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光溢れる、パリの秋景色。

Instagramでも、同じようなことを綴ったけれど、せっかくnoteを利用しているのだから、もう少し言葉を広げて書き綴ることにする。
その時確かに感じたことは、ある時同じようにそれを思い返しても、決して同じようには感じられないし、むしろ組み変わった言葉や表現に変わってしまうから…

パリの魅力を、10月22日から始まった、ハロウィン・ヴァカンスで知りました。
理由のひとつが、どこを歩いても、柔らかな光が差し込む、美しい風景に出会えること。

けど、そんな風景にはこれまでも出会ってきたはずで…
何でこんなにも今回、パリに魅了されたんだろうか。4日間不思議に思っていたけれど、今、自分なりに少し紐解けてきた気がします。

パリの魅力は、街を歩かなければ分からない。見えてこない。
パリって、重厚感ある白色の建物がメインの都市だと、歩くと気づく。歴史的な建造物もそう。見りゃ分かるよ、なんて思うかもしれないけれど、意識しないと案外見えない。
だって、パリにはキラキラとしたものやメディアで宣伝されているありきたりな名所があまりにも多すぎて、どうしてもそっちに目を奪われてしまうだろうから。

重厚感のある、白い石造りの建造物。
だから、フランスの国旗の赤と青もとても映(は)えるし、花や木々の色が入ることで、洒落っ気のある華やかさも生まれる。そこに、信号や街灯の、つやっとした黒色が入ることにより、きゅっと引き締まる風景。

まるで、街全体が白いキャンバスのよう。
それが、私が4日間の中でパリをたくさんたくさん歩いて、実際に見て、感じたことでした。

そのキャンバスに、ストアフロントという色が入る。
建物は、優しい光を受けて、木々は美しい影を作り、柔らかな印象を生み出している。
人々も、自然と景色に調和している。なんて、絵になるのだろう…

絵になる、その言葉が自分の中に浮かんで来た時、私の頭の中に「佐伯祐三」という日本の画家の名前が自然と浮かびました。

彼は当時、パリの景色に恋焦がれた日本の画家の一人。
私は大学時代、教育学部・児童教育専攻でありながら、画家、佐伯祐三についての卒業論文を書く程、当時執着していた画家。

その当時、フランスどころか海外旅行すらしたことも無かった自分。
だから、彼がなぜあんなにもフランスに、パリに思い焦がれ、死と隣り合わせの状況にあってもなお渡仏を選んだのか。それは文献という、文字による情報にのみ留まっていたけれど。

あれから6年。実際にパリを歩いて、私は6年越しに、彼の気持ちにようやく本当の意味で共感できたような気がします。

当時の日本には無かった、建物の重厚感。カラフルなカフェテラス。螺旋状に伸びた通りが生み出す独特な建物の見え方。そこにナチュラルに溶け込むパリの人々…。

驚きでした。自分がこんなにも、想像を遥かに超えるくらいに、かつてパリを愛した画家のようにパリに魅了されるなんて、思ってもいなかったから。

ひたすら、自分の好きなことを研ぎ澄ましてきた4年間。きっと、この研ぎ澄まされた感覚の今だからこそ、見えた世界なのかもしれない。自分らしく、パリの街を見出せたのかもしれない…

もちろん、パリなんて汚いし、治安悪いし。
なんて悪いイメージも良く聞くし、実際それもそう。ゴミなんてそこら中に散らばってるし。臭いがキツいこともある。
でも、それを全てみたいに、口を揃えて言うのはもったいないと、この旅の中で思いました。
(そういう言葉ばかり聞いていたから、わたしも無意識にそういう目で、どこかパリを見てしまっていたから。)

こんなに美しい景色に出会えるのに。悪い言葉ばかり、受け取らないで欲しい。

歩いてみて欲しい。遠くても、ちょっとだけ、1駅でも2駅でもいいから。
気持ちまで暗くなるような、暗い、汚いメトロを使うんじゃなくて。ちょっとだけでもいいから、通りを歩いてみて欲しい。
物騒な場所だって勿論あるけど、それ以上に美しい風景がたくさん在ることに、きっと気付くはずです。

観光地を回るのも楽しいけれど、それ以外の楽しみ方も無限にあるパリ。
自分だけのパリを見つけた、2022年秋。

おわり。

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