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韓国編vol.1

渡航
コロナ禍で、ぼんやりと学校を卒業した後のことを考えていた。とは言っても、就活を始めなければいけない時間はとうに過ぎ去っていて、本来ならば悩む暇などほとんどなかった。しかし、それでも足踏みをしていた理由は、コロナよりもずっとずっと前から抱いていた、留学をしたい、海外で暮らしてみたいという夢を諦めきれなかったからだ。不完全燃焼というかそもそも火をつけられる事を許されなかっま2年間の最後の学生時代。悔しいというよりも、このまま終わりたくないという気持ちの方が大きかった。
さぁ思い立ったが吉日、その日の内に外務省のガイドラインから、渡航可能な国をピックアップし、自分の経済状況と語学力(というより自分が興味を持てるか否か)を照らし合わせて浮かび上がったのが、韓国だった。7日間の隔離があるものの渡航は可能、物価は日本より安め(後に間違いに気づく)、現在進行形で勉強を続けていた言語、何より日本から近いので、さっと帰って来れる、父の説得が楽、という不純な動機も相まって、人生初の海外暮らしはここに決まった。

大学時代は物理を専攻していたけれど、高校物理以上の面白さを見つけることができなかったため、正規留学はなし。そこで語学留学、つまり大学附属の語学堂への留学に白羽の矢が立った。(そもそも語学力がほとんどないため、正規留学をするにしても、語学堂への通学は必須だったが…。)そして、学費が一番安いという理由で、ソウル市立大学に行く事に決めた。あんまり金銭的な話ばかりするのも、気持ちがいいものではないけれど、海外で暮らすという事に対して、日本にいる時以上にお金が心の支えになってくる。お金で解決できることも多いし、お金でないと解決できないこともあるということだ。そういう意味での、心の支えだと今では思っている。

さて、入学準備に取り掛かるが、私自身、留学エージェントなどを一切通さなかった。不動産契約時に、日本の不動産エージェントを利用させて頂いたが、入学準備に関しては全て韓国語教室の事務の方に助けて頂いた。というのも、私が無知蒙昧で何の下調べもせずに取り掛かったからであって、特に難しい作業などもなかったので、語学堂留学においては経験も含めて、全て自力でやってみるのもいいかもしれない。
手続きは至ってシンプルで、入学書類送付→入学金送金→入学証明書受け取り→ビザ申請→渡航、書くだけなら簡単。本当に大変だった。当時は全てコロナのせいにしていたが、ただ単に自分のリサーチ不足。リサーチ大事。紙切れ1枚に15000円がかかるEMSを使って入学申請書を送り、大学から受理されたという報せが届き、さぁ入学金を送金という時になって、大手メガバンクの海外送金になんと1ヶ月以上必要になることがわかった。締切は1週間。莫大な手数料。間に合うはずがない。焦りに焦りまくった私は、留学に行こうと決めたあたりから細々と通っていた新大久保の事務の方に泣きついた。そしてなんとか送金会社を見つけてくれて、無事送金が完了した。余談になるものの、この会社を利用した際に、ビデオ電話での本人確認があったが、後ろのデスクのモニターが丸見えで個人情報も丸出しだったため、ビデオ電話で本人確認がある会社はあんまりおすすめしない。海外送金なら絶対にWiseをおすすめする。
そしてついに最後のステップ、ビザ申請。韓国渡航が解禁された際、韓国領事館の前にたくさんの人が並んでいたのは記憶に新しい。さっさと予約を取って、さっさと手続きを済ませてきた。ちなみに領事館の人がちょっと無愛想で驚いた。領事館やイミグレの人は、どの国でもどことなく温かい印象はない。なぜだろう。
初めてのビザ申請で、パスポートを取られたことに少々戸惑いを隠せなかったが、なんとか無事に完遂した。MVPは送金会社を探してくれた事務の方。本当にありがとうございました。

いよいよ渡航!航空券持って空港に向かう〜だけでは終わらず、時はコロナ禍。そう、PCR検査が必要だった。48時間以内の検査結果がないと飛行機にすら乗れない。確か、その当時はほとんどの国際便が成田空港発だったため、成田空港にあるPCRセンターを予約した。普通の病院では検査結果が出るのに、48時間以上かかる恐れがあり、ここにたどり着くのにも苦労した。そしていざ、30000円という少なくないお金を払い、鼻に謎の棒を突っ込まれ、3時間も待たされて、ようやく陰性だと判明して証明書を手に入れた。これをフライトチェックイン時に見せるのだが、隣にいた男性が羽田空港で受けたPCR検査の証明書を提示して断られて、泣き崩れていた。そこの会社の証明書に不備があるとかなんとかで、その男性のみならず、見ただけでも2.3人は同じ理由で断られていた。さすがに空港で受けたものが、認められないというのは、可哀想というか理不尽まであるのではないか…という話を母としつつ、見送りにきてくれた友人達と写真を撮って、日本を後にした。行ってきます。

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