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アフリカの2つの大国、ナイジェリアとガーナのCBDC導入の取り組み!
今回もアフリカ現地で話題のニュースを取り上げ、その記事をまとめた要約記事をお届けします!今、アフリカ各国で何が起こっているのか、一緒に勉強していきましょう!
さて今回はアフリカで取り組みが徐々に始まっている中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する記事をまとめてみました。
CBDCの採用の現状と挑戦
中央銀行デジタル通貨(CBDC)の普及は、各国で異なる進行状況と課題を抱えています。
アフリカで代表的な事例は、ナイジェリアのe-Nairaです。e-Nairaは導入から2年経っても使用率が非常に低く、実用性や他の通貨との違いに関する懸念が持たれています。
一方、ガーナのe-Cediは、フィールドテストでの成功を経て、金融包摂の向上に期待が寄せられています。
しかし、e-Cediも、既存のモバイルマネーとの差別化や利息に関する議論など、採用に向けた課題を持っています。
これらのことから、CBDCの普及には地域や国の特性、金融インフラ、市民の意識など、多くの要因が影響していることが伺えます。
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伝統的な銀行とCBDC
CBDCの導入や普及は、伝統的な銀行との関係性も大きな要因となっています。
ナイジェリアでは、e-Nairaの低い採用率は、伝統的な銀行がCBDCに対して消極的な態度を取っていることが一因とされています。
これは、CBDCが銀行の顧客基盤やビジネスモデルに影響を与える可能性があるためです。
ガーナでは、e-Cediの導入において、銀行やフィンテックとの協力が重要な役割を果たしており、これによりCBDCの普及が促進される可能性があります。
このように、CBDCの成功は、金融機関との連携や取り組みの方向性が鍵となるでしょう。
ナイジェリアのe-Nairaの主要なポイント:
利用率の低さ: IMFによれば、ナイジェリアのe-Nairaウォレットの98.5%は使用されていない。ダウンロードされたウォレットのうち、取引が記録されたのは1.5%のみ。
採用率の低さ: e-Nairaは、その推進にもかかわらず広く採用されていない。これは、実用性の欠如や他の通貨形態との明確な利点の欠如に起因すると考えられる。
中央集権的な発行: e-Nairaはナイジェリア中央銀行(CBN)によって直接発行されたが、銀行やフィンテックコミュニティに大きな利益はなかった。これは、ガーナのより協力的なモデルとは対照的である。
モデルの変更: e-Nairaは、銀行口座モデルからトークン/価値モデルへと移行することで、人気が出るかもしれないとの期待がある。
ガーナのe-Cediの主要なポイント:
テストの成功: e-Cediのフィールドテストは成功と評価された。ガーナ中央銀行は、金融包摂を向上させる役割に楽観的である。
協力的なモデル: e-Cediは銀行とフィンテックの両方を巻き込むモデルであり、他の国々の関心を引いている。
オフライン機能: e-Cediの利点の一つはオフラインでの機能であり、金融包摂を強化することが期待されている。
利息に関する議論: e-Cediウォレットに関する利息についての議論が進行中である。利息の非存在は、ユーザーにとってモバイルマネーをより魅力的にする可能性がある。
ガーナ中央銀行がeCediのハッカソンを発足
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2023年10月に新たな動きとして、ガーナ中央銀行であるBank of Ghanaが、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の潜在的な使用事例を探求し、特定する目的でeCediハッカソンを導入しました。
このハッカソンはEMTECH Solutions Incとの協力のもと、12週間にわたって実施され、プログラマー、デザイナー、エンジニア、さまざまな金融専門家からなるチームを組織し、CBDCの開発に貢献するソリューションを求めています。
銀行がハッカソンに対して抱いている目的の一つは、CBDCの知識共有を促進することです。さらに、ガーナ銀行、他の銀行、および支払いサービス提供者は、CBDC分野で働く他の組織やソフトウェア開発者とのネットワーキングや協力の機会を提供する予定です。
隣国のナイジェリアはCBDCを導入した約1年後にハッカソンを開始しており、ガーナは異なるアプローチを採っています。
CBDCの未来と期待
この様にCBDCの導入や採用は、今後も進行していくことが予想されます。
ナイジェリアのe-Nairaは、銀行口座モデルからトークン/価値モデルへの移行が期待されており、これにより採用率の向上が期待されています。
また、ガーナのe-Cediは、オフラインでの利用が可能であるため、金融包摂の向上に貢献するとされています。
しかしながら、既存の金融サービスとの差別化や利益を明確にする必要があります。
これらのCBDCの動向は、他の国々がCBDCの導入を検討する際の参考となるでしょう。
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