのだから、写真を撮りたい気持ちも、撮ってもらいたい気持ちももちろんあるけど、だけど、それはインスタばえの為じゃ無い。
戻りのバスの中では、すっかり心の元気を無くして。(他にも洗礼を受け…🤣)

けれどここ最近、

『パリ以外にも、こんなに素敵な場所がフランスにあるんですね。』

という内容のメッセージを何件か頂いて、ハッとしました。

そもそもわたしが、自分がこんなにもフランスが好きなんだと気づいた理由、それは、ぽってりとしたフランスのアンティークの食器が大好きなことに気づいたからでした。

そこから、フランスの田舎町に興味を持つようになって。
そして、ちょうどその頃、たまたま立ち寄った本屋さんで運命的な本と出会います。

忘れもしない、2018年初夏。この本をきっかけに、私は南仏プロヴァンスに魅了されて。仕事帰りにカフェに寄る時、休日にカフェに行く時に、必ず持ち歩いてて。今やボロボロ。笑
(写真はAmazonから引っ張ってきました。)

翌年3月には、この本に載っている、
エクス=アン=プロヴァンス、アヴィニョン、リル=シュル=ラ=ソルグ、ルシヨン、ゴルド、ルールマラン
を旅して、想像を絶する感動を味わいました。この時に、フランスの最も美しい村協会(Les plus beaux villages de France)のことも知ります。

2019.03 Aix-en-Provence
2019.03 Avignon
2019.03 Avignon
2019.03  L'Isle-sur-la-Sorgue
2019.03 Roussillon
2019.03 Gordes
2019.03 Lourmarin

その協会に登録された、フランス全土に点在する、あまりにも可愛すぎる村の存在を知った時、私はフランスの田舎の虜になりました。

帰国してからは、フランス長期滞在のために動き始めて。
この間に、どうやったら全ての村を効率よく回れるか?の計画まで立てたこともあるくらい。笑
(今は、自分が本当に行きたい村を厳選してます。)

けれど、世界で新型コロナが流行し、渡仏が叶わなくなり、絶望感に浸る日々に突入。
それでも、その間に強く興味を持ち始めたフランスの地方菓子のこと、美しい村のこと、たくさん調べたり、計画を立てたり。それだけはずっと続けてて。(この時間が、すごく楽しくて好きだった☺︎)

…だいぶ本筋から逸れましたが、こうして長年、自分の頭の中をフランスの美しい村のことでいっぱいにしていたから、

『パリ以外にも、こーーんなに可愛くて素敵すぎる村があるなんて…!!』

と、かつて魅了されたこの気持ちが、自分の中ですっかり当たり前の感情になってしまっていた、ということに気づいて。

私はあの時、4年前にフランスの田舎に魅了されてから、
『フランスの田舎な雰囲気のカフェをやりたい』
に加えて、
『フランスの美しい村や町を実際に訪ねて、この目で見たい!!』
という強い想いが生まれてたはずなのに、その気持ちが、どうやらコロナ禍の中でぐるぐると迷子になってしまってたようでした。笑

2022.09 Èze/Côte d'Azur  (2018年に買った本に載っている村の1つ)


自分の本当の気持ちを思い出したから、思い出せたから、だから私はこれからもフランスのたくさんの見たい景色を訪ねる旅を続けます。
この、自分が見ている景色は、誰もが気づける場所ではないのだから。これらの存在を知り、実際にこの目で見ることのできる幸せを、存分に味わおう。その中で、自分のやりたいお店のヒントを探しながら。

気づかないうちに、自分でレールを引きがちだけど、それは取っ払って。
せっかく1年あるのだから、失敗しようが何だろうが、夢が現実になった今を、思うがままにもっと自由になって、楽しみます。

おわり。

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